トップ


   発達について
  
ことばを育てるときに

   
 自立を助ける 子どもの持ち物 ボタンをとめたり、はずすこと 家庭学習の習慣    次へ



 子どもの自立を助ける


 生理的欲求
 乳児は、食べたい、眠りたい、休みたいなど生命活動に必要な欲求を泣くことで表現します。
 母親はその表現に答えて、ほほえみながら、ミルクを与え、やさしくダッコし、あやします。
 母親のこうした行動により、乳児は母親への愛着を育てていきます。

 安全欲求、愛情の欲求
 生後6、7ヶ月もすると、母親以外の人に抱かれると、不満な顔をしたり泣き出したりします。
 母親以外の人を区別し、嫌います
 このことは、母親への愛着が育ってきている証拠なんです。
 やがて、時間がたつと、母親の周りにいる父親、祖母、祖父も愛着の対象となります。
 家族の中で、信頼の輪を広げていきます。

 成就の欲求、独立の欲求

 また母親への愛着が育つと、母親の行動を模倣しはじめ、見慣れた人の身振りを模倣し積極的なかかわりをもとうとします。
 自分で食事をしよう、衣服をぬごう、着ようとしはじめます。
 何度も、くり返し、練習します。
 大人が手伝おうとすれば、「いや」といって抵抗もします。
 一人でやらせると、失敗することも多いです。
 しかし、一人でやりたいと練習し、一つひとつのことを獲得していきます。

 承認の欲求
 こうして、基本的生活習慣が身についてくると、身の回りのことを自分で処理できるようになります。
 「自分にもこれだけのことができるんだ」という自信が生まれてきます。
 親の指示に「いやだ」「できない」と逆らうことも多くなってきます。
 自分を意識し、自己主張しているのです。

 「子どもは発達の中で表現する欲求」についてまとめてみました。
 人は、自分が表現したことを受け止められると、うれしいものです。
 子どもの場合も、同じようにうれしいし、この人ならといった安心感も育ちます。
 この安心感が新しいことにも取り組んでいこうかな、一度やってみようかなという気をおこさせます。

 しかし、いつもいつも子どもの表現に答えられるわけではないでしょう。 
 兄弟もいます。
 家族もいます。
 家事や仕事もあるでしょう。
 そんなときは、子どもと過ごす時間を決めて、その限られた時間にしっかり、子どもの表現に答えることです。
 家族で食事をするときに、子どもがねるときに、子どもと過ごせる時間に子どもの話しに耳を傾け、答えることです。

 子どもは、欲求を満たされることで、安心感をもち、それをエネルギーとして、子どもは自立にむかうことができます。


                                           トップへ
 子どもの持ち物


 指導する子どもを待ちながら、3階の教室の窓から外を眺めています。
 すると、親子で幼稚園に行き、園から帰る姿を見かけます。
 中にこんな親子をよく見ます。
 子どものかばんを親が持って、歩いていきます。
 思うのですが、かばんの中には子どもが使うもの、使ったものが入っています。
 子どもが持つのを嫌がるからでしょうか?
 重すぎるからでしょうか?
 かばんの中には、その日に食べるお弁当が入っていて、いつもより重たいのでしょうか?
 もって帰るものが多くて、子どもが持てないほど重いのでしょうか?
 子どもが一日園の生活で疲れているからでしょうか?
 また、急ぐ用事があって、速く歩いてほしいからでしょうか?

 発達のスピードは一人ひとりちがいます。
 体格が大きくなるのも、それぞれちがいます。 
 園の生活がある子には平気でも、ある子にとっては疲れるものでしょう。
 しょうがないかと思う反面、かばんの中には子どもが使うもの、使ったものが入っています。
 園で、かばんから使うものを取り出すのは、子どもです。
 そして、そのものを使い、活動するのは、子どもです。
 使った後、片付けるのも子どもです。

 子どもに自分の物を管理する力を育てるには、家での経験も大切です。
 家で、子どもが遊んだおもちゃを出しっぱなしにしていては、園で自分の物は管理できません。
 子どもが自分の物を片付けやすいように、環境を設定するのは、いろいろ工夫できると思います。
 もしかしたら、子どもが管理できないくらいのおもちゃを与えすぎているのかもしれません。
 そんなときは、おもちゃの量を調整するのも必要でしょう。
 子どもに遊びの見通しを持たせることも大切です。
 ○時に買い物に行くなら、遊んでいる子どもに、
 「長い針がここにきたら、片付けようね」
 「もうすぐだよ」
 と声をかけておき、そのときになったら、いっしょに片付けはじめる。
 まずは、ひとつ
 「ここにしまうよ」
 とどこにしまうのかを子どもに教える。
 次に、子どもの手を持って、やらせてみる。
 そして、二つ目三つ目は、子どもにやらせてみる。
 そして、出かける。
 こうすることで、子どもの気持ちもきりかえやすいとおもいます。
 また、家のお手伝いをすることで、ものを整理するようにもなるでしょう。
 洗濯物を片付けたり、食事の準備や後片付けをしたり、玄関のくつを並べたり・・・。
 お手伝いは、家事を分担され、大切な役割を果たしているという責任感や達成感を育てます。
 いつものところにいつものものを置いておくことで、空間関係を学んでいきます。
 こうすることで、ものを整理する習慣を育てることにもつながります。
 根気よく時間をかけて、取り組んでください。
 子どものものを管理できない習慣を育てるのでなく、管理できる習慣を子どもに育ててあげてください。

 
                                               トップへ
 ボタンをとめたり、はずすこと


 午前中は幼児がことばの教室にやってきます。
 子どもたちは、園で活動しやすいように上着を着てくることがあります。
 冬になると、寒いのでジャンバーを着てきます。
 もちろん雨が降ると、カッパを着てきます。
 当然ですが、教室ではジャンバーもカッパも脱いでから、指導をはじめます。
 そして指導後に着て、幼稚園にいきます。
 ホックをとめること、はずすこと。
 ボタンをはめること、はずすこと。
 チャックをとめること、あげること、おろすこと、はずすこと。
 できない子が多いです。
 案外難しいことです。
 しかし、衣服の着脱は、大切な発達の課題です。
 ボタンをはめるために、たいへん細かい手指の動きが必要になります。 
 ・ 親指と人差し指で、ボタン穴をつまむ。 
 ・ 親指でボタン穴を広げる。  
 ・ もう一方の手の親指と人差し指で、ボタン穴に対応したボタンをつまむ。 
 ・ ボタンのはしをボタン穴にとおす。  
 ・ ボタン穴をつまんでいた親指と人差し指でボタンをつまむ。 
 ・ つまんでいたボタンを親指で押す。
 これだけの動きができて、ボタンをはめることが出来ます。
 子どもはこれを大人にしてもらっているうちに、いつの間にかまねをしはじめます。
 しかしそれだけでは、この細かい動きができない子もいます。
 手指の巧緻性に問題のある子がいます。
 そんな子には、着ていない服で、練習をくりかえすことが必要です。
 洗濯物が乾いたときに練習するのも楽しいかもしれません。
 大人がしてあげるのと子どもがするのでは、指の向きが違うため、まねできない子がいます。
 大人は子どもの後ろにまわって、子どもの指の向きと同じになるようにして見せてあげることが必要です。
 はじめから、全部をさせてみるのでなく、一部分の動きを子どもにさせながら、練習するのも楽しいかもしれません。


                                             トップへ
 家庭学習の習慣


 ことばの教室では、指導をおえると、お母さんと話しをします。
 そのとき、お母さんから
 「家でもさせようとするんですが、なかなかしてくれない」
 とよく聞きます。
 そんなときは、こんなことを考えて返事をしています。 
 
 適切な課題であったか?      

 課題はむずかしすぎると、やる気をなくします。  
 反対にやさしすぎると、いいかげんになります。  
 子どもの力に見合った難易度であることが大切です。     
 ことばの教室で行っている個別指導では、「もうすぐわかること」「もうすぐできそうなこと」を課題としています。  
 むずかしい課題には、解きかたのパターンを教えます。  
 そのパターンでいくつかの問いに答えていき、習得すること、記憶し定着することを課題としています。    
 適切な量であったか?     

 課題は一つにすることです。   
 欲張りすぎて、これがわかるなら、これもと言ってしまいがちです。     
 ことばの教室で行っている個別指導では、1文を音読した後、表現の通りに質問していきます。  
 そして段落ごとに、5W1Hで質問していきます。  
 次に、場面ごとに、5W1Hで質問していきます。     
 たとえば、「“なぜ?”という問いには、“〜 だから”と答える」と表現のパターンを教えたとします。  
 その日は、そのパターンで答えられる問題をいくつかして定着を図ります。  
 そして、きょうの課題が「できた」で終わるように心がけます。    

 適切なモデルを提示したか?   

 その課題を解く、モデルを提示することが必要です。  
 また、その子に合ったモデルの示し方をすることです。     
 ことばの教室で行っている個別指導では、新出漢字を書かせたとき、正しく書けなければ、  
 ノートに手本を赤で書いて、なぞらせます。  
 マスの横に一画ずつ手本を書き、写させます。  
 マスの横に書いていくのを見せて、写させます。  
 マスの外に書いて、それを手本にして写させます。  
 一マスに書けなければ、4マスを使って写させます。 

 適切な評価をしたか?   

 「できないこと」を評価しても、子どものやる気は消えていきます。  
 「できてきていること」を評価し、定着をはかります。  
 「今できていないけれど、〜すればできるよ」と教え、「できたな」と声をかけます。       
 できるようになったことを評価していくことです。  
 家庭学習は「わかった」「できた」で終わるようにして、明日につながるように心がけることです。 

 子どもに見通しを持たせたか?   

 何を、どれだけすれば、おわりなのか?学習の前に示すことです。     
 いつもの時刻に、いつもの時間、机に向かうことです。  
 家庭学習をする習慣をつくってください。   


                                            トップへ   次へ



ことばのもり