おはスタ感想ページ

2011/10/03(月)

出演:山寺宏一、小出先生、林先生
おはガール:しおり
スポンサー:SEGA-SAMMY GROUP、タカラトミー、BANDAI、任天堂、KONAMI
ハム太郎CM回数:0
ドラゼミCM回数:0
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 「おはスタ」がリニューアルしましたね。テーマは「日本一速く始まる学校」。 一発目としてはかなり良かったのではないでしょうか。 山寺の人形操作も見事で、さすがの本領発揮といった所でした。

 また開始時間が7:05から7:01まで4分間延長になりましたが、なんだか4分間では すまない程長く放送された感じがしました。 これは7:01から7:05までCMもアニメも一切入らなかった事と深い関係があると思います。 以前のCMもアニメもない「おはスタ」の放送時間は約10分間なので、そこにこれまたCMもアニメもない4分間が 加わると、放送時間は約1.4倍延長となります。 これが長く感じた理由だと思われます。 しかし放送内容は良かったので、徐々に気にならなくなる事でしょう。

 「夢に向かってマエマエマエ」のコーナー。ミロと牛乳の栄養素が占める、一日当たりの栄養素等表示基準値に 対する割合をレーダーチャートを使って説明していました。 しかし、そのグラフは視聴者を騙す悪意を持ったグラフでした。


「おはスタ」で紹介されたレーダーチャート

 例えばカルシウムの数値は55.7%しかないのに、レーダーチャートの表示ではなぜか90%近くを占めています。 不思議です。55.7%ならばレーダーチャートの60%ぐらいしか占めないはず・・・。 しかし左下をよく見ると、「*外枠は70%です。」という謎の表記が。 この表記は「おはスタ」ではさらにわかりにくく表示されていました。 ここで大人の「おはスタ」視聴者はニヤリです。 「おはスタ」は外見はリニューアルしましたが、中身は相変わらずのインチキ体質のままでした。

 一日当たりの割合とグライフタイトルで表記しているのですから、通常レーダーチャートの最大値は 「100%」です。そうでないと「数値は小さいのに割合は大きい」と、見た人が見誤ってしまいます。 もちろんこれこそが「おはスタ」の狙いです。 55.7%の摂取割合にも関わらず、レーダーチャートを見ただけでは、一日当たりのほとんどの カルシウムを摂取できると勘違いさせるトリックです。 「おはスタ」はまた視聴者を騙しました。

 ミロに栄養素があることは判りました。しかし、このような不誠実な表現を用いれば、 視聴者の反感を買うだけです。 ただ上記レーダーチャートはミロのホームページに記載されているレーダーチャートなので、 諸悪の根源は「おはスタ」ではなく、ミロと言ってもよいでしょう。 ですが、これにより「おはスタ」が視聴者を騙した責任を免れる事が出来るわけではありません。 放送として全国に中継するわけですから、与えられた資料を鵜呑みにせず、必ず精査することが マスコミとしての最低限の仕事であると考えます。

 「低濃度の放射性物質を含んだ水を海に放出しました」とは、NHKの19時のニュースの 一文です。 これは与えられた資料を鵜呑みにした最も悪い例であると言えます。 この時実際に海に放出した水は基準値の数百倍の放射性物質を含んだ水でした。 恐らく、この資料の作成者は「基準値の10万倍のたまり水に対しては比較的低濃度」という 意味でこの資料を作成したのだと考えられます。 NHKはそれを何の精査もなくそのまま使ってしまったのでしょう。 これによって多くの視聴者は「海に放出した水は比較的安全」と騙されました。

 言うまでも無く、放射性物質の濃度が高いか低いかを判断する基準は「基準値」です。 それを越えれば2倍だろうが10万倍だろうが危険であることには変わりはありません。 それを判断するための基準となる値が「基準値」なのですから。 上記のニュースの一文は、この基準値を勝手に10万倍に引き上げたと 言っても過言ではないでしょう。 勝手にこんな事をやられると、今まで「基準値」を基準として使っていた 世の中は大混乱に陥ります。 NHKもこれに気づいたらしく、数日後からは表現を以下のように変更しました。
「比較的低濃度の放射性物質を含んだ水を海に放出しました」

 マスコミは与えられた資料を精査し、自分の頭で考えた上で資料を放送する義務があると思います。 それを考えれば、「このチョロQの速さと音の速さは同じです」などと音の速さを勝手にチョロQと 同じに引き下げてしまう事がいかに世の中を混乱に陥れるか、よく理解できると思います。


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