つれづれに・京都あれこれ (2018年発表分)

                                                                    

風の中には汗と命(2018年9月)

   「叫びをぎんぎん響かせろ、血管をぶちぶち膨らませろ、汗をびゅんびゅん吹き上げろ。お前の命はここにある。」

 梅の楽しみは、愛でることの他に食べること。北野天満宮では、14日から4日間、梅酒まつりです。そうなんです、日本各地の梅酒140種以上が飲み比べできるんです。日本酒、果実、焼酎、ブランデー、ビールと、酒ならなんでもあり。清水焼の梅酒杯と京漬物の販売があるので、これで一杯やりますか。おや、梅結びグラスとはおしゃれ。

 君は西尾維新大辞展を見たか(大辞典じゃないよ)。「京都の二十歳」としてデビューした維新も、はや作家業15周年。それを記念した大展覧会です。京都が舞台の戯言シリーズ、物語シリーズ、忘却探偵シリーズなど、作品がたっぷり。声優によるキャラクター音声ガイド、トークイベント、スタンプラリー、グッズ販売など、もう盛り沢山。文化博物館で、17日まで。

 こちらは渋く、「京都、写真の時代」の特別展。実は京都は、長崎、横浜と並ぶ写真の先進地でした。日本伝来前から昭和戦前期ころまでの、カメラ、写真師、写真画像などの展示を通じて、カメラと写真の歴史を学びます。ライカ・M3やローライ・フレックス、ソホ・レフレックス・トロピカルなどの、中川コレクションが貴重。御所の東側の歴史資料館で、18日までです。

 毎年楽しみな、府立植物園の名月観賞の夕べ。今年は、24日の18時に開園です。ツキミソウ、ブルグマンシア、ヨルガオなどの、夜に咲く花を観賞して、名月の観賞でうっとりしましょう。ゲストはなんと、大澤誉志幸。孤高のメロディーメーカーが降臨とは、これいかに。同じ日に、上賀茂神社では賀茂観月祭が。こちらは、石見神楽やら月見団子やらが楽しみ。

 京都の御大礼の展示を、心して拝見しましょう。明治150年と平成30年記念で、「即位礼・大嘗祭と宮廷文化のみやび」です。東山天皇の即位式図、後陽成天皇や後水尾天皇の行幸図屏風、大嘗祭関連の資料、大嘗祭の後の節絵の饗宴で捧げられた悠紀主基屏風などが、みやびを伝えます。市美術館別館で15日まで、みやこめっせで19日から27日までです。
八月の宵に淡い雲(2018年8月)

   「八月の宵は素敵。薄れていく西の空を、東の淡い入道雲が見送っている。あちらはあんなに紅いのに、こちらはこんなに蒼い。」

 とんでもない暑さの中でも、この時期ならではの楽しみがあります。まずは、「京の七夕」。堀川も鴨川もいいですが、ここは梅小路公園に行ってみましょう。チンチン電車やら水族館やらが、12日までライトアップされています。同じく楽しみなのが、下鴨神社の納涼古本まつり。納涼とは言えない天気ですが、そこは糺の森で気分を落ち着けて、掘り出し物を探してみましょう。16日まで。
 松ヶ崎に行ったら、フランスポスターを見よう。工繊大の美術工芸資料館では、ベル・エポックを中心にした「華やかなフランス・ポスター」展が開催中。アール・ヌーヴォーからアール・デコまで、シェレ、ロートレック、カッサンドラ、サヴィニャック、ミュシャなどのポスターがお洒落です。図書館では、日本美術史の展示もあります。11日まで。
 イギリスの学生による、英語のシェークスピア劇もお洒落。男装のシザーリオとして公爵に仕えるヴァイオラ。公爵が好きなのに、公爵の恋文を届けに行った先のオリヴィアに惚れられ、もう大変。そんなとき、双子の兄のセバスチャンが帰ってきて。と、お馴染みのどたばたコメディ、「十二夜」です。このオックスフォード大学演劇協会の来日公演、春秋座で11日ですよ。
 京都の芸術が分野を超えてコラボするのが楽しい、「京の文化絵巻」。今年は、三つの意外なコラボがあります。洋楽と華道では、フルートとストリングスの演奏に合わせて、生け花の実演。邦楽と洋舞では、箏、十七絃、尺八に合わせて、コンポラダンスが。最後は、邦舞と能楽で、楳茂都流と観世流が、地唄「珠取海女」を題材に舞います。芸術センターで、12日開催です。
 白川通の西にある爽やかな道が、神楽岡道。そこを南に歩いていくと、静かに佇んでいるのが、黎明協会資料研修館。ここでは、琳派を中心にした書跡、絵画、彫刻、陶芸などの美術品が、季節に応じて展示されています。ゆったりして落ち着いた美術館で、図書室、茶室、無料休憩所、ミュージアムショップなど、みんな素敵です。夏季展は19日までです。
夏の道に船は行く(2018年7月)

   「道は開いている、ぼくは進む。ぼくは海を見る、船を見る。船は海の上、ぼくはゆく。それは今日の午後。」

 「im/pulse:脈動する映像」とは、何だ。言語的な理解だけでなく、幅広い領域から、深部の感覚や感性の作用の違いを扱う、現代美術の展示。何だか難しそうですが、アーティストがヴィンセント・ムーンとプリシラ・テルモン、contact Gonzo、Anthro-film laboratoryと聞けば、納得です。それぞれの立場で、おもろい作品が楽しめそう。市立芸大アクアで、8日まで。
 祇園祭の季節です。前祭は14日から16日が宵山で、17日が山鉾巡行。後祭は、同様に21日から23日と24日。その合間の14日と15日に、新京極の誓願寺で百物語を聞きましょう。日本怪談研究と朗読公演の一座、「百物語の館」です。怖いか怖くないかは、聞いてからのお楽しみ。15日には、噺家の笑福亭笑利の怪談トークショーもあります。
 京都とパリが姉妹都市となって、はや60年。その記念で、京都バレエ団公演が27日にあります。「ル レーヴ『夢』」は、日本が舞台。1890年にオペラ座で初演されたこのバレエが、ピアノの生演奏付きで復元されます。ゲストには、オペラ座バレエ団。これぞ、ジャポネズリ。他にも、「パキータ」第2幕、「ラ・バヤデール」第2幕とは素敵。ロームシアターで。
 「そこはかとのう 物がしみじみ思われますので、、、」。どうどす、これいっぺん京都弁で読んでみまへんか。「京ことばで語る源氏物語」の企画も、はや10年。女房語りの山下智子さんによると、「源氏物語の底に流れる、もののあはれを汲み取っていただきたい」とか。詠まはるのは、第18帖の「松風」。池坊短大の洗心館で、29日です。
 夏に伝統芸能って、いいものですね。こちらは歌舞伎。十代目・松本幸四郎による全国初のディナーショーです。歌舞伎公演では見ることのできない、素顔の幸四郎に出会えます、と言われると、行きたくなりますよね。7月は大阪松竹座、11月は改装された南座と、襲名披露公演が続く幸四郎、こういうのもいいかも。ホテルオークラで、31日です。
雨に聞く愛する声(2018年6月)

   「強張った耳をほぐして、遠くからの呼ぶ声を聞いてみよう。愛してる、愛してる。六月が愛していると言っている。」

 「京都を日本のヨガの聖地に」とは、すごい企画。流派を超え、老若男女や国境も超えて、1000人を集めるとか。この「第1回・京都ヨガ2018」、岡崎公園で10日に開催されます。第一部は、平安神宮の参道で参道ヨガ。これは壮大でしょうね。そのあとは、多彩な音が聞く人々を癒し整える、ミグラムのライブ。第二部は、各クラスに別れてのヨガです。
 五つの花街による合同公演、「都の賑い」は今年で25回目。ロームシアターで、16日から2日間です。上七軒の長唄「風流寿三番叟」、先斗町の常磐津「粟餅」、祇園甲部の東明節「秋の七草・七福神」、宮川町の常磐津「廓八景」、祇園東の長唄「二人猩々」とは、賑やかで華やか。勢揃いの、「祇園小唄」ももちろん。お土産は、上村淳之が描く扇子とか。
 21日は、清水寺に詣でて、トランペットに身を委ねよう。この日は、西門で、100本のトランペットによる奉納演奏があるんです。テーマは「世界友愛」で、120ヵ国・800都市と同日開催で、ライブ中継されます。同じ日には、記念の座談会とコンサート「月の庭 時空を超えて」があります。松原昭俊の記念アート展も、開催中です。
 毎年恒例になったファッションカンタータ、今年のテーマは「ROCK」。フィーチャリング山本里美、音楽は沖野修也、演出は石橋義正、ゲストが黒木メイサと大黒摩季。これは京都劇場で9日ですが、関連イベントは伊勢丹前で30日まで開催中。カンタータで大人気だった「和装部会」から、5人の独創的な着物が展示されます。見ているだけで、気分はロック!
 春秋座では、30日に、藤間勘十郎の文芸シリーズ・その三があります。今回は、谷崎潤一郎の「恐怖時代」と、泉鏡花の「多神教」。妖艶で耽美な世界に主役で挑戦するのは、北翔海莉。「日本舞踊の勉強を期待していたら、自分だけ踊らない」、「三越劇場ではアドリブだらけだった」とかの、インタビューが面白い。三林京子、市瀬秀和、古今亭志ん輔など、俳優も多彩。
初夏の風は恋人と(2018年5月)

   「ええい、面倒だ。誰にも気兼ねせず、大声で叫ぶよ。とにかく五月。今は五月。大好きなお前がいる五月。」

 今年も来ました、京都国際写真祭。世界的な写真家の貴重なコレクションが、市内の寺院、歴史的建造物、近現代建築物で見られます。第6回目の今年は、15名の写真家により15ヶ所で開催。中央市場までが会場になります。同時開催の、若手写真家とキュレーターによる、KG+も楽しいぞ。展示だけじゃなくて、トークやパフォーマンスもあります。13日まで。
 来月1日と2日は、第69回となった京都薪能。そのプレ公演が、5日に島屋、20日に京都駅ポルタで、2回あります。今年の薪能のテーマは、「悲劇の英雄 義経の生涯」。そこで、プレ公演の演目は「船弁慶」です。京都能楽会による、お話しも楽しみのひとつ。ポルタでは、茂山家による「棒縛」があるとはうれしい。無料とは、またうれしい。
 「地下鉄に乗るっ」のキャラも、すっかりお馴染みになりました。萌ちゃん、咲ちゃん、ミサちゃんの3人が、今や10人近くに。さあ、今日は地下鉄に乗って、太秦萌カフェに行くっ! 場所は京都駅の伊勢丹レストラン街で、地下鉄キャラにちなんだオリジナルメニューを召し上がれ。16日から22日まで。萌・咲・ミサの、放課後デザートは貴重だぞっ。
 ええっ、淀の競馬場で花火、しかも夏じゃなくて5月に。そうこれは、普通の花火ではなくて、「花火と芸術のマリアージュ」なんです。まずは、30日に行ってみましょう。5日から27日開催の京都競馬も楽しみですが、盛りだくさんのイベントも気になるよ。ライダーショーに、上川隆也のトークショー、カレーダービーに、バックヤードツアーなど。
 衣笠の堂本印象美術館が、リニューアルオープンしました。野外展示もできる庭園、イベント広場、ミュージアムショップが無料開放。屋外に持ち出せる、カフェが開店。その記念展覧会は、来月10日まで開催中。「木華開耶媛」、「阿梨帝母」、「調鞠図」などの美女にうっとりし、最晩年の抽象画「豊雲」にしゃきっとします。講演やコンサートなどの、関連イベントも楽しみ。
四月に思う花と鳥(2018年4月)

   「詩人は今、思いの中。同じ花が咲いて、同じ鳥がさえずって、同じ風が吹いても。詩人はあの時のまま。」

 今年は、早めに咲いた桜。散るのが心配ですが、桜にまつわるイベントに行ってみましょう。7日は、みやこめっせで「桜まつり」です。春の陽が射すホールでのさくらコンサート、桜スイーツがうれしいさくらカフェなどが楽しみ。京都府庁では、8日まで観桜祭。秋と同じく、コンサート、日本舞踊、野外彫刻展、イラスト展、お茶席、マルシェなど、盛りだくさんです。
 こちらはフィギュアだ。世界的フィギュア造形集団、「海洋堂」のすべてが集まった、エキスポに行こう。最新作や話題作の紹介コーナーでは、シン・ゴジラのひな型レプリカモデルや、阿修羅像の超本格的モデルが見られます。ボックスジオラマや、おまけフィギュアのギャラリーも見逃せない。ショップも充実。京都駅のイオンモールで、8日までです。
 ええっ、パンの列車、みかんのガスタンク、メモの上で日光浴、ビールの泡でそり遊びって。そう、これがミニチュア写真家、田中達也による「見立ての世界」。日常のものを題材にして見立てた写真と、実物のミニチュア作品が展示されます。この約100点の、楽しいこと。おや、「ひよっこ」のオープニングで登場するミニチュアも。高島屋で22日まで。
 今年もあるよ、ロームミュージックフェスティバル。21日から2日間、ロームシアターが、音楽でいっぱいになります。若手演奏家を中心に、短めのリレーコンサートをどんどん繋げていくのが特徴。合間の、学生さんによるコンサートも楽しい。ストラヴィンスキーによる、朗読劇「兵士の物語」は、兵士と悪魔の戦いの音楽。西村まさ彦の朗読とは、面白そう。
 世界遺産の東寺に、音楽、ダンス、絵画、パントマイム、マジック、ジャグリング、劇団、和太鼓などが大集結。総合芸術イベントBeliefのひとつ、「世界遺産東寺フェス」で、表現の現代(いま)と次世代(みらい)を表しているとか。「俺たちは70億分の1 ならば誇ろう個性、貫こう我道、生きよう命」とは、いいコピー。29日の11時から19時半まで。
春の日に揺れる心(2018年3月)

   「ここはひとつ、思いっきり悲しい歌を歌ってみよう。 春の日差しを浴びて、上を向いて泣いてみよう。」

 北大路の府立総合資料館が、昨年、府立京都学・歴彩館として生まれ変わりました。京都文化の研究推進を行う「京都学」の研究・交流拠点として、資料の収集・保存・公開などを行っています。その歴彩館では、13日まで「京の四季風景展」が開催中。四季折々の京都を描いた日本画を、ゆっくりと楽しんでみましょう。北大路駅で降りて、橋を渡り大学を抜けて行くのが、乙ですよ。
 狂言で、消費者問題を考えるってなに? 京都市消費生活総合センターによる、啓発イベントです。第一部では、茂山家の千三郎と童司、松本薫、丸石やすしなどが、「口真似」と「長光」を見せてくれます。第二部では、座談会。千三郎とセンター職員とで、消費者に関連する色々な問題を語り合うとか。金剛能楽堂で17日に、申し込み制です。
 お坊さんの歌を、君は聞いたか? 9日から18日までライトアップされる知恩院では、お坊さんの講和とともに、生演奏が聞けます。もう一つは、キッサコ。そう、禅語で「お茶でもどうぞ」の意味の、京都のフォークボーカルデュオです。ギターとボーカルは、薬師寺さん(名前もありがたい)。31日に同志社・寒梅館で、YWCAチャリティコンサートです。
 この時期、うれしいのは梅の花。北野の天神さんでは、菅公ゆかりの梅が、約50種・1500本楽しめます。もうひとつうれしいのは、宝物殿の公開。今年は、人気漫画の「刀剣乱舞 花丸」とのコラボで、宝刀展が開催中です。鬼切丸の恒次、助守、師光、國広などの御朱印や、刀剣番付表などが面白い、特製コラボカードももらえるとか。31日まで。
 2019年の国際博物館会議協と大会を記念して、「冬の京都のミュージアム」が開催中。中でも、週末の夜に閉館後のミュージアムであるイベントには、何だかわくわく。細見美術館の抱一と其一、歴史資料館の歴史講座、漢字博物館のゴム印づくり体験、橋本関雪記念館と琵琶湖疏水記念館のナイトツアー、芸術センターの早春夜話など、これは夜が楽しみ。
雪割る空に来た夢(2018年2月)

  「灰色の空が割れた、向こう側の世界。 雪のない、高く遠い誰も知らない中空。」

 ロームシアターに、ゴーストが出るって? ご安心を。「メディアアートが劇場に彷徨う」との文化庁のイベントで、そのテーマがゴースト。1階から3階までの広い通路と、ノースホールに、映像やメディアのインスタレーション、グラフィックアート、アニメーション、マンガ(ジョジョです)などが展示されます。ゴーストっぽく、彷徨ってみますか。4日まで。
 じょぎって、なに? そう、女性が太夫と三味線を務める、女流義太夫のことです。明治時代に大ブームになって、高浜虚子や志賀直哉も、はまったとか。太夫の竹本雛子さんと、三味線の豊澤雛文さんの、お話と実演を楽しむイベントがあります。芸術センターで、17日に。昔は、聞かせどころで、「どうするどうする」と合いの手を入れたとか。さあ、どうする。
 今年もあるよ、演劇フェスティバル。府内の劇団と人形劇を対象に、日頃の活動を発表し続けて、39回目。府民参加型で、「子どもたちから大人まで楽しめる」多彩なプログラムがいいんです。もちろん、過激なものはありません。みんなで選ぶ、観客賞とカンゲキ賞があるのも楽しい。府立文化芸術会館で、10日から18日まで。
 過激(?)を求めるなら、祇園甲部歌舞練場にある、フォーエバー現代美術館に行こう。独特の美学を展開する、草間彌生展が開催中です。代表作の「黄樹」や、最新の「七色の富士」など、約80点に圧倒されます。総畳敷きの日本建築空間に、草間作品がマッチした、アート空間を楽しみたい。5メートルの立体南瓜は、歌舞練場の前に置かれています。25日まで。
 まだまだ、若冲を楽しもう。8日は、若冲の誕生日。まずは、新京極のど真ん中にある宝蔵寺で、寺宝展をどうぞ。御存じ、髑髏図、羅漢図、竹に雄鶏図などとともに、弟の白歳による南瓜雄鶏図もいい。8日まで。岡崎の細見美術館でも、25日まで若冲展が開催中。有名な雪中雄鶏図を始め、動物、植物、野菜などの作品がたっぷり。他にも、江戸絵画の名品も見られます。
新春に世界を映す(2018年1月)

   「たった今、この一瞬を唄えるのはただ一人、詩人だけ。あなた達が物語を映すように、私も世界を写している。」

 みなさま、明けましておめでとうございます。戌年にちなんだおめでたい、展覧会に行ってみましょう。京博の「いぬづくし」です。狆がかわいい鳥獣図鑑や狗子図、何だかほっこりする嵯峨人形、たぬきと犬が戦う十二類絵巻など。それから、狛犬と獅子が勢揃いするのが楽しい(違いの解説あり)。常設展では、他にもお正月らしい展示がいっぱい。21日までです。
 これもめでたい。今年は、明治150年。それを記念して、「京都の奇跡プロジェクト」が始まります。人口の三分の一が減少した京都が、市民の力で復興したのです。そのキックオフイベントとして、シンポジウムが開催されます。市長、女優、アナウンサーなどが、語り合います。蹴上発電所の特別見学会や、琵琶湖疎水記念館でのパネル展示もあります。7日のロームシアターです。
 これもめでたいかな。日本中を魅了したフィギュアスケーターの軌跡。そう、美しき氷上の妖精・浅田真央展です。天才と言われた少女時代、オリンピック出場、引退まで、本人がセレクトした映像と写真パネルが、ぎっしり。競技衣装や愛用のスケート靴も、展示されます。高島屋で、22日まで。ここでしか手に入らない、企画品の特設ショップもあるそうです。
 至宝を見るのは、おめでたい。京博のあとは、文博に行ってみましょう。便利堂創業130周年記念で、「文化財写真とコロタイプ複製のあゆみ」展が、開催中です。写真をそのまま原版とする印刷技法のコロタイプは、その保存性の高さから文化財の複製に利用されています。未来への遺産を拝見しましょう。高松塚古墳壁画の原寸大複製も、見られるとか。28日まで。
 京都みなみ会館です。ユニークな企画、オールナイト上映、ゲストの登壇など、安価で楽しませてくれたミニシアターが、3月末で閉館です。いやいや、近くに移転して、今年中の再開を目指すとのこと。それならおめでたい。今やっているのが、ジム・ジャームッシュの新作、「パターソン」。何気ない日々の中にある、優しさと美しさ。これはほのぼので、おめでたい。
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