つれづれに・京都あれこれ

柿に新月ぬれる露

   「昨日、柿の実が落ちた。今朝、露に濡れていたのが見つかった。夜の中で、新月に隠れて、秘かに枝を離れたのだろう。」

 フローティング・ワールドって何?ブリーフケースと小さなスーツケース二つで世界中を駆け抜ける作家、ヤンコフスキーの展覧会です。その「Traveling Artist」では、彼が縛られて宙吊りにされます。縛るのは、祇園の緊縛師の龍崎飛鳥。会場では、そのビデオと宙吊り道具が展示されています。もちろん、その他の過激な作品も。市立芸大アクアで、28日まで。

 世界的なポップアーティスト、田名網敬一の現在展も過激です。「幽霊は壁を通る」や「黒い手のキリコ広場」などの、「夢と記憶」シリーズが極彩色。「kannooon!」や「千手観音」などの、オブジェも極彩色。一方、著作物は派手で、小物はおしゃれ。これが、80歳のエネルギーか。もう心臓がばくばくです。太秦天神川の京都dddギャラリーで、23日まで。

 11日から4日間開催の京都国際映画祭は、ちゃんばらから伝統工芸、スポーツまで、コンテンツがぎっしり。会場も、よしもと祇園花月からロームシアター、元淳風小学校まで、あっちこっち。おっと、国際舞台芸術祭も28日まで開催中。斬新でちょっと怪しげな、舞台を見てみましょう。芸術センターの、ロベルタ・リマと山城知佳子のインスタレーションは、ちょっとお勧め。

 しっとりと、野外で彫刻を拝見しますか。植物園と陶板名画の庭では、14日まで野外彫刻展が開催中です。自然の中にさりげなく置かれた彫刻が、語りかけてきますよ。お腹が空いたら、そこから上賀茂神社まで歩いて、パンを食べましょう。京都パンフェスティバルです。13日と14日、デニッシュ、クロワッサン、バゲット、角食、カレーパンなど、売り切れ御免。

 響き、味わう、文化の祭典。それが、「時の響」だ。「フランスが驚いた日本、日本が憧れたフランス」とのテーマど
おり、日仏文化交流を目的に、音楽、映像、食、パフォーマンスが楽しめます。コンサートホールと広場を中心に、コンサート、サイレントフィルム上映、トークとライブなど、19日から3日間イベントが盛り沢山。美味しいお店の出店もうれしい。

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2013年発表分 2014年発表分 2015年発表分 2016年発表分 2017年発表分 2018年発表分
山は冴え空に流雲 冬に歩み猫柳の暮 吹雪の夜に鴨の声 新たな年に松の印 新春の白雪に夢む 新春に世界を映す
冷夜の光に浮ぶ姿 春は早く水仙吹く 辛夷は咲き鶯鳴く 山は霞み景色は春 氷れる日に愛の歌 雪割る空に来た夢
春の友と悲哀の歌 街に惹かれ春の宵 菜花と風は月の中 梅の想いに鶯の声 温い空気に春の鳥 春の日に揺れる心
足音は流れ瞳に春 温か愁いと傘の舞 四月の空と深い色 山に風が人には桜 四月の風と青い麦 四月に思う花と鳥
蝶は愁い午後の街 庭の食卓と飛ぶ燕 光に惑い緑を探す 初夏に届く初の声 初夏の光と飛ぶ燕 初夏の風は恋人と
浅葱の昼と滑る鮎 梔子と梅雨の後先 露の夜に光る金魚 雨に知る涙と哀れ 水無月に光る昼夜 雨に聞く愛する声
汽船の跡夏の帽子 薔薇の日と経た年 夏に火照る渚と砂 星に願いを七夕に 己が時に朝顔の夢 夏の道に船は行く
椅子の私に待つ夏 夏の光に青空と傷 夜中の星に眠る海 暑い夏に蝉と水音 夏の海に深く合唱 八月の宵に淡い雲
稲田を歩き遠い山 秋の庭に鶏頭と刃 風の町に心が舞う 風に誘われ露の色 空に蜻蛉我は立つ 風の中には汗と命
柿実と風に雲飛ぶ 硝子の光と人の恋 秋の暮れに鐘の音 山を想えば月の夜 野分に去る草と人
林と夕暮と落葉色 夜の匂いに白い露 秋の夜更に銀の唄 紅葉散り人は行く 葉の露に夜の酒を
雪は落ち樹立に冬 朝の雪に林檎の詩 冬の空に走る汽車 雪に喜び人に会う 師走の星に人想う

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