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姥(うば)
Uba


神性をそなえた品位の高い老嫗の面。 姥は、おめでたい「高砂」の尉と姥との姿から、どなたもご存知と思います。能におれる姥は普通の老人ではなく 神の化身なのであり、人間の姿を借りる尉と連れ立って登場します。この面は「伊勢物語」の第六十三段の和歌「百年に一年たらぬつくも髪我を恋ふらし面影に見ゆ」の心を表した面だといいます。 頬はすっかりおとろえ、小鼻から唇の周囲かけての皺も深く、目もくぼみ、額の三本ほどの横皺が刻まれていますが、全体的に上品なおばあさんを表現しています。