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小町老女(こまちろうじょ)
Komati-ro-zyo


老い果てても唇の紅のなまなましさ、凄惨な女のドラマを語り続ける名品。頬から口元は姥に似ているものの、髪はほつれているが額に皺もなく彩色も明るく,教養のあるかつての美女の面影をよく残しています。 宝生家の言い伝えに「この面は関寺小町の面なり。俤のかはらで年のつもれかしと云える歌の心にて作れる面なれば、しか名付也」とありますように「関寺小町」専用の面でした。老女とは呼んで字のごとく、年老いた女の 顔を表す面ですが、能では姥とちがって、主として老いた小野小町を表します。