←栽培についてのページへ戻る 更新:03/08/02

■ ふたりごと ■

  • 1月効かない肥料編
  • 2月真冬の水やり編
  • 3月温室は密室編
  • 5月雨水大好き編
  • 6月花の名前編
  • 8月真夏の水やり編
  • 9月朝は寒い編
  • 11月咲かないカトレア編
  • 12月霧吹き上手編
  • 12月温室にクーラー.シンビ編

  • 1月効かない肥料編
    RAN子さん「お正月用のシンビジュームを買ってきました」
    RAN−YARO「綺麗な花が咲いていますね、ところで株に刺してあるアンプルの肥料は?」
    RAN子さん「花に栄養がいくように、ついでに買って刺したんです」
    RAN−YARO「シンビジュームは冬は休眠期で栄養を補給しないんです」
    RAN子さん「せっかくだから、このままでいいんじゃないの」
    RAN−YARO「抜いた方がよいですよ、鉢の中に水分が残り根腐れを引き起こすんです」

    みなさん、何故何ヶ月も花が咲くのでしょう
    洋ランの大半は春から秋にかけて成長し、養分を蓄えます。
    シンビは葉の付け根の膨らんだところに
    デンドロは太った茎に、カトレアも葉や下の太った茎(バルブ)に
    それぞれ蓄えた養分で長期間咲いてくれるのです。

    2月真冬の水やり編
    RAN子さん「今日は暖かくなりそうなので、朝のうちに外へ出して水をやりましょうか」
    RAN−YARO「そうですね、暖かくなりそうな日の朝早くがよいのです」
    RAN子さん「バケツに汲んだお水に少しお湯を加えて、鉢底から流れ出るくらいあげました」
    RAN−YARO「暖かい日といつても、水道の水はまだ冷たいですからね」
    RAN子さん「寒そうなので、すぐに屋内に入れてあげましょうよ」
    RAN−YARO「だめだめ、鉢の中が乾いていませんよ!よく陽にあてて乾かしてください」

    真冬での水遣りは、天気のよい暖かい日の朝にし、鉢の中が乾くぐらいよく陽にあててください
    乾かないうちに屋内に入れると、鉢の中に水分が残り夜の寒さで根が腐ってしまうのです
    それと、受け皿は常に厳禁です。

    3月温室は密室編
    RAN子さん「今日はいい天気ですね。でも朝晩は冷え込みますよね。」
    RAN−YARO「RAN子さん、ミニ温室のシンビジュームは元気ですか?」
    RAN子さん「3月になると寒さが和らいで、シンビも気持ちがいいんじゃないかと思い最近見てないです。」
    RAN−YARO「たしか、そろそろ花が咲くころでしたね。」
    RAN子さん「そうそう、もう花が咲いているかも・・・。 えぇ〜どうして蕾が黄色くなって枯れてる。」
    RAN−YARO「やっぱり」

    少し暖かくなる頃は、温室の管理が大変難しいんです。暖かい日は温室の中が50℃近く上がりますので、
    こまめに入り口や窓の開閉をしないと、一日で蕾が黄ばみ枯れてしまいます。
    みなさん、そんな経験ないですか。

    5月雨水大好き編
    RAN子さん「よく雨が降りますね」
    RAN−YARO「RAN子さん、軒下の洋ランを雨に当てる方がいいんですよ。」
    RAN子さん「毎日、水をあげているから雨水は必要ないじゃないの。」
    RAN−YARO「自然界の洋ランは水道の水じゃないんですよ。」
    RAN子さん「でも、水には変わりないでしょ。」
    RAN−YARO「雨水には自然に作られたミネラルがたくさん含まれています。
    それと、自然に育てることで洋ランも喜んでいるんです。」

    みなさん、洋ランの生育地の環境に近づけるほど、育ちもよく、いい花を咲かせてくれるのです。

    6月花の名前編
    RAN子さん「6月ですね、結婚式の季節ですね」
    RAN−YARO「JUNE BRIDE 西洋ではもっとも結婚に適した時期らしいですね」
    RAN子さん「このカトレア、純白で花嫁のブーケにピッタリですね」
    RAN−YARO「名前は、ハワイアン・ウエディングソング 'バージン'
    って言うんですよ。四季咲きで、いつも6月頃に咲いてくれるんです。
    娘の結婚式に咲いてくれたらいいのですが。」

    みなさん、洋ランも花の容、色彩からつけられた名前が多いんですよ。

    8月真夏の水やり編
    RAN−YARO「朝の早くから、水やり大変ですね。」
    RAN子さん「今日も暑くなるから、水やりしないと、ランが脱水症状になるでしょ」
    RAN−YARO「夕方にも水やり忘れないでくださいね」
    RAN子さん「えぇ〜夕方にも水やりするんですか?陽も沈み暑くないですよ」
    RAN−YARO「洋ランの水やりって、昼に熱くなった外気温を下げること
    鉢の中の温度を下げること、鉢の中にたくさんの酸素を送り込んでやること、
    湿度を高くすること、これが本当の水やりの目的なんです。」

    みなさん、洋ランには地生ランと着生ランがありますが、みなさんがよく知っている
    カトレア、デンドロビウム、胡蝶蘭、は着生ランで、シンビジュームも半着生種です。
    着生ランは、大半の水分を空気中から摂取します。だから湿度が高くて、暑くない夜から朝にかけて
    水分を補給します。夏の暑い昼は貯めた水分を逃がさないようにと入り口を閉ざしているのです。
    夕方からも水やりをして、昼の熱い温度を下げることと、夜の湿度を上げることが一番大事なんです。

    9月朝は寒い編
    RAN−YARO「朝、涼しくなりましたね、布団を被らないと寒くて。」
    RAN子さん「もう秋ですょ、でもまだ昼は暑いですね。」
    RAN−YARO「夕方の水やり、止めましたか?」
    RAN子さん「いいえ、まだ暑いじゃないですか、なぜ止めるんですか?」
    RAN−YARO「洋らんの大半(シンビジュームや、カトレア、デンドロ)のような着生種は
    人が気持ちがいいって思う温度がベストの成長温度なんです。」

    みなさん、朝方は布団がいるくらい寒く感じますよね、洋らんも同じなんです。夕方、水をあげると
    鉢の中の水分が朝まで残り、朝の寒さで根の成長が止まってしまうんです。
    昼間暑くて夜涼しい時期は、夕方に霧吹きをするのがベストです。
    そろそろ朝に、たっぷりの水やりに切り替えてください。

    11月咲かないカトレア編
    RAN−YARO「RAN子さん、このカトレア一度も咲いていませんね」
    RAN子さん「そうなんです、一作開花株をかったのですが、もう五年目です。」
    RAN−YARO「洋らんを買う時は、必ず花が咲いている株を買うことですね。」
    RAN子さん「咲かないことがあるんですか?」
    RAN−YARO「あるんですよ。実生苗に多く、メリクローン苗でもまれにあるんですよ。」

    洋らんって、市場に出ている苗の殆どがメリクローン苗ですが、実生苗も販売されています。
    (メリクローン苗とは、優秀な株の生長点を培養して、一度にたくさんの同じ個体を作った苗)
    (実生苗とは、交配し種を無菌培地で作った苗)
    特に実生苗は咲かないことが多く、メリクローン苗も同じく、必ず花を見て買うことをお勧めします。

    12月霧吹き上手編
    RAN子さん「洋ランって、冬は霧吹き程度がいいんですよね?」
    RAN−YARO「そうですね、葉や株への霧吹きを朝にしてあげてください。」
    RAN子さん「え、葉や株だけでいいんですか?花にもするんじゃないですか?」
    RAN−YARO「花への霧吹きは厳禁です。寒い日は水が原因で花に黒い斑点がでます。」
    RAN子さん「そういえば、黒い斑点が・・・・・」

    みなさんは、霧吹き上手でしょうか。

    12月温室にクーラー.シンビ編
    RAN−YARO「RAN子さん、もうすぐクリスマスですね」
    RAN子さん「クリスマスの飾りつけには、シンビジュームがよいですね。」
    RAN−YARO「そうですね、豪華で見ごたえがありますからね。」
    RAN子さん「わたしのシンビは3月にしか咲かないんですよ、どうしてかしら。」
    RAN−YARO「クリスマスに売られているシンビは、促成栽培されているんですよ。」
    RAN子さん「促成栽培、知ってますよ!温室に入れて暖かくしてやれば早く咲くんでしょ。」
    RAN−YARO「それもありますが、一時期ですが、シンビは逆に涼しくしてやらないとだめなんですよ」

    生産者のシンビジュームは、通常の生育サイクルより約三ヶ月早い環境で栽培されています。
    生育期は適温度さえあればいいんですが、夏は花芽の分化促進、
    開花の安定、品質の向上の為に、涼しくしてやらないといけないんです。
    このことから、夏の間だけ涼しい高い山へ移動して栽培されるんです。
    これを「山上げ栽培」っていうんですが、品質を維持するには大変な労力と置き場所を必要とするんです。
    その為、最近は温室にクーラーを入れて栽培されている生産農家が多いようです。


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