6月14日
                                                   (画像をクリックすると、大サイズで見ることが出来ます。) 
    AM5:10  大台ケ原駐車場を出発。
              いよいよ念願の大杉谷だ。
              たかぶる気持ちに、登山靴のひもを締める手に力が入る。
              天気は、どんより曇り空。時折細かい雨が降ってくる。

    AM5:35  日出ヶ岳到着。
              今年新築された展望台。まだ新しい木の匂いが爽やかだ。
              余談になるが、この展望台は、知合いのT工務店さんが昨秋より
              半年掛かりで建てられたそう。そのことを聞いて、一層愛着を感じる。
              さて、ここから最初の撮影ポイントの堂倉滝まで約2時間。
              標高にして900mを一気に下る。

    AM8:00  堂倉滝到着。
              今にも降りだしそうな空。ものすごく蒸し暑い。
              普段あまり汗をかかない方だが、シャツはすでにびっしょり。
              上半身裸になって、滝壺の淵に立つ。滝の飛沫が心地いい。
              モーニングタイム。いつもならここで熱いコーヒーなのだが、
              今回は、荷物の関係で我慢。

    AM9:00  堂倉滝出発
              ここからいよいよ佳境に入る。
              2〜30mはあろうかと言う一枚岩の上を、鎖を頼りに歩く、そんな場所の連続だ。
              雨に濡れた岩は滑りやすく、気を抜けない。しっかりと鎖を持って、慎重に歩く。
              撮影したい場所が何ヶ所かあったが、三脚を立てる事すら出来ずに、断念。
              何とか寝っ転がってでも撮影できないか、覗き込んでみたが、まっすぐに切り立った崖。
              ここで落ちたら誰も助けには来てくれないだろうなと思い、あきらめた。
              しかし、変化に富んだ滝が次々と現れ、川もきれいだ。
              滝の前で休憩をしていると、今までの疲れがどこかへ飛んで行きそうだ。
              マイナスイオンを力一杯吸っておこう。
                   

            

    AM11:45  七つ釜滝到着
               今回の撮影の最大の目的である七つ釜滝。
               想像していた通り、勇壮で華麗で、深山の趣も十分。
               苦労してここまで来た甲斐があったと、誰もいない山中で大喜び。
               ありがたいことに、滝のまん前に避難小屋がある。
               まずは、リュックをおろしてしばし滝を眺め、轟々とした滝の水音に聞き入った。
               とりあえず、数カット撮影した後、お昼ご飯のおにぎりにありつく。
               久々の長時間の登山で、少々体はきつかったが、
               目の前の風景を見ていると、そんなこともどこかへ忘れてしまう。
               さあ、お腹も一杯になったし、撮影だぁ。
               幸いにも怪しげな雲が出てきて、ポツポツ雨が降リ出してきた。
               私の最も好きな撮影条件が整った。
               谷の上の方から霧がゆっくりと降りてくる。
               夢中で撮影しては、ちょっと休憩。するとまた新たな霧が流れてきて、また撮影。
               「う〜ん、これではきりがない。」と誰にも受けないギャグをとばして、また撮影。
               結局、気が付けば、かれこれ3時間が経過していた。
               ようやく満足して、七つ釜滝を後にすることにした。
               そう言えば、撮影中、大阪から来た中年女性3人と、高知県の登山グループ22人が、
               避難小屋に立ち寄り、先発していった。
               高知県のグループも男性は数人で、あとは全て中年女性。なんと元気で賑やかなこと。
               泊まる所は、桃の木小屋以外ないので、今宵は同宿になるだろうが、恐るべし、おばちゃんパワーである。 
               

    PM3:10  桃の木小屋到着
               強い雨が降り続く中、ようやく今日の宿、桃の木小屋に到着。
               出迎えてくれた女性の「お疲れ様」の一言に、ほっと一安心。
               大杉谷では「弁当忘れても、雨具忘れるな」の通り、降りかけた雨は、次第に強くなる。
               濡れた雨具を片付けていると、「お風呂が沸きました」の館内放送。
               そうなのだ。こんな山奥にもかかわらず、ここ桃の木小屋には、お風呂があるのだ。
               4、5人で一杯になるくらいの風呂だが、汗まみれの体には、本当に気持ちよかった。
               この日ほど、お風呂がありがたいと思ったことは、今までになかった。
               おそらく、どんな名湯、名温泉もここのお風呂にはかなわないだろう。
               夕食を食べ、小屋のご主人と少し話をした後、寝床に入ったが、まだ8時。
               こんな早い時間に寝たことはないなと思いつつ、他にやることもなし。
               今朝の3時起きがきいていて、知らないうちに眠ってしまった。

               


 ところで大杉谷ってどんなとこ?

奈良県の大台ケ原を源流として、東北に流れ落ちる宮川の上流部。三重県宮川村。
滝と渓流とー(くら)と呼ばれる絶壁が連なり、今なお原始的景観を残している。
日本有数の多雨地帯で、大台ケ原は、年間平均降水量約4800ミリ。
大杉谷登山口の宮川村では、さらに多く、数年前の台風の時には、
一晩で1500ミリもの、想像を絶する雨が降ったとか(大杉谷山荘のご主人の話)。
大雨と並んで大杉谷名物と言えばヒル。
夏の雨降りには必ずと言っていいくらいヒルに血を吸われるそうだ。
幸運にも私は、ヒルに献血をしなくて済んだが、あまり気持ちの良いものではない。




                                                                                           


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