1.観察場所      自宅の庭
2.広さ          5m×8m
3.樹木         もち、紅梅、さつき、凪、紅葉、サルスベリ、その他5種類の木がが密集
  樹齢         もち、紅梅は100年以上、さつきも70年以上その他は15年から30年前後
4.観測時間      午後6時から11時頃と午前6時から6時30分
              (蚊と戦いながら懐中電池で探索)1時間間隔で蝉の羽化を確認する
5.観測数        約90匹 アブラゼミの抜け殻の調査はこちら

私はあぶら蝉が夏になったら羽化する事は知っていたが地上に這い出して来る時期について
確認した事は無く今までそんな事に関しては無関心だった。
そこで今年は徹底的に調査することにした。
気温と羽化する数を7月15日頃から8月15日頃まで観察しグラフにしたのがF1で有る。
 
F1
このグラフから言えることは気温には関係なく羽化する時期がある様だ。7月の17日頃か
ら羽化する数が増加して23日が最高になっている。8月6日を過ぎるとほとんど羽化する蝉
は観測が出来ず。あぶら蝉は20日間の間にすべて羽化して短い命をまっとうする。
最低気温が15度以下でも時期が来ればアブラゼミは羽化する。
次に羽化する高さについての観察はグラフF2のごとくなる、この場合は自宅の敷地内(約10ha)
すべてで観察した。そのため観測数量は200ヶを超えた。今年も高さは51cm〜100cmが一
番多かった。
平成15年 あぶら蝉の羽化する高さ     資料211ヶ
F2
観測中に気がついたこと
1. 大きい葉のある木で羽化する場合が多い
2. 羽化は葉の裏側で頭を上に向けて行われる。
3. 新しい樹木より古木を選ぶ。そして一番下の枝での羽化が多い
4. 凪とかサルスベリの木は好まない。
5. 地上からはい出す時刻はおおよそ午後6時から7時頃、中には9時頃でてくる場合もある。
6. 晴れた日に羽化が多く雨や風の強い日は少ない。
7. 朝つゆがある場合はまだ蝉は羽化した場所に止まっている。
8. 日の当たる場所での羽化は死亡する場合が多い。
9. 木に登れず地面で羽化した蝉は羽がきれいにのびず飛ぶことが出来ない。
10.雨のかかる場所での羽化は死亡する確率が高い、殻からでたときに雨が降ると殻に雨水
   がたまり地上に落下してしう。
11.毎日観測したが地上にでる瞬間、産卵の瞬間は見る事が出来なかった。交尾の瞬間
   は何度か観測できた。
12.棒の先、葉の表側、等目に付きやすい場所での羽化は外敵(鳥、等)にねらわれやすい。
   又地上から1mいないでの羽化も同じ(猫、、等)

まとめ
アブラゼミの羽化は温度より季節(時期)が来れば地上に出て羽化する。また羽化している
場所により外敵にねらわれやすい。そのため高さは50cm〜100cmが最も多く羽化する樹木
は登りやすい木を選び葉の裏側で頭を空に向けて頭から羽化を始める。
羽化は頭から脱皮し始めしっぽが出るまで頭は下に向けているがしっぽが出た瞬間に頭を
空に向けて前足で殻にぶら下がる、そして羽がのびて乾くまでじっと留まっている。朝露が
無くなるころどこかえ飛んでいく。 
アブラゼミの羽化と気温(平成15年)
昆虫