12AX7(ECC83) の実測データ

 
 




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 12AX7は1948年ごろ、オーディオ用として開発された傍熱双3極管。増幅率が高く低雑音、直線性も良好でコンパクトなため、今なお、真空管プリアンプの定番球として高い人気を保っています。

 どのメーカーのデータシートでも、バイアス0Vの曲線は下グラフのように急激に膨らんで立ち上がりますが、実測では下グラフ-0.5V曲線のように少し寝てから立ち上がるケースが多かったです。また、松下電器12AX7(T)の場合、0Vと-0.5Vの曲線間隔が極端に詰まっているものが複数あったものの、初速度電流が増えるこの領域を使わないのがアンプ製作の「お約束」なので、実用上の支障はありません。

 両ユニット間のバラつきは、大きいもので曲線1本分(0.5V)もありましたが、内部抵抗は公称値( 62.5kΩ)よりも低い個体がほとんどでした。



 【データシート値】

  12AX7(ECC83)    
バルブ 形状  MT9pin
 ユニット  傍熱双3極
 ヒーター 12.6V/0.15A
 6.3V/0.3A
最大プレート電圧  300V 
最大プレート損失 
(片ユニット)
1W
 動作例  Ep  250V
 Eg1  -2V
 Ib0  1.2mA
 rp  62.5kΩ
 μ  100
 gm  1.6
 備考(データ元) SYLVANIA


 【実測値】   ※3定数(μ、rp、gm)は、上記動作例付近の数値


  松下電器 12AX7(T)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.30A
μ 106.1
105.0
rp 60.06kΩ
58.75kΩ
gm 1.76
1.78
<コメント>  両ユニットの特性がよく揃っている。


  松下電器 12AX7(T)/ECC83 (その4)
 <実測値>   ヒーター 6.3V/0.29A
μ 89.52
91.89
rp 55.40kΩ
52.41kΩ
gm 1.60
1.75
<コメント>  両ユニットの特性は揃っているが、0Vと
-0.5V間の曲線間隔がやや狭い。


  松下電器 12AX7(T)/ECC83 (その2)
 <実測値>   ヒーター 6.3V/0.29A
μ 91.75
90.72
rp 54.25kΩ
54.58kΩ
gm 1.69
1.66
<コメント>     同   上


  松下電器 12AX7(T)/ECC83 (その3)
 <実測値>   ヒーター 6.3V/0.29A
μ 88.33
87.48
rp 54.38kΩ
54.16kΩ
gm 1.61
1.60
<コメント>  最もμの低い個体。


  松下電器 12AX7(T)/ECC83 (その1)
 <実測値>   ヒーター 6.3V/0.31A
μ 95.36
94.65
rp 61.76kΩ
57.67kΩ
gm 1.54
1.64
<コメント>  両ユニットとも0~-1Vの曲線間隔は
「何じゃコレ」の世界です。


  AEG ECC83
 <実測値>   ヒーター 6.3V/0.30A
μ 102.43
102.24
rp 71.21kΩ
66.29kΩ
gm 1.43
1.54
<コメント>  両ユニットの特性がよく揃っている。


  Ei 12AX7EG (その2)
 <実測値>   ヒーター 6.3V/0.31A
μ 103.52
105.59
rp 54.29kΩ
58.61kΩ
gm 1.9
1.8
<コメント> まあ、こんなもんか・・・


  SOVTEK 12AX7WA
 <実測値>   ヒーター 6.3V/0.31A
μ 90.80
87.16
rp 56.38kΩ
59.59kΩ
gm 1.61
1.46
<コメント>  曲線間隔は良好だが、ユニット間で
0.5V前後のバイアス差が生じている。


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