12BH7A の特性実測データ

 
 




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 12BH7Aは1950年代前半、家庭用小型テレビの垂直偏向出力回路用に米国で開発された傍熱双3極管。Ep-Ip特性グラフから分かるように、3極管にしては直線性が良くない(歪みが多い)のですが、これは偏向コイルをプレート負荷とした時に歪みが少なくなるよう、わざと真空管自体の直線性を悪く設計したためとも言われています。

 直線性に若干のハンディはあるものの、低インピーダンスの大きな出力が得られ、超廉価のうえ音のバランスも良いです。このため、2A3や300Bなど大型3極管のドライバ管などとしてオーディオ用途でも結構重宝されてきました。典型的なテレビ球ですのでユニット間の特性のバラつきが結構大きく、オーディオ用に使うなら必要本数の1.5~2倍程は確保しておいたほうが無難です。




 【データシート値】

  12BH7A  
バルブ 形状  MT9pin
 ユニット  傍熱双3極
 ヒーター 12.6V/0.3A
 6.3V/0.6A
最大プレート電圧  300V 
最大プレート損失 
(片ユニット)
3.5W
 A1級動作例  Ep  250V
 Eg  -10.5V
 Ib0  11.5mA
 rp  5.3kΩ
 μ  16.5
 gm  3.1
 備考(データ元) GE 、TUNG-SOL

 ※ TUNG-SOLは上記動作例でのμを17としている。これだとrpは約5.5kΩとなる。




 【実測値】   ※3定数(μ、rp、gm)は、上記動作例付近の数値
            ※Unit 2のバイアスは手抜きして10V間隔で拾ってます。
            ※あくまで手元にある球のデータであって、メーカー毎の傾向を示すものではありません。


   NEC  12BH7
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.60A
μ U1=18.32
U2=18.14
rp U1=5.42kΩ
U2=5.55kΩ
gm U1=3.38
U2=3.27
<コメント> ユニット間のバラつきは測定誤差の
範囲内程度で超優秀。


実測した9本中、1本が該当。




   松下  12BH7A (その1)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.62A
μ U1=17.64
U2=17.21
rp U1=5.47kΩ
U2=5.08kΩ
gm U1=3.23
U2=3.39
<コメント> ユニット間のバラつきは少ない。


実測した9本中、1本が該当。




   日立  12BH7A (その3)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.60A
μ U1=18.39
U2=17.58
rp U1=5.79kΩ
U2=5.66kΩ
gm U1=3.18
U2=3.11
<コメント> ユニット間のバラつきがやや目立つ。


実測した9本中、3本が該当。




   松下  12BH7A (その2)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.61A
μ U1=16.75
U2=18.47
rp U1=5.71kΩ
U2=5.83kΩ
gm U1=2.94
U2=3.18
<コメント> ユニット間のバラつきがかなり
目立つ。


実測した9本中、2本が該当。




   日立  12BH7A (その2)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.61A
μ U1=18.10
U2=17.36
rp U1=5.76kΩ
U2=5.67kΩ
gm U1=3.13
U2=3.06
<コメント>      同    上


実測した9本中、2本が該当。




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