31 の特性実測データ

 
 




 ◆真空管一覧に戻る





 ◆トップページに戻る



   


 31は1920年代後半に米国で開発された直熱3極出力管231(ナス管)が、30年代初頭になって電気的特性を変えることなくST管(ダルマ管)化されたものです。主な用途は家庭用ラジオ受信機の出力用で、パワー的には12Aと71Aの間の立ち位置です。

 当時はまだ、交流式ラジオ受信機が普及しておらず、ランニングコストが高くつく電池式受信機が主流でした。このため、フィラメントの消費電力をほぼ同時期に誕生した112A(12A)の約5分の1の僅か0.26W(2V/0.13A)まで抑えつつ、最大出力は12Aの3割増しを実現させるなど、ライバル管を相手に省エネと高いパフォーマンスを「売り」にしていたようです。




 【データシート値】


 
  31  (参考) 12A    
バルブ 形状 ST-12  ST-14
 ユニット  直熱3極  直熱3極
 フィラメント 2V/0.13A  5V/0.25A
最大プレート損失  ≧2.2W  ≧1.38W
 A1級動作例  Ep.max  180V  180V
 Eg1 -30V  -13.5V
 Ib0  12.3mA 7.7mA
 rp 3.6 kΩ  4.7kΩ
 μ  3.8 8.5
 gm  1.05 1.8
RL 5.7 kΩ 10.65kΩ 
 Po 0.375 W 0.285W
 備考(データ元)            RCA



  【実測値】   ※3定数(μ、rp、gm)は、上記動作例での数値

           ※バイアスは手抜きして10V間隔です。

  個体①  RCA 31 (その1)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.13A
μ 3.63
rp 3.61kΩ
gm 1.01
<コメント>




  個体➁  RCA 31 (その2)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.13A
μ 3.65
rp 3.64kΩ
gm 1.00
<コメント>




  個体③  RCA 31 (その3)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.14A
μ 3.66
rp 3.34kΩ
gm 1.10
<コメント>



  個体④  RCA 31 (その4)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.14A
μ 3.60
rp 3.77kΩ
gm 0.96
<コメント> この個体だけは傍熱多極
管の3結みたいなカーブ
で、直線性はイマイチ。



  個体⑤  RCA 31 (その5)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.13A
μ 3.77
rp 3.67kΩ
gm 1.03
<コメント>




 ◆真空管一覧に戻る


 ◆トップページに戻る