33 の実測データ


 
 




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 33は米国で1930年代に、家庭用ラジオ受信機の出力段用に開発された 直熱5極の電池管。フィラメントは2V、0.26Aに過ぎず随分と華奢ですが、5極管動作での最大出力は1.4W(プレート負荷6kΩ)となってます。なお、日本でのみ製造された直熱5極出力管UY-47Bは、この33がモデルになったとも言われていて、特性データは33とほぼ同一です。

 RCAのデータシートには3結でのEp-Ip特性グラフ(但しプレートと第2グリッドを別々に記載)があり、3結でのパワーは71Aを上回りますが、残念ながら具体的な3結動作例は見当たりません。



 【データシート値】

   RCA-33  
バルブ 形状 ST-14
 ユニット  直熱5極
 フィラメント  2V/0.26A
最大プレート電圧  180V 
最大プレート損失  3.96W
最大第2グリッド電圧  180V 
最大第2グリッド損失  0.9W
 右特性グラフから読み

 取れる3結動作データ
 Ep  180V
 Eg  -20V
 Ib0  24mA
 rp  2.8kΩ前後
 μ 5 前後
 gm  1.7 前後
 備考(データ元) RCA   RCA(1932年)

 手元にある14本は外観や内部の造りが同一で使用痕跡の見当たらないNOS品と思われますが、管壁に「33」とあるだけでブランドは不明。そこで、ネット上の画像と比較してみたところ、KEN-RADの民生用33と細部までぴったり一致しましたが、同社製かどうかは断定できません。

 手当たり次第に3結特性を実測したところ、μは4.47~5.50、rpは2.47~2.95kΩ、gmは1.76~1.98の範囲に散在。その単純平均値はμ=5.04、rp=2.70kΩ、gm=1.87となり、上記特性グラフから読み取れるアバウトな数値とほぼ一致しました。



 【3結 実測値】   ※3定数(μ、rp、gm)は、A級増幅での動作基点を180V、22mAとした場合の数値

            ※測定時のミスでバイアス設定が1Vずれていたことが判明したので、Ep-Ip特性グラフを正しいものに取り替えました(2021.12.31)。

  ブランド不明 33(その3)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.251A
μ 5.02
rp 2.64k
gm 1.90
<コメント>
「松」ランクの特性で、計4本が該当。


直線性は極めて優秀で、直熱3極管と
比べても全く遜色ないうえ、3定数も良好。



  ブランド不明 33(その4)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.245A
μ 5.16
rp 2.67k
gm 1.93
<コメント>          同   上


  ブランド不明 33(その6)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.257A
μ 5.05
rp 2.82k
gm 1.79
<コメント>
「竹」ランクの特性で、計6本が該当。


直熱多極管3結の典型例で、バイアス
が深くなるとやや直線性が悪くなるが、
この程度なら何の問題もなし。


  ブランド不明 33(その11)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.26A
μ 4.86
rp 2.65k
gm 1.83
<コメント>        同     上


  ブランド不明 33(その2)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.25A
μ 5.07
rp 2.66k
gm 1.90
<コメント> 「梅」ランクの特性で、計4本が該当。

傍熱多極管の3結によく見られるケース。
バイアスが深くなるにつれてどんどんカ
ーブが寝てしまってなかなかカットオフし
ないので、最大出力や歪率面でどうして
も不利になる。



  ブランド不明 33(その12)
 <実測値>  フィラメント 2V/0.253A
μ 4.47
rp 2.47k
gm 1.81
<コメント>       同     上




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