3A/109B(CV1663) の特性実測データ
 
 




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 3A/109B(CV1663)は英国生まれの直熱3極出力管。有名どころ以外の欧州古典管の例にもれずほとんどデータが無いのですが、電信・電話回線の中継器(repeater)など業務用として使われたらしいナス管4021Bが1940年代に入ってダルマ管3A/109Bとして生まれ変わったようで、両者の電気的諸特性はほとんど同一です。

 残念ながら、この球のEp-Ip特性データは見当たりませんが、実測したその特性は非常に素直でバラつきも少なかったです。現実的なA級動作基点(180V、20mA位)での実測6本の3定数平均値はμ=5.847、rp=2.109kΩ、gm=2.776でした。

 なお、米国球でスケール的に近いのは71Aとされてますが、3A/109Bとの互換性は33(3結)の方が高そうです。


 【データシート値】


 
   3A/109B(CV1663)       (参考) 71A   (参考) 33(3結)   33


バルブ 形状  ST-14(ダルマ)  ST-14(ダルマ)  ST-14(ダルマ) 
 ユニット  直熱3極 直熱3極  直熱5極 
 フィラメント  4.0V/0.25A  5V/0.25A  2V/0.26A 
最大プレート電圧  190V  180V  180V 
最大プレート損失  5W (推定) 3.6W (推定)   4.8W (推定)  
A1級 動作例  Ep  130V  180V  180V 
 Eg1  -8.0V  -40.5V  -21V 
 Ib0 -  20mA  17mA 
 rp  2.0kΩ  1.75kΩ  2.7kΩ
 μ  6.0  3.0 5.0 
 gm 3.0  1.7 1.87 
RL -  4.8 kΩ  7 kΩ 
 Po -   0.79W 0.8W 
 備考(データ元) STC、 General Post Office   RCA ※33動作例は実測値 
 



  【実測値】

※ 3定数(μ、rp、gm)は、上段(黒字)がデータシート動作例(Ep130V、Eg1 -8V)での数値。下段(青字)は現実的なA級出力段用(Ep180V、Ib0 20mA)に設定した場合の数値。

  STC 3A/109B(CV1663) その1
 <実測値>  フィラメント 4V/0.26A
μ 5.73
5.63
rp 1.98kΩ
2.13kΩ
gm 2.90
2.65
<コメント>



  STC 3A/109B(CV1663) その2
 <実測値>  フィラメント 4V/0.26A
μ 5.99
5.90
rp 1.91kΩ
1.96kΩ
gm 3.14
3.01
<コメント>



  ITT 3A/109B(CV1663) その1
 <実測値>  フィラメント 4V/0.26A
μ 5.51
5.57
rp 1.89kΩ
2.10kΩ
gm 2.91
2.66
<コメント>



  ITT 3A/109B(CV1663) その2
 <実測値>  フィラメント 4V/0.25A
μ 6.08
6.11
rp 1.99kΩ
2.15kΩ
gm 3.05
2.85
<コメント>  



  ITT 3A/109B(CV1663) その3
 <実測値>  フィラメント 4V/0.25A
μ
5.89
rp ― kΩ
2.11kΩ
gm
2.79
<コメント> ※ ―は未測定のためデータなし。



  ITT 3A/109B(CV1663) その4
 <実測値>  フィラメント 4V/0.26A
μ
5.98
rp ― kΩ
2.21kΩ
gm
2.70
<コメント> ※ ―は未測定のためデータなし。



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