3A/110B(CV1659) の実測データ

 
 




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 3A/110B(CV1659)は英国生まれの直熱3極管。有名どころ以外の欧州古典管の例にもれずほとんどデータがないのですが、電信・電話回線の中継器など主に業務用として使われたらしいナス管4022Bが1940年代に入ってダルマ管3A/110B(CV1659)として生まれ変わったようで、両者の諸特性はほとんど同じです。

 残念ながら、この球のEp-Ip特性データは見当たりません。本来はドライバ管みたいですが、実測したEp-Ip特性などを見ると、ミニワッターの出力管としても大変魅力的な能力を備えています。なお、米国球でスケール的に近いのは12Aのようです。



 【データシート値】


 
   3A/110B(CV1659)       (参考) UX-12A    
バルブ 形状  ST-14(ダルマ)  ST-12(ダルマ) 
 ユニット  直熱3極 直熱3極 
 フィラメント  4.0V/0.25A  5V/0.25A 
最大プレート電圧  190V  180V 
最大プレート損失  2.5W  ※ 注① 1.6W程度(推定)  
A1級 動作例  Ep  130V  180V 
 Eg1  -4.5V  -15V 
 Ib0 6.75mA  8.5mA 
 rp  5.5kΩ  4.15kΩ 
 μ  12  7.5 
 gm 2.18  1.8 
RL -  9.65 kΩ 
 Po -   0.27W
 備考(データ元) STC、 General Post Office   マツダ
 ※ 注①=3Wと推定できるデータもあり。



  【実測値】

  ※ 3定数(μ、rp、gm)は、上段(黒字)がデータシート動作例(130V、6.75mA)に従ったもの、下段(青字)はA1級出力段用に設定(180V、11mA)した場合の数値。


  ITT 3A/110B(CV1659) その1
 <実測値>  フィラメント 4V/0.25A
μ 12.42
12.37
rp 5.39kΩ
4.66kΩ
gm 2.30
2.64
<コメント> 2本の諸特性が非常によく揃って
いる。あえて言うなら、②はバイアス
が深くなると、カーブの立ち上がりが
①よりほんのわずかだけど悪い。


  ITT 3A/110B(CV1659) その2
 <実測値>  フィラメント 4V/0.24A
μ 12.38
12.61
rp 5.42kΩ
4.62kΩ
gm 2.28
2.72
<コメント>       同    上


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