言わずと知れた名球中の名球のひとつで、1929年にナス管の245として登場し、音質の良さから高級電蓄の出力管などに使われたそうです。1932年か33年にはST管に変わりましたが、特性は一緒みたいです。
測定したのはRCA、RAYTHEONなど8ブランド計11本。ロゴマークが消えかけゲッターもかなり減っているなど、いかにも使用感たっぷりというものもあるのですが、全員まだまだ元気で思ってたよりタフな球という印象です。もっとも、骨董趣味もお足もないのでナス管や刻印ベースなどの初期球に手を出さなかった(正確には、手の出しようがなかった)結果かも知れません。
【データシート値】
|
45 |
|
|
バルブ 形状 |
ST-14 |
ユニット |
直熱3極 |
フィラメント |
2.5V/1.5A |
最大プレート電圧 |
275V |
最大プレート損失 |
10W |
動作例 |
Ep |
250V |
Eg1 |
-50V |
Ib0 |
34mA |
rp |
1.61kΩ |
μ |
3.5 |
gm |
2.175 |
Po |
1.6W |
備考(データ元) |
RCA 、TUNG-SOL |
【実測値】 ※3定数(μ、rp、gm)は、上記動作例付近での数値
① PHILCO 45 |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.52A |
μ |
3.73 |
rp |
1.69k |
gm |
2.20 |
<コメント> |
①と②は全てのバイアス曲線がぴったり重なり合って、理想的なペアが組めます。
バイアスが深くなっても直線性が優秀で、3定数もよく揃っています。 |
② Silvertone 45 |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.56A |
μ |
3.67 |
rp |
1.69k |
gm |
2.17 |
<コメント> |
同 上 |
③ TUNG-SOL 45 |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.54A |
μ |
3.50 |
rp |
1.70k |
gm |
2.07 |
<コメント> |
③と④は全てのバイアス曲線がほぼぴったり重なり合って、優秀なペアが組めます。
バイアスが深くなっても直線性は良好で、3定数もよく揃っています。 |
④ SYLVANIA 45(No.2) |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.45A |
μ |
3.35 |
rp |
1.59k |
gm |
2.11 |
<コメント> |
同 上 |
⑤ SYLVANIA 45(No.1) |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.40A |
μ |
3.15 |
rp |
1.54k |
gm |
2.05 |
<コメント> |
⑤と⑥はμがやや低めですが、良好なペアが組めます。 |
⑥ WARDS 45 |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.37A |
μ |
3.26 |
rp |
1.70k |
gm |
1.93 |
<コメント> |
同 上 |
⑦ RAYTHEON 45(No.2) |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.44A |
μ |
3.61 |
rp |
1.64k |
gm |
2.20 |
<コメント> |
バイアスが深い領域での立ち上がりも良く、特性は優秀。①②ペアの予備球って感じ。 |
⑧ RAYTHEON 45(No.1) |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.47A |
μ |
3.44 |
rp |
1.48k |
gm |
2.32 |
<コメント> |
特性は悪くないのですが、手持ちの中で相性ピッタリというのはありません。比較的ウマが合いそうなのは⑥のよう。 |
⑨ NATIONAL UNION 45(No.1) |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.53A |
μ |
3.28 |
rp |
1.30k |
gm |
2.52 |
<コメント> |
特性は良好ですが、残念ながら手持ちの中で相性ピッタリというのはありません。 |
⑩ NATIONAL UNION 45(No.2) |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.49A |
μ |
2.90 |
rp |
1.54k |
gm |
1.89 |
<コメント> |
バイアスが深い領域でのrpが非常に大きいので、曲線が寝てしまって、出力を上げると歪率が極端に悪化する。 |
⑪ RCA 45 |
|
<実測値> |
フィラメント |
2.5V/1.55A |
μ |
2.78 |
rp |
1.76k |
gm |
1.58 |
<コメント> |
⑩ほどでもないが、バイアスが深い領域での立ち上がりがあまり良くない。傍熱多極管の3結データのような感じだ。 |
◆真空管一覧に戻る
|