6350は、真空管式コンピューターの高速スイッチング用として1950年代に開発された高信頼管。本来の用途で活躍できたのはごく一時期だったようですが、内部抵抗(rp)が小さくて全体のバランスもいいため、きょうびはドライバ管やミニワッターの出力管など自作オーディオ用として重宝されています。
双3極管の泣きどころは両ユニット間の特性のバラつきですが、実測してみると5687や6N6Pなどと違ってまったくと言ってもいいほどバラつきは無く、これにはいささか驚きました(もっとも、単なる偶然かも知れませんが)。
【データシート値】
|
6350 |
|
|
バルブ 形状 |
MT9pin |
ユニット |
傍熱双3極 |
ヒーター |
12.6V/0.3A
6.3V/0.6A |
最大プレート電圧 |
300V |
最大プレート損失
(片ユニット) |
3.5W |
A1級動作例 |
Ep |
150V |
Eg |
-5.0V |
Ib0 |
11mA |
rp |
3.9kΩ |
μ |
18 |
gm |
4.6 |
備考(データ元) |
SYLVANIA |
【実測値】 ※3定数(μ、rp、gm)は、上記動作例付近の数値
※Unit 2のバイアスは手抜きして5V間隔で拾ってます。
※あくまで手元にある球のデータであって、メーカー毎の傾向を示すものではありません。
① GE 6350 (その2) |
|
<実測値> |
ヒーター |
6.3V/0.62A |
μ |
U1=17.80
U2=17.96 |
rp |
U1=3.87kΩ
U2=3.89kΩ |
gm |
U1=4.59
U2=4.62 |
<コメント> |
ユニット間のバラつきは測定
誤差の範囲内程度で超優秀。 |
➁ GE 6350 (その3) |
|
<実測値> |
ヒーター |
6.3V/0.60A |
μ |
U1=17.65
U2=17.69 |
rp |
U1=3.81kΩ
U2=3.96kΩ |
gm |
U1=4.63
U2=4.46 |
<コメント> |
同 上 |
③ GE 6350 (その4) |
|
<実測値> |
ヒーター |
6.3V/0.61A |
μ |
U1=18.15
U2=18.17
|
rp |
U1=3.85kΩ
U2=3.88kΩ |
gm |
U1=4.70
U2=4.68 |
<コメント> |
0V曲線の僅かなズレはある
が、3定数がぴったり一致し
ているのでズレが広がらず
優秀。 |
④ GE 6350 (その1) |
|
<実測値> |
ヒーター |
6.3V/0.61A |
μ |
U1=17.64
U2=17.87 |
rp |
U1=3.87kΩ
U2=3.76kΩ |
gm |
U1=4.56
U2=4.76 |
<コメント> |
バラついてもせいぜいこの
程度で実用上は何の問題
もなし。 |
⑤ RCA 6350 |
|
<実測値> |
ヒーター |
6.3V/0.62A |
μ |
U1=19.57
U2=19.38 |
rp |
U1=4.39kΩ
U2=4.28kΩ |
gm |
U1=4.46
U2=4.52 |
<コメント> |
μとrpがGEよりやや大きい
が、ユニット間の特性はよ
く揃っている。 |
⑥ |
|
<実測値> |
ヒーター |
|
μ |
|
rp |
|
gm |
|
<コメント> |
|
◆真空管一覧に戻る
◆トップページに戻る
|