6AQ8 と 9AQ8 の特性実測データ

 
 




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 6AQ8/ECC85は1950年代半ばに欧州で開発された高周波管で、FMチューナーの高周波増幅、発振・混合用に重宝されました。直線性はあまり良くありませんが、高μで低rp、両ユニット間にシールド板を備えるといったメリットからか、LUX社がパワーアンプ部の初段やドライバ段にこの球を多用したことでも知られています。

 6AQ8をTVチューナー用に見直した9AQ8/PCC85は、6AQ8の単なるヒーター違い球と思われがちですが、動作条件はかなり異なっていて、ヒーターを手当てしただけでは6AQ8と差し替えできません。



【データシート値】

   6AQ8 9AQ8    
バルブ 形状  MT9pin
 ユニット  傍熱双3極
 ヒーター  6.3V/0.435A 9V/0.3A 
最大プレート電圧  300V  250V
最大プレート損失  2.5W (片Unit) 2.5W (片Unit)
 動作例  Ep 250 V 200V 
 Eg1  -2.3V -2.1V 
 Ib0  10mA 10mA 
 rp 9.7 kΩ  8.3kΩ
 μ  57 48 
 gm  5.9  5.8
 備考(データ元) RCA 、Rogers

 

 
 



 【実測値】   ※ 3定数(μ、rp、gm)は、上記動作例付近での数値

            ※  Unit2のバイアスは手抜きして2V間隔で測定しています

   松下 6AQ8 (その2)
 <実測値> ヒーター 6.3V/0.44A
μ U1=58.54
U2=59.70
rp U1=9.22kΩ
U2=9.52kΩ
gm U1=6.35
U2=6.27
<コメント> 両Unitの差が極めて少なく
優秀。



   松下 6AQ8 (その3)
 <実測値> ヒーター 6.3V/0.43A
μ U1=59.40
U2=59.41
rp U1=9.95kΩ
U2=9.26kΩ
gm U1=5.97
U2=6.41
<コメント>      同 上



   松下 6AQ8 (その1)
 <実測値> ヒーター 6.3V/0.44A
μ U1=63.08
U2=56.46
rp U1=9.97kΩ
U2=9.25kΩ
gm U1=6.32
U2=6.10
<コメント>  μのバラつきが大きい。



  日立 6AQ8 
 <実測値> ヒーター 6.3V/0.43A
μ U1=59.82
U2=57.41
rp U1=8.89kΩ
U2=9.73kΩ
gm U1=6.73
U2=5.90
<コメント> U2のデータがメーカー公表の
数値とぴったり一致。



   NEC 6AQ8 
 <実測値> ヒーター 6.3V/0.44A
μ U1=55.17
U2=53.01
rp U1=9.38kΩ
U2=10.17kΩ
gm U1=5.88
U2=5.22
<コメント>  



   松下 9AQ8 (その1)
 <実測値> ヒーター 9.0V/0.31A
μ U1=49.03
U2=48.98
rp U1=8.11kΩ
U2=8.30kΩ
gm U1=6.04
U2=5.90
<コメント>  


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