6AU6(3結) の特性実測データ

 
 




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 6AU6は1940年代後半に登場した傍熱5極電圧増幅管。本来的には高周波管ですが、管壁を全周するしっかりした管内シールドを持つなどノイズ対策が充実しているため、パワーアンプの初段管など、オーディオ用としても重宝されました。1950年代になるとノイズ対策が一層徹底され直線性もはるかに優れた6267が誕生して6AU6の影が薄くなりますが、6267に比べとにかく廉価なうえ内部抵抗も低いなど捨てがたい魅力のある球です。

 6AU6のシールドは、6267と違って管内でg3に接続されています。メーカー各社とも3結の場合は「g2とg3をプレートに繋ぐ」と記してますが、これだとせっかくのシールド機能が生かされないことに。シールド機能を保つためg3をカソードに接続してEp-Ip特性を実測したところ、プレートに接続した場合とほとんど変わりませんでした(実測値の末尾グラフ参照)。

 実測したのは国産の中古球7本。かなり使い込まれてゲッターが薄くなっているものもありますが、いずれもEp-Ip特性は良好で、高周波管にしてはバラつきも小さいです。



【データシート値】

  6AU6  (参考) 6267  
6AU6



6267
 
バルブ 形状 MT 7pin  MT 9pin 
 ユニット 傍熱5極   傍熱5極 
 ヒーター 6.3V/0.3A  6.3V/0.2A 
最大プレート電圧(3結時)  250V 250V 
最大プレート損失(3結時) 3.2W 1.0W  
 3結動作例  Ep 250V  250V 
 Eg1 -4.0V  -5.0V 
 Ib0  12.2mA 4.0mA 
 rp 7.5kΩ 16.5kΩ 
 μ 36 33 
 gm 4.8  2.0 
 備考(データ元) BRIMAR MAZDA 、PHILIPS 



 【実測値】   ※3定数(μ、rp、gm)は、上記動作例付近での数値。g3+ISをカソードに接続。


  NEC 6AU6  (その1)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.30A
μ 34.3
rp 6.95kΩ
gm 4.94
<コメント>  




  NEC 6AU6  (その2)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.31A
μ 35.02
rp 6.69kΩ
gm 5.23
<コメント>  




  東芝  6AU6
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.30A
μ 32.96
rp 6.67kΩ
gm 4.94
<コメント>  




  マツダ 6AU6
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.31A
μ 35.78
rp 6.88kΩ
gm 5.20
<コメント>  




  日立 6AU6
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.30A
μ 34.20
rp 7.53kΩ
gm 4.54
<コメント>  




    ● g3と内部シールドの接続先変更に伴うプレート特性の変化 ●



  NEC 6AU6 (その3)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.31A
μ 33.0
rp 6.35kΩ
gm 5.20
<コメント>  




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