6BX7GTは、テレビ受像機の偏向出力用などとして1950年代に米国で開発された傍熱双3極管。東芝がこれの片ユニットのみを封入したものを、オーディオ用出力管6G-A4として発売したことはよく知られています。
2本あればステレオ・プッシュプル・アンプの出力段が組めて便利ですが、猛烈な高温になる球なので最大プレート損失がユニット当たり6Wまで低下します。また、テレビ球なのでユニット間のプレート特性のバラつきが大きいものが多いうえ、純粋な3極管にしては直線性も優れているとは言い難いのが苦しいところです。
【データシート値】
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6BX7GT |
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バルブ 形状 |
GT |
ユニット |
傍熱双3極 |
ヒーター |
6.3V/1.5A |
最大プレート電圧 |
500V |
最大プレート損失 |
10W(片Unitのみ)
12W(両Unit合計) |
A級動作例 |
Ep |
220V |
Eg |
-17.5V |
Ib0 |
25mA |
rp |
1.7kΩ |
μ |
9.6 |
gm |
5.65 |
備考(データ元) |
GE、木村哲著『情熱の真空管アンプ』 |
GE |
【実測値】 ※3定数(μ、rp、gm)は、上記動作例での数値。
※手抜きしてUnit2のバイアスは10V間隔で測定。
① 東芝 6BX7GT (その1) |
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<実測値> |
ヒーター |
6.3V/1.47A |
μ |
Unit1=8.87
Unit2=8.72 |
rp |
Unit1=1.40kΩ
Unit2=1.41kΩ |
gm |
Unit1=6.34
Unit2=6.18 |
<コメント> |
特性が非常に優秀。 |
② 東芝 6BX7GT (その3) |
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<実測値> |
ヒーター |
6.3V/1.52A |
μ |
Unit1=10.65
Unit2= 9.28 |
rp |
Unit1=1.63kΩ
Unit2=1.61kΩ |
gm |
Unit1=6.53
Unit2=5.75 |
<コメント> |
1本でPP用にはちと苦しい。 |
③ RCA 6BX7GT |
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<実測値> |
ヒーター |
6.3V/1.47A |
μ |
Unit1=11.58
Unit2=11.41 |
rp |
Unit1=1.52kΩ
Unit2=1.61kΩ |
gm |
Unit1=7.62
Unit2=7.10 |
<コメント> |
両Unitの特性がよく揃っている。 |
④ ADMIRAL 6BX7GT (その1) |
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<実測値> |
ヒーター |
6.3V/1.41A |
μ |
Unit1=10.37
Unit2=10.14 |
rp |
Unit1=1.68kΩ
Unit2=1.62kΩ |
gm |
Unit1=6.17
Unit2=6.25 |
<コメント> |
両Unitの特性が揃っている。
※ GEからの供給球。 |
⑤ ADMIRAL 6BX7GT (その2) |
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<実測値> |
ヒーター |
6.3V/1.40A |
μ |
Unit1=9.72
Unit2=10.63 |
rp |
Unit1=1.75kΩ
Unit2=1.67kΩ |
gm |
Unit1=5.54
Unit2=6.35 |
<コメント> |
まあ目をつぶろう球。
※ GEからの供給球。 |
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