6DJ8 と 6922 の実測データ

 
 


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 6DJ8やその高信頼管ともされる6922は高周波増幅管として1950年代に誕生しましたが、中μで内部抵抗が低く直線性もそこそこ良好とあって、近年ではオーディオ球としてすっかり有名になりました。

 同じ特性のユニットを二つ封入した双3極管の最大のメリットは省スペースに加え製作コストも抑えられる点でしょうが、両ユニット間の特性差が大きいと使いづらいという泣き所もあります。そこで両ユニット間で一体どの程度の特性差がみられるのか、手元にある4ブランド計15本を実測しました。あくまで限られた本数内での話ですが、両ユニットのデータにほとんど差のない優秀なものが結構あった反面、バラつきが相当大きいブランドもあるような印象を受けました。


【データシート値】

   6DJ8 6922     
バルブ 形状  MT9pin 同左
 ユニット  傍熱双3極 〃 
 ヒーター  6.3V/0.365A 6.3V/0.3A 
最大プレート電圧  130V   220V
最大プレート損失  1.8W(片Unit) 1.5W(片Unit)
 動作例  Ep  90V 100V 
 Eg1  -1.3V -1.6V(推定) 
 Ib0  15mA 同左
 rp 2.64 kΩ(推定)
 μ  33
 gm  12.5
 備考(データ元) PHILIPS 


 【実測値】   ※3定数(μ、rp、gm)は、上記動作例付近での数値



  Toshiba 6DJ8 (No.2)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.36A
μ 36.65
36.85
rp 3.032kΩ
3.128kΩ
gm 12.08
12.09
<コメント>  



  Toshiba 6DJ8 (No.4)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.382A
μ 34.9
34.3
rp 2.801kΩ
3.125kΩ
gm 12.46
10.98
<コメント>  

 <Toshiba> 実測した4本中3本が①~②球の間に収まっていて、両ユニット間のバラつきが非常に少なかったです。概してμ、rpとも標準値より高めでした。




  International 6DJ8 (No.1)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.37A
μ 33.83
34.25
rp 3.046kΩ
2.803kΩ
gm 11.10
12.21
<コメント>  


  International 6DJ8 (No.2)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.372A
μ 31.98
33.08
rp 3.058kΩ
2.982kΩ
gm 10.44
11.09
<コメント>  

 <International> 手持ちは2本のみですが、いずれも両ユニットの特性が非常に良く揃っていました。



  SYLVANIA 6DJ8 (No.4)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.37A
μ 35.25
31.12
rp 2.896kΩ
3.025kΩ
gm 12.18
10.27
<コメント>  


  SYLVANIA 6DJ8 (No.5)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.385A
μ 34.95
32.03
rp 3.501k
2.953k
gm 9.99
10.84
<コメント>  

 <SYLVANIA> 5本を実測しましたが、バラつきが大きいうえ、⑤球U2のようにあるポイントから急激にIpが流れ出し、滑らかなEp-Ipカーブが得られないものが複数あって戸惑いました。しかし、⑥球のようにずれはあってもユニットごとのカーブ自体はきれいなケースも。


  Philips 6922 (No.4)
 <実測値>  ヒーター 6.3V/0.297A
μ 28.43
28.95
rp 2.298k
2.336k
gm 12.37
12.40
<コメント>  


  Philips 6922 (No.2)
 <実測値>  ヒーター 6.3v/0.295A
μ 24.95
27.93
rp 2.288k
2.376k
gm 10.91
11.75
<コメント>  

 <Philips> 4本中3本が⑦~⑧球の範囲に収まり、μ、rpとも標準値よりかなり低めでした。


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