傍熱双3極の電圧増幅管6SN7GTの電気的特性を変えずにMT管化されたものが6CG7や6FQ7とされており、まず6CG7が1950年代中ごろに誕生、6FQ7はそれより数年遅れて登場したみたいです。同じ低μ、低rpの傍熱双3極電圧増幅管12AU7よりも直線性が良く、ドライバ管などに今なお重宝されてます。
6CG7と6FQ7の構造的な違いは、6CG7が両ユニット間にシールド板を持つのに対し、6FQ7はそれが無い点。しかし、シールド板なしに6FQ7/6CG7と管名が並記されているものもあってややこしいです。手元の10余本を実測した限りでは、12AU7よりも両ユニット間の特性のバラつきが小さい印象を受けました。
【データシート値】
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6FQ7 |
6CG7 |
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バルブ 形状 |
MT9pin |
ユニット |
傍熱双3極 |
ヒーター |
6.3V/0.6A |
最大プレート電圧 |
330V |
300~330V |
最大プレート損失 |
5.7W (両Unit計) |
5~5.7W (両Unit計) |
動作例 |
Ep |
250 V |
Eg1 |
-8.0V |
Ib0 |
9.0mA |
rp |
7.7 kΩ |
μ |
20 |
gm |
2.6 |
備考(データ元) |
RCA、GE、TUNG-SOL、 |
【実測値】 ※ 3定数(μ、rp、gm)は、上記動作例付近での数値
※ Unit2のバイアスは手抜きして4V間隔で測定しています。
① 松下 6FQ7 (その1) |
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<実測値> |
ヒーター |
6.3V/0.59A |
μ |
U1=18.44
U2=18.29 |
rp |
U1=7.16kΩ
U2=7.15kΩ |
gm |
U1=2.57
U2=2.56 |
<コメント> |
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② 松下 6FQ7 (その2) |
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<実測値> |
ヒーター |
6.3V/0.59A |
μ |
U1=19.07
U2=19.05 |
rp |
U1=7.23kΩ
U2=7.11kΩ |
gm |
U1=2.64
U2=2.68 |
<コメント> |
手持ちの球の中で両ユニットの
Ep-Ip特性が最も揃っていた。 |
③ ブランド不明 6CG7 |
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<実測値> |
ヒーター |
6.3V/0.62A |
μ |
U1=22.10
U2=22.20 |
rp |
U1=7.85kΩ
U2=7.88kΩ |
gm |
U1=2.82
U2=2.82
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<コメント> |
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④ GE 6FQ7/6CG7 |
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<実測値> |
ヒーター |
6.3V/0.59A |
μ |
U1=20.65
U2=20.83 |
rp |
U1=7.89kΩ
U2=7.65kΩ |
gm |
U1=2.62
U2=2.72 |
<コメント> |
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⑤ 東芝 6FQ7 |
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<実測値> |
ヒーター |
6.3V/0.60A |
μ |
U1=20.80
U2=19.31
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rp |
U1=7.95kΩ
U2=7.39kΩ |
gm |
U1=2.62
U2=2.61 |
<コメント> |
手持ちの球の中で両ユニット間のバラつきが最も大きかった。 |
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