71A の実測データ





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 ぺるけさんのミニワッターで、その実力が広く知れ渡った直熱3極管。氏のサイトによると、1925年にRCAがUX-171を発表、それが171Aや371Aとなり、特性は変わらないまま最終的にダルマ管の71Aへと続いていったそうです。氏は「小型のガラス管に細いフィラメントを見ると、いかにも華奢でかぼそい音がしそうに思えますが(中略)実に堂々とした2A3なんか太刀打ちできない素直かつ太い音がする球なのです」と絶賛されています。

 非常に魅力的な低域を持つ球ですが、ネット上には「調整するたびにプレート電流が流れ難くなっている」「消耗速度が速いような・・・」などの声があり、当方の球の中にも5極管みたいな異様なEp-Ipカーブを描くものも複数あって、「体力的にちょっとひ弱なのかも」という印象がなくもありません。


 【データシート値】

   71A    
バルブ 形状  ST-14(ダルマ)
 ユニット  直熱3極
 フィラメント  5V/0.25A
最大プレート損失  3.6W(推定) 
 動作例  Ep.max  180V
 Eg1  -40.5V
 Ib0  20mA
 rp  1.75kΩ
 RL 4.8 kΩ
 μ  3.0
 gm  1.7
 Po  0.79W
 備考(データ元) RCA-71A 


 【実測値】   ※3定数(μ、rp、gm)は、A級動作での最適動作基点付近の数値

 SYLVANIA 71A(No.1)
 <実測値> フィラメント 5V/0.25A
μ 2.95
rp 1.74kΩ
gm 1.70
<コメント>  1944年の元箱入りで使用痕もなく、NOS品の可能性あり。

 Ep-Ip特性、3定数とも標準値に極めて近く、直線性も良好。



  SYLVANIA 71A(No.2)
 <実測値>  フィラメント 5V/0.252A
μ 3.16
rp 1.76kΩ
gm 1.79
<コメント>   同上



  SYLVANIA 71A(No.3)
 <実測値>  フィラメント 5V/0.247A
μ 2.98
rp 1.85kΩ
gm 1.62
<コメント>   同上



④  RCA 71A(No.1)
 <実測値>  フィラメント 5V/0.26A
μ 3.10
rp 2.02kΩ
gm 1.54
<コメント>   エミ減の影響でIp30mA付近から電流が流れ難くなりつつあり、バイアス0~-20Vの曲線上部が少し寝かけてます。 但し、この程度なら実装上の影響はまず無いばかりか、バイアスが深い領域の直線性の悪さを補って、大出力での歪率がかえって良くなりました。



  RCA 71A(No.2)
 <実測値>  フィラメント 5V/0.25A
μ 2.97
rp 1.78kΩ
gm 1.67
<コメント>   概ね良好ですが、バイアスが深い領域での内部抵抗がかなり高く(240V、-80Vの交点で約10kΩ)、なかなかカットオフしないのが少し気になるところです。



  Westinghouse 71A
 <実測値>  フィラメント 5V/0.255A
μ 3.14
rp 2.45kΩ
gm 1.28
<コメント>   きれいなカーブですが、内部抵抗が少し高いので、カーブが全体的にやや寝気味です。


  SYLVANIA 71A(No.5)
 <実測値>  フィラメント 5V/0.235A
μ -
rp -
gm -
<コメント>   ここまでへたっていても、駄耳にはそこそこの音に聞こえます。歪率を測って「あれっ、なんか妙だな?」となり、今回ようやく実態が判明した次第です。

 エミッション型真空管試験機では廃棄値70以下に対し95で「GOOD」の御託宣。思わず笑っちゃいました・・・


  RCA 71A(No.3)
 <実測値>  フィラメント 5V/0.24A
μ -
rp -
gm -
<コメント>   思わず笑ってしまうその2。これ1本で15mAの定電流回路として立派に使えそうです!!

 米国の有名な球通販サイトもネットオークションと似たり寄ったりなんだ、と痛感させてくれた1本でした。


 
 <実測値>  フィラメント
μ
rp
gm
<コメント>  


 
 <実測値>  フィラメント
μ
rp
gm
<コメント>  



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