SONY  MDR-7506の真贋チェック方法
                                    ~とんでもないゴミを掴まされないために~

 


   
以前から偽物が横行しているSONYのモニター用ヘッドフォンMDR-7506ですが、ひょんなことからその偽物と対面できました。なんでも、世界的に超有名な通販サイトの箱に入って届いたものだそうです。その方曰く、「ネットオークションでの入手は危険がいっぱいらしいので1万3000円以上奮発して“安心”を買ったつもりだったのに、どうも音がおかしい・・・」。

 聴いてみると(いやはや)凄い音!! 低・中域は「どろ~ん」として締まりがまったくなく、高域はキンキンで音量を上げるとすぐ音が割れ、インピーダンスなど電気的特性も本物とは大きく異なってます。でも、見た目は本体もパッケージも本物そっくりで、本物を見慣れていないとなかなか判別しにくいな、という印象です。

 以下に真贋の見分け方を挙げておきますが、ネット検索してみると偽物にもいくつかのバリエーション(より本物らしく見せる改良版!)があるみたいで、このチェックをくぐり抜ける「つわもの」がいるかも知れない点はご了承下さいね。




【真贋クイズ】本物はどっちだ?

 SONYタイ工場で製造された本物(海外仕様)と、それをコピーした偽物です。

 正しく判別できた方は、もうこれ以上おつきあいいただく必要はまったくありません。

(※ 正解は当ページの末尾に)

 なお、写真では光線の加減で左右の金文字の色合いが違ってますが、実物は同じといっていいです。

 「こんな下手くそ写真じゃわからない」って? ごもっともです!!

 それじゃ、次へいきましょう。
 


                                                                    

【続真贋クイズ】本物はどっちだ?

 左右それぞれの箱から取り出してみました。

 相変わらず下手な写真ですみませんが、これなら判別できますか?

(※ 正解は当ページの末尾に)


 「これなら楽勝」とおっしゃる方は、ここから先へ進む必要はありません。音楽に浸るなり半田ごてを握るなり、時間を有効に使って下さい。





                        〈チェック スタート!〉

 本物と偽物をよ~く見比べてみると、外観だけでも大小30カ所以上の違いがありますが、ここでは写真に撮っても比較的区別しやすい部分を中心に紹介してみます。


【外箱】


 箱の左側面でが本物、が偽物。

 本物にはPOSシステム用のバーコードがありますが、偽物にはどの面にも表示されてません。一般向けの大量生産品なのにPOSシステムに対応してないなんて、自分でニセモノだとふれ回ってるようなもんなんですがね・・・

 文字の字体や大きさはそっくりですが位置が違うのと、偽物は箱の色が濃いです。

 箱の上側面でが本物、が偽物。

 写真では見づらいですが、本物にはSONYの文字の後に登録商標を示す小さな「®」文字があるが、偽物は無視してます。

 摘発された時の言い逃れ用にわざと入れなかったのか、それともパソコンで文字が出てこなかった?


【マニュアル】

 透明な保護ケースと外箱の間には、1枚のボール紙に両面印刷されたマニュアルが挟み込まれています。製品の特徴やスペック、使用上の注意点などが英語とフランス語で並記されており、チェックするのはフランス語の部分です。

 下の2枚はフランス語の冒頭部分。ちょっと見には同じに思えますが、よーく目をこらすと偽物にはフランス語固有の文字(Çなど)やアクセント記号付き文字(àやéなど)がまったくありません。

 例えば、薄く網かけになっている部分の文字。本物は正しい綴りの Français ですが、偽物は Franais です。また、その下の2行の文末部分は本物が正しく référence ultérieure なのに対して、偽物は reference ulterieure となってます。

 察するに、本物をスキャナーでコピーしたのではなくパソコンで打ち直したものらしいですが、フランス語文字が出せなかったため英語アルファベットで代用したみたいですね。

              ↓ 本物                ↓ 偽物


【保証書】

 箱の中には1枚ものの保証書が入ってます。


 本物()は濃いクリーム色で厚手の上質紙が使われ、印刷も非常に鮮明できれいです。


 偽物()はごく薄いクリーム色でペラペラ・ザラザラの再生紙(多分)が使われ、本物をスキャナーでコピーしたようで、文字や縁取り文様の滲み、潰れが顕著です。







【ソフトケース】

 付属品のソフトケースで、が本物、が偽物です。

 本物は縦208mm位、横177mm位で片面右下にSONYの白文字印刷があります。

 偽物は縦185mm位、横182mm位と縦がかなり短く、どこにもSONYの文字がありません。


※ なお、ネット情報では、黒文字や白文字でSONYと印刷された偽物も出回っているらしいです。


【ヘッドフォン本体】

 ヘッドバンドの英文字のうち、3個ある「O」(オー)に注目!!

 本物(右上)はごく普通の書体ですが、偽物(右下)は正円の二重マルで、とても間抜けな雰囲気です。


 また、偽物はバンドの「シボ加工」凹凸が細かいので表面がツルツルしており、縁取りも幅が狭いです。




 ハウジング部分です。が本物、は偽物。

 Professional と書かれたシールが貼ってあり、本物はシール両端がハウジングのカーブに合わせて弧を描いているのに対し、偽物は両端がカッターナイフの刃先のように直線で、一部がはみ出しかけたりしていて造形的に美しくないです。

 SONY の文字をルーペで観察すると、本物の表面には同心円の一部を構成する毛彫り状の規則的な極細曲線が見られますが、偽物は斜めのやや荒い直線となってます。

 ※ 両者のハウジングの色が撮影時の光線の関係で違って見えますが、実物は両方とも本物に近い色合いです。




 耳パッド部分でが本物、は偽物です。

 写真ではわかりにくいですが、“ゴムボートの底”部分に違いがあります。

 本物は細い糸状のものが複雑に絡み合って織物のようになってますが、偽物は発泡ウレタンみたいで均質な小穴があるだけです。


 「R」「L」の表示部分でが本物、は偽物。

 本物はRLともきれいに接着されてますが、偽物はいずれも周囲に接着剤がはみ出ていて汚いです。

但し、これはこの個体固有のケースかも知れません。


 カールコード部分に注目。

 巻きが不均一な上側が偽物風ですが、実はこっちが本物です。見た目はイマイチながら、コードの材質が柔らかくてよく伸びるので使い勝手がいいです。


 偽物は巻きが揃っていますが、固くてちょっと伸びにくい。

 なお、ターン数は本物97、偽物94でした。

 


【電気的特性など】

 まずDCR(直流抵抗)を実測。本物はLch=71.25Ω、Rch=72.77Ωだったのに対し、偽物はLch=36.94Ω、Rch=36.96Ωと本物の半分程度でした。

 次はインピーダンスで、メーカー公称値は63Ω(1kHz)。


 実測してみると右グラフのようになっており、DCRと同様に偽物は本物の半分程度で推移してます。


 この状態なら普通は、アンプに本物と偽物を繋ぎ替えた場合、偽物の方が音量が大きくなるはずですが、実際は逆でした。

 仮に本物でアンプのボリューム12時が適正音量だったとしますと、偽物で同じ音量を得るにはボリュームを15時まで上げる必要があり、偽物は能率が極端に低いです。


【真贋クイズの正解】

 2問とも、写真の左側が本物、右側が偽物。     (2015.03.11)



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