黒戸尾根から 甲斐駒ヶ岳 仙丈ヶ岳 へ行ました

甲斐駒ヶ岳 頂上直下


黒戸尾根 三大急登の一つと言われている。 ブナ立尾根 西黒尾根は既に制覇している。
黒戸尾根を意識しだしたのは2006-08裏銀座〜読売新道行った時にさかのぼる。
奥黒部ヒュッテでビール付昼食中読売新道から降りて来た二人ずれの女性と話をしていた時”黒戸尾根は行った?”と聞かれた時からだ。
かなり挑発的な響きが有ったので調べてみると なるほど理解出来て行きたくなったが 北沢峠からだけど甲斐駒ヶ岳 仙丈ヶ岳は既に遣っているので 他の所が優先して八年経って漸く今回の実施と成った。
ハシゴの多いコースをピストンするのは面白くないので甲斐駒ヶ岳 仙丈ヶ岳未踏の仲間を誘い下山は北沢峠から南アルプス林道のバス利用とした。

 

 行き先     黒戸尾根 
 登山方法    小屋泊 
 日 時     20014-08-18〜21 
 コースタイム  1日目 城陽6:00⇒10:00仙流荘駐車場⇒13:00竹宇駒ヶ岳神社⇒
     14:30近江屋旅館(泊)
 2日目 旅館5:50⇒竹宇駒ヶ岳神社6:30→笹ノ平→五合目小屋跡→
     14:00七丈小屋(泊)
 3日目 七丈小屋5:30→9:00甲斐駒ヶ岳9:30→10:00摩利支天→13:00
     北沢峠14:00 17:00馬の背ヒュッテ(泊)
 4日目 馬の背ヒュッテ5:30→7:15仙丈ヶ岳→10:30北沢峠12:40→
     戸台口15:30⇒ 竹宇駒ヶ岳神社⇒22:30城陽
 メンバー    フー k2 ミズナラ コマクサ 山幸やまさち


1日目 今回はk2号 コマクサ号だ。 k2号でフーさんをコマクサ号でミズナラさんを其々ピックアップし名神高速道黒丸パーキングで合流する。
今年は早くから台風が襲来し8号 11号が日本列島を縦断した。 黒戸尾根のコース状況を知る為七丈小屋を運営している北杜市観光商工課へ問い合わせてみるが "解らない"との事。
困惑の末思いついたのが北沢峠のこもれび山荘に"黒戸尾根から登った人が居ないか?"と聞いてみる事だった。 管理外だからコースの状況は分らないのが 当たり前だと思ったから!
”昨日一人いました。”との返事。 しめた!! 黒戸尾根は通行可なのだ。 状況は分らないが兎も角通れる。 
この情報を得たので決行を決めた。

 k2号を戸台口駐車場に駐車し宿泊の旅館へ直行の予定だったが 着時間が早いので登山口へ行きコース状況の詳細情報を仕入れることにする。
何の問題もないことが解る。 安堵して旅館に行く。 早速前祝の乾杯!!

  
駐車場                     甲斐駒ヶ岳登山口

2日目 旅館の朝食は7時からと言う。 七丈小屋は16時までに到着しないと食事提供は無しだ。 朝食は弁当にして早立ちすることに!!
6:20登山口駐車場発 神社を過ぎるといきなり急登だ。 急登を登りきると南アルプスらしい緩やかな傾斜で落葉広葉樹の豊かな森が続く。
笹ノ平に着いた。 これからが黒戸尾根の核心部だ。 ”八丁登り”の長い急登 ”刃渡り”の岩場それらをクリヤーして”刀利天狗”だ。
やがて黒戸山を巻き気味に登り 登りきるとこれでもか!というほど高度を下げて五合目小屋跡に着く。
行く手には見上げるような屏風岩が聳え立つ。あれは巻くのか? それとも直登か? 鞍部まで更なる下りだ。
ここから 見事な直登だ。 本格的な急登 垂直岩場 クサリ ハシゴだ。 
登山歴5年半の皆さんも次々クリヤーして行く。 雪彦山 大普賢岳 北アルプスの岩場 クサリ場をクリヤーしてきた自主トレによる体力強化の賜物だ。

七丈小屋に着いた。 ようやく着いた。 小屋の前にある水場には冷たい水が豊富に流れている。 早速顔を洗い 手拭いを絞り汗を拭く。 フ〜 生き返った気分だ。

オーナーの対応は決して感じの良い対応ではなかったがチェックインを済まし小屋裏の高台の長いすでカンパ〜イ!!
八丁登りで追い越した単独行の女性ハイカーも到着したので一緒に懇談する。
周辺を巻いていた雲も晴れて地蔵岳のオペリスクと富士山が並んで夕日に映える。


  
気持ちのいい笹ノ平               刃渡りに取り付く
   
 頑丈で安心なハシゴ               夕焼けの富士山とオペリスク


3日目 朝食は準備できないと言う事なので早立ちし途中で持参の食糧を食べることにする。
今日も昨日と変わらず快晴だが コースも変わらず急登続きだ。
東側の大きく開けた八合目御來迎場に着いた。 富士山とオペリスクを眺めながら朝食にする。

甲斐駒ヶ岳頂上真近まで来た。 北沢峠側とは全く違う岩の壁だ。
ついに山頂だ。 さすが信仰の山だ。 石造りの祠や 大己貴神(おおなむちのかみ)の石碑が有る。
嬉しい事に今日は晴天で眺望が良い。 360度欲しいままだ。 しかし残念ながら同定出来る山はそんなに多くはない。
アルプスの山々をゆっくり楽しんで居たいがそうもいかない。 北沢峠で昼食の後馬の背ヒュッテで宿泊の予定だ。

先ほどから元気のないミズナラさん "仙丈ヶ岳には行かずこのこもれび山荘で待っている"と言う。 食事をしながら みんなで話をしている内に元気を回復し行く気モードになる。藪沢新道を登る。 南アルプスらしい雰囲気の登山道だ。 沢筋にはかなりの雪が残っている。 アイゼンは持参しているが 高巻ルートが作られているのでそちらを選択する。黒戸尾根の 疲れからか足が上がらない。 到着時間限度の16時が迫ってくる。 携帯電話はもちろん圏外。17時少し前漸く到着。  夕食は快く準備して貰えた。 昨日の小屋と 対応は雲泥の差だ。


  
左仙丈ヶ岳        右甲斐駒ヶ岳     かなり登った尾根
   
 岩の上に剣がニ本                甲斐駒ヶ岳山頂


4日目 今日も快晴。 南アルプスの女王仙丈ヶ岳攻略だ。
昨日の疲れはみんな回復しているようだ。 年齢からして素晴らしい回復力だ。
途中ツアーの一団に追いつく。 総勢30名ぐらいだ。 前後の差は大きく開き 又登山道いっぱいに広がりながら歩いている。  全く統制の取れていない集団だ。 頂上直前なので後について行く。 頂上に着いたがこの団体全員の頂上撮影が終わるまで待って いる訳にもいかないので 早々に出発し小仙丈ヶ岳で眺望を楽しむ。

10時半に北沢峠に着いた。 臨時バスを期待していたのだけど盆休み過ぎのウイークデーなので待合所の人も疎らだ。 勿論この 空いている時期を狙ってきているのだが・・・
12時発の臨時バスで戸台口駐車場へ辿り着いた。


  
南アルプスの夜明け               仙丈ヶ岳
   
       富士山   北岳          仙丈ヶ岳の直ぐ南の大仙丈ヶ岳

登山口と頂上の標高差が2200mの黒戸尾根  南アルプスは体力勝負!! と言われるが正に体力勝負そのものだった。  岸壁の急登 ハシゴ くさり 冒頭の奥黒部ヒュッテで”黒戸尾根に行った。”との言葉が何だか挑戦的に聞こえたのは これだったのか?
しかし ”刃渡り”も名前負けして怖さは感じられなかったし ロープでは無く全てしっかりした鎖で ハシゴは鋼鉄製の柱に 15cm位の角材でがっちり固定されており不安を感じる所は微塵もなかった。 立派に整備されている登山道だった。

それに比べ七丈小屋はお粗末だった。 設備がお粗末なのではなく対応がお粗末だった。 ”泊めてやる。嫌なら来るな!” の対応には腹立たしかった。

とは言え 八年越しの”黒戸尾根”体力は要ったが良いコースでした。
同行の皆さん お疲れさんでした。

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