缶ふたの豆知識!その一
缶詰技術研究会・大和製罐株式会社(食品と容器)より抜粋
1963年(昭和38年)
缶ふたの製造技術の最大の転機は、米国のアルコア社で”缶切り不要”のアルミ製イージーオープンエンド(
Easy Open End )=EOEが開発される。
1965年(昭和40年)
日本にイージーオープンエンド(EOE)技術が導入される。
1983年(昭和58年)
その便利性が市場のニーズと合致して、飲料缶容器のすべてがイージーオープンエンド(EOE)付きとなる。
一時はスチール製EOEも製品化される。
1990年(平成2年)
環境保護の観点から、イージーオープンエンド(EOE)も飲み口の取れるプルタブ方式から、タブの取れないステイオンタブ(SOT)方式に転換される。
パーシャルオープンエンド( Partial-Open End )の各部名称。
パーシャルオープンエンド(プルタブ式)の各部呼称。
(写真−1)
「ふたの一部に成形加工されたリベットに取り付けられたタブを引き起こしてスコアの一端を切った後、そのままタブを引き上げることによりスコアに沿って容易に開口することのできる缶ふた。」と本に説明があります。
(文章にするとこうなります)
ようするに、タブを引き起こして引っ張る。
イージーオープンエンド(EOE)は2種類あります。
@パーシャルオープンエンド(POE)とAフルオープンエンド(FOE)の2種類です。
@パーシャルオープンエンド(POE)
パーシャルオープンエンドとは缶蓋の一部分が開口するふた。
(例)ビール・炭酸飲料・コーヒー飲料・ジュース・等。
さらに、この中にも2種類あって。
@プルタブ式(飲み口が取れるタイプ)旧式
今はほとんど生産されていません。
(写真−2)
スコア(切れ込み)を深くする方が開けるのに楽ですが、製造時や流通過程で勝手に開いてしまわないよう、板厚の30%から60%の深さでスコア加工が施されています。
Aスティオンタブ式(タブが取れないタイプ)
最近はほとんどがこれ。(写真−3)
開口する場合にタブの持ち上げ部と缶ふた本体のパネル面との間に指が入りやすいか否かの指かかり性も結構重要らしいです。
そして、タブの形状や取り付け方法にも工夫が施されています。
@フルオープンエンド(FOE)
蓋全面が開口する。(例)ペットフード・果実類・粉末乾燥食品缶・一般雑缶
この中にも2種類あって。
@フルパネル式(タブを引っ張ると、カパッと全面が一気に開口する)一般的にはペットフードや水ようかん等。(写真−4)
その他には果実、魚肉、プリン、ゼリー、ペースト状製品、ココア、粉末ジュース。
また、食塩を多量に含む魚肉、食肉製品や調理食品の一部には、スチール製フルオープンエンドが用いられています。
Aスパイラル式(スコアは缶の周りに帯状に加工し、帯を螺旋状に開口する)
コンビーフやサンマの蒲焼きの缶に良く使われていた記憶があります。
現在はフルオープンエンド方式で、スパイラル式ほとんど使われていないようです。
(ですので残念ですが掲載する写真がありません)