高鷲スノーパーク(1月13〜14日)

まず大まかに除雪した。車の前をもう少し広げてなんとか脱出しなければ!

西高東低の気圧配置が強まり大雪が予想されている。
また、前回のように渋滞に巻き込まれるのはかなわないがせっかく覚えかけたカービングも自分のものにしておきたい。
今回は1人で行くので節約して車中泊でやってみよう。
そんなつもりで高速道路も深夜割引を使うため22時に出発、東海北陸自動車道の川島パーキングエリアで仮眠して 8時に高鷲スノーパークに着いた。
今シーズンは長期予報が見事に外れて雪が豊富だから高鷲スノーパークも上部で積雪3.2m、すべてのコースが滑降可能となっている。
ただ、過ぎたるは猶及ばざるがごとし、駐車場や取付道路の除雪に人手が取られてゲレンデの圧雪までは手が回らないようだ。
カービングの練習をするつもりで来たのだがこの新雪のバーンではカービングにならず、今日はこの深雪で遊ぶしかない。
親父のスノボーはまだ技術の幅がなく深雪も得意ではないが今日は気温も低くパウダースノーで一日中深雪を楽しむことが出来た。
やはり雪がいいと技術が数段上がったように上手く滑ることが出来る。

こんな雪が一日中降り続いていた

夕方、駐車場に戻ると車には25cm程度の雪が積もり、まだ雪は激しく降っている。
今日はすぐ下の国道沿いの道の駅「大日岳」に駐車し、車中で泊まるつもりだからその前に夕食と温泉に入りに行ってきた。
道の駅「大日岳」はお客が少なく営業時間も短い。
トイレに立ち寄る車がたまにある程度の閑散としたところなので車中泊をするには静かでよさそうだと思って決めた。
車を止め寝床を作るとすることがないから19時過ぎにはもう寝てしまった。
他に駐車している車などない。
雪は深々と降っていた。

車の周囲を除雪した状況

11時間もぐっすり眠って6時ごろ目が覚めた。
静かな朝で窓は全く雪で覆われ外から街灯の明かりがかすかに差している。
雪は30cmも積っただろうか、40cm位までならあまり苦労せずに出られるだろう等とシュラフの中で考えていた。
6時半起床、シュラフなどを仕舞ってトイレに行こうとドアを開けようとしたら「ウッ??」
開かない。
力を入れてドアを肩で押したら雪がギュギュっと鳴きながらやっと開いた。
窓のすぐ下まで多分70〜80cmの積雪の大雪原の中に愛車は埋まっていた。
まだ雪は深々と降り続けている。
すぐ考えたことは国道まで30mほどの距離があるからこれをどうやって突破するかということだ。
これはまさに4日前のEPE「遭難対策研修会」で教わった「非常事態宣言」の時ではないか。
てなことを考えながらドアを閉めて服をスキーウェアに着替えた。

パウダーの深雪が楽しい

しっかり身支度をしてからドアを押しあけ外に立つと「おお!」
車の前方4mほどの場内道路が除雪されている。
それも除雪したばかりだ。
すっぽり雪に覆われていたので除雪の音も全く聞こえなかったのだろうか。
これなら何とか自力で脱出可能だ。
ラッセルしてトイレに行き、清掃用具の中に雪掻きの道具になるものがあれば借用しようと思ったが 清掃用具庫には鍵がかかって開かない。
親父が車に積んでいる道具は車に積もった雪を落とすためのプラスチック製の簡易な雪掻きだけだ。

夕方でもパウダーのバーン

仕方がないからその雪掻きと素手とラッセルでまず車の周囲の除雪から始めた。
気温はだいぶ低いので雪はサラサラで軽い。
車の後部も排気管が確実に出るまで除雪してエンジンをかける。
実はその前にちょっと試してみようと全く周囲を除雪しないでエンジンをかけてみたら1分もしないうちに排気が 室内に侵入して臭くなった。
よく大雪の時、エンジンをかけっぱなしにして寝込んで中毒死するというニュースを聞くが確かにこんな大雪で車が 雪に埋もれてしまえば間違いなくガス中毒で死んでしまうことが分かった。
次に除雪された道路までの4mほどを車の通れる幅で除雪する作業になる。
これは道具がないから除雪するというより殆どの雪は踏み固めてしまうことになった。
どうもタイヤが沈んでしまいそうだ。

それでも1時間半ほど頑張って出来るだけ前面の雪を除いて「まあ、一度挑戦してみるか。」
力強く2mほど進んだと思ったら車輪がスリップしてバックも出来なくなった。
予想した通り、車の前面の雪が床下に入り車体を持ち上げて亀の子が足をバタバタさせているように駆動力がなくなって 前輪がスリップしている。
もうバックもできないので車の下の固くなった雪を手持ちの雪掻きや足で砕いて出来るだけ取り除く。
この作業にまた、1時間半ほどかかったがやっと10時ごろ脱出成功。
非常事態宣言解除である。
「ふう・・・・疲れた!」
食事をしてスキー場に登り、滑り始めたらもう11時になっていた。
この大雪で滑走可能なコースはダイヤモンドコースとパノラマコースのみとなっている。
圧雪されたゲレンデと違って 深雪でてこずっている人や快適に飛ばしてゆく人など、こんなバーンは技術の差がよくわかる。
転倒すれば起き上がるのが大変だが親父も4時まで頑張り、高鷲ではめったにないパウダーの深雪を堪能した。
お正月の野沢温泉でも3時間の雪掻きをしたが今年の冬はそれなりの備えが必要だ。
車に簡易なシャベルを用意しておこう。

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