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京町屋の改修

五条大橋のほど近く、三軒長屋の端と真ん中の改修です。
ご夫婦と小さな子供さん、奥様のお母さまの四人家族の家です。端の家は以前にリフォームしてご商売の倉庫になっていました。
今回の工事では主に『真ん中の家』に水回り設備や階段を設け、町屋の良さを残しつつ現代の暮らし方に合う住まいになりました。
 間取り図
 改修前 改修後
 真ん中の家 トオリニワ→階段室
  改修前は奥にある白いハコがユニットバス、手前がキッチンでした。上部の開口は格子の外側に波板が貼られた状態。
他の部屋で階段を確保しようとすれば梁を抜いたり建物に負担を掛ける事になりますが、ここなら素直に階段を掛ける事が出来ます。煤けた壁も、手が届く範囲は板を貼りましたが上部はそのままにしました。 改修後の木製建具は以前の格子デザインを踏襲して新しく作って貰いました。
 真ん中の家2階 オモテ→子供室
改修前は天井にベニヤ、壁には紙が貼られていました。すべてめくってから壁は土壁の補修後しっくいペーストを塗り、天井と床には杉板を貼りました。
木製建具は調整し鍵と木製網戸を設置しました。 右側は虫籠窓で当初は紙で塞がれていましたが、内側に木枠を取り付けて木製建具を新設しました。
真ん中の家2階 キアゲ→納戸
こちらも上の子供室と同じく表側にある天井の低い部屋です。波板で塞がれていた虫籠窓には同じように内側に木製建具を設けました。
壁や天井も同じように改修した結果納戸にするには惜しいような、こじんまりして居心地の良い部屋が出来ました。 
真ん中の家2階 オク→寝室
その名の通り奥側の和室です。天井や壁、建具は清掃・補修、床は畳をあげて杉板貼としました。カウンターは大工さんに作って貰いました。
 
真ん中の家1階 リビングダイニング
リフォームで構造材はすべて覆ってクロス貼になっていたのですが、すべてめくって真壁とし天井も取れるだけ高くしました。
奥のリビングの天井には古色の梁2本があるのですが、虫食いのような穴が目立ったため杉板で四角く囲いました。 古い建物の改修ではどうしてもめくってみてわかる部分が出てしまいますので、予備費を設定して臨機応変に現場で対応していくことが大事です。
 
物干し
既存の物干しはスチール製の骨組みに木製の床板で乗るのが怖いような状態。すべて撤去し、アルミ製で新設しました。
今回は2軒分行き来できるようにし、更に幅も広くしたので1階の庭が暗くならないように床がスノコ状の写真のタイプを選びました。
軒下では大人は立ち上がれませんが、この屋根の低さが妙に落ち着いて工事期間中は職人さんと建築主とここで休憩するのが楽しみでした。
 
リビングダイニング
押入れだった部分を室内に取り込み、天井高さも上がったので改修前より広々とした部屋になりました。カウンターの向こう側がキッチン。 
 キッチン
流し台は新潟のシゲル工業に作って貰いました。
テーブルコンロをご使用で継目なしをご希望されたので、数社見積を取ったところ
『出来ません』と回答のあった会社もあった中一番安価で対応して下さいました。
素晴らしい出来栄えで施主さんも気に入って下さいました。

脚部はフリー板で大工さんに作って貰いました。
洗面室
人造大理石の天板とボウルを現場で組合せて作りました。
同じ輸入建材屋さんに発注したのですが何故か最初は組み合わず・・・現場で大工さんが試行錯誤して下さいました。棚は大工さんによる造作です。

鏡に映った小さな窓はリビングとの間の欄間部分です。 
階段室を見上げる
当初の開口部を上下に広げて、バルコニーに出入り出来るようになりました。
図面段階では『そうできたら』と試行錯誤していたのですが、現場を見ながら相談して一番良くなった場所だと思います。 階段下の洗面室から一直線で物干しに行けます。
2階 子供室から通りの間、寝室を見る
古い建具は洗って補修してそのまま使っています。新しく出来た開口部もなるべく間取りが変わって使わなくなった建具を合わせました。 
こちらは庭の雪隠に使われていた建具をトイレに再利用しました。
ガラスに手書きのような面白い模様が入っていて、解体前から気になっていたので使うことが出来て良かったです。 

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