妊婦服(マタニティ)
 
お腹がそろそろ目立ちはじめたのは夏頃でした。
それまでは、ふわんとした、やわらかい感じの長いスカートかパンツをはいてたけど、いわゆるマタニティをはじめて着たのは、会社のソフトボール大会の日、7月の末でした。
それで、とたんに自分が妊婦だって事を意識したような気がします。
街を歩いてても、電車に乗ってても、自分と同じような、お腹の大きい人が急に目につくようになったけど、きっと、自分がそういう視点に立つようになったから、見えるようになったんやろうなあと思います。

よく似たことを、石坂啓さんが「赤ちゃんが来た」で書いてたけど、本当にその通り。婚約中は、若い女の人の左手ばっかり、気になったし、産まれたら産まれたで、今度は赤ちゃん連れの人が増えたような気がしました。人間ってやっぱりすごく利己的で、結局自分の身に実際に降りかかってこないと、いろんなことを見るのはむずかしいねんなって思いました。それを、そうなる前にどこまで自分のこととして感じることができるか、で、人の大きさって見えてしまうような気がします。
マタニティって着るまではどうしようか、まだ早いかな、もういいよね、やっぱり、気早いかしら、って迷ったけど、一度着てしまったら、その強さに、負けてしまいました。だって、マタニティを着てるか、そうでないか、だけで、この人は妊婦。この人は?っていう区別ができてしまって、妊婦はとにかく、無条件に強いのです。そして、その強さ、図太さを自分で確認できるのです。恥ずかしさを忘れてしまえば、これほどいばって歩ける格好はないなあってやみつきになるほどでした。

□妊娠時の服装
 初期
  ほとんど見た目は変わらない。普段の服装と同じでいい。
  ◆いつもと同じ服装。すべりやすい靴、極端に身体を冷やすような服装は避けたほうがいい。
  ◇私の着てたもの:いつもと同じ。ジーンズも普通にはいてたけど、ウエストゴムのパンツを買った。スーツのスカートはホックを外してはいたり、ベルトは無理に締めないようにしたくらい。

 中期
  お腹が少しふっくらしてくる。
  ウエストを締め付けない、ゆったりとしたものがいい。
  足元を冷やさないように。
  ◆チュニックやオーバーブラウスなどのゆったりとした上着。お腹をしめつけないパンツや腰周りのゆったりしたワンピースやスカートなど。
  ◇私の着てたもの:ウエストゴムのパンツにゆったりとしたシャツやニット。ウエストマークのスカートはやめて、ジャンバースカートかワンピース。いわゆるマタニティウェア。

 後期
  普段の服装では苦しくなってくる頃。
  特にマタニティウェアでなくてもいいが、お腹を圧迫しないものを。
  ◇私の着てたもの:いわゆるマタニティウェア一辺倒。冬になるということもあって、ゆったりしたセーターにマタニティスカート(ジャンバースカート)を。スパッツは股下がやぶれた。

  

 

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