分娩室にて(その1)
 
□■いたいいたいいたいー

 先生が来たのは7時半ちょっと前でした。7時過ぎに「先生、最後の方診てます」と看護婦さんが言っているのが聞こえてきて、やったーもう終わるとうれしくなりながらいきんでました。
 でも、実際つらかったのはこれからでした。病院の母親教室で「やっぱり先生は男の人やから、本当の痛みはわからないから、痛いときは痛い!!ってしっかり言うように」といわれてたのですが、本当にそうでした。助産婦さんが見ててくれたときは安心していきんでたけど、先生にかわってからはやっぱり痛くて、いきむけど痛ーい、痛いけどいきんで早くーという感じでした。

 ちなみに会陰切開はすっごく痛かった。先生は陣痛の痛みに紛れてしてしまおうと思ってたそうですが、ちょうどタイミングがずれてしまって、「痛いーーーーー」と大声出してしまいました。だって、本当に痛かったもん。
 後で縫ってる時に「ちょっとタイミングずれたなあ、痛かったやろ」って言われたけど、先生、ほんとそうよ。みんな、陣痛の痛みにくらべたらへでもなくなるって言ってたけど、うそー反対やん、この痛みに比べたらまだ陣痛の方がましかもーーって思いました。
 切開も終わってしばらくいきんでたけど、どうも進みがわるいらしく、7時40分ころには先生から「次いきんだら出すよ」と助産婦さんへのお達しがありました。助産婦さんに「次いきんだら私がお腹押すからしっかりいきんでてね」と言われて、よしっ、いよいよと緊張の一瞬でした。
 それが、苦しいのなんの。押すよって言われたから押すだけかと思ってたら、なんと、お腹の上にのるのです。いきんでるのも忘れたし、短促呼吸にするタイミングも忘れたし、ぐびー苦しいーー。もうその辺でけっこう涙ぐんてた気がします。

□■生まれたー
 平成9年1月10日午後7時43分、無事、出産。ふわー終わったーと思ってたら、先生が赤ちゃんの口から羊水を出してるのが見えました。その後、「あ゛ー、あ゛ー、あ゛ー」って産声が聞こえてきました。
よかったね。

 元気な男の子。へそのおをきって、看護婦さんが胸の上に赤ちゃんを乗せてくれました。ぱぱと顔を見合わせて、よかったねと喜びました。無事生まれてきてくれてありがとう。

 あーん、うまれたよー

 

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