分娩室にて(その2)

 無事出産。赤ちゃんが出てきました。「はい、おめでとうございます。男の子ですよー」と看護婦さん。「赤ちゃんのせますね」と胸の上にのせてくれました。
 「わーい」と喜んだのもつかの間。先生が看護婦さんと何か話しています。保育器に入ることになったのでした。

 その間に先生は産後の処置に入ったのですが、これが痛いのなんの。胎盤はするっと出たのですが、縫合が痛くて痛くてたまりませんでした。
先生によると「帝王切開の縫合の方がよっぽど楽」とのこと。赤ちゃんのおりてくるのがあまりに早かったこと、吸引をしたために裂傷がひどくなり、直腸の方まで達してしまったというのです。

 結局縫合、その他産後の処置にかかった時間は1時間以上。30分縫ってから、「これからが普通の出産の縫合と同じ位」と言われてからまだ20分以上かかってしまいました。
 縫うのも痛い痛い。途中であんまり痛くて「麻酔もっと強くできないんですか?」とお願いしました。ちょっと多い目に足してもらって少し楽に。その間に赤ちゃんを胸元まで連れてきてくれました。

 ぱぱが入ってきたのは、6時半すぎ(なんとこっちの様子に全く気づかず、「様子見に行くって入っていって遅いなぁ。何してんのかなぁ」ってぼーっと待ってたそう。産んでたっちゅーねんっ)。

 先生は今回の出産についていろいろと説明してくれました。暇だったのかしら。「赤ちゃんが苦しいよ」と言われていた時、赤ちゃんの心泊数が80以下になってしまい、5、6分以上戻らなかったそうです。状態が悪くなって仮死になってしまう、と吸引分娩で出すことになったそう。
 母子手帳には“急性胎児仮死”と書かれていましたし。で、吸引になったのはいいけど、その時裂傷がひどくなってしまったらしいのです。直腸壁の一歩手前まできてたとのこと。そうなると傷の治りも悪く、産後の生活にも影響が出ていたそうです。

 分娩室で1時間休養。とにかく疲れていて、ゆっくり休ませて。といった感じ。ぱぱはビデオを持って入ってきましたが、笑う余裕もありませんでした。ほんとだったらこの分娩室での休養時に赤ちゃんを横にして二人で寝かせてくれるはずだったのです。1号の時はそうでした。
 ただ今回は赤ちゃんが保育器に入ってるので、それも無理。後で病室に連れていってあげるね、と看護婦さんは慰めてくれました。

 分娩室での休養後、病室に戻ることになりました。全く歩けず車椅子。それに看護婦さん2人がかりでベッドに寝かせてくれました。ただ、今回は傷がひどかったせいか、24時間の安静。1号の時は夜出産して、朝には自分でトイレ行ってくださいと言われたくらいだったのに、カテーテルをつけてとにかくやすんでくださいということでした。

 うつらうつらとしながら、食事。食事も自分一人ではできず、ぱぱに食べさせてもらう有様でした。

 

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