ジャスト イン 方式の罪
大手企業の工場などでよく採用されている「ジャスト イン 方式」
ムダを無くす優れた方式のように思われている様ですが、実は問題を抱えていると思うのです。
・公共の財産たる道路に倉庫の代わりをさせている
・納入業者の運転手さん、トラックをムダに拘束している
・待っている間もエンジンはかけられている
これらのことに関して僕が思っていることを少し書かせてください
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道路はあんたたちの倉庫じゃないんだよ!!
ジャスト イン方式を採用する企業では決められた時間ちょうどに部品を納入する様に求められているそうです。どのくらいのゆとりが見込まれているのかは知りませんが、決して遅れることは許されないそうです。そうですよね、「部品が必要になるその直前に持ってこい」と 言うことなのですから納入が遅れれば工場は止まってしまいます。
では、納入業者さんはどうしているのでしょうか? 自社から納入先まで配送する時間を逆算して出発時間を決める?
いえいえ、それではダメです。道路の混み具合なんて予測がつきません。道路状況による渋滞など、配送を遅らせる要素は沢山あります。不可抗力で到着が遅れても受け入れ企業は大目に見てくれません。きっと、何らかの罰則があることでしょう。
結局、納入業者さんは相当早めにトラックを出発させて待つことになります。受け入れ企業は工場の敷地内にトラックの待合場所を設けていてくれているでしょうか? いいえ、そんな費用のかかることはしません。決められた納入時間まで工場には入れてもらえません。トラックはどこで待っていればいいのでしょう。大きなトラックを止めておける場所なんてそんなに都合よくないですよね。どこか近くの道路で待つことになります。
納入業者さんのトラック待合場所を用意せずにジャスト イン方式を採用する企業に言いたい「道路はあんたたちの倉庫じゃないんだよ!!!」
誰が運転手さんの給料を負担していると思っているんだ!!
受け入れ企業はジャスト イン方式によって自分たちのコストが下がったから「ムダが無くなった」と思っているのかもしれませんがそれは違います。「ムダが無くなった」のでは無いのです。納入業者さんに肩代わりさせているに過ぎないのです。
先の工場の外で待たされるトラックについてもう少し考えてみましょう。「ただ待っているだけだからコストは 発生しない」そんなことありません。待っている間も運転手さんの労働時間です。納入業者の社長が運転手さんに対して「待っている間は何もしていないんだから給料はいらないよね」なんて言ったら運転手として働いてくれる人はいなくなりますよね。
また、ただ納入時間を待っているだけのトラックもムダです。受け入れ企業が倉庫を準備してくれていれば、荷物をさっさと下ろしてトラックは次の配送に向かうこともできます。納入業者さんはトラックを余分に持たなければならないかもしれません。その費用は誰が負担しているのでしょうか? それを運転する運転手さんの給料についてはどうですか?
エンジンをかけて待っているだけのトラックは環境破壊だ!!
いえ、ちょっと待ってください。なにも炎天下や寒空に道路で待っている運転手さんにエンジンを止めなさいと言っているのでは無いのです。そんなことをしたら運転手さんの生命が危険です。そうじゃ無いのです。受け入れ企業には待合場所として空調の効いた部屋を準備して運転手さんにそこで待っていてもらいなさいと言いたいのです。まぁ、そうなると当然納入待ちのトラックを止めておく駐車場が必要になりますけどね。
でも、待っているトラックでもエンジンをかけていればそれだけで燃料を消費して二酸化炭素を出しているのです。運転手さん一人のためにそれぞれのトラックのエンジンがかけられているのです。それは環境破壊です。せめて、効率の良い空調システムのある部屋で運転手さんに待っていてもらうことはできないのですか? と問いたいのです。
「ムダが無くなった」のでは無いのです。
本来自分たちが負担するべき費用を他人に肩代わりさせているに過ぎないのです。
このままでいいのでしょうか? 僕は「ジャスト イン 方式」を採用する企業から「環境税」とか「道路目的外使用税」とか言って税金を取るべきなんじゃ無いのかと思っているのです。
2016/03/11