地頭所 篤  Jidosho Atsushi

 

経歴  1983年 鹿児島県で生まれる
    2005年 福岡大学工学部建築学科卒業
    2006年 青年海外協力隊としてウガンダに赴任
    2008年 工務店で大工として働く
    2011年 ハウスメーカーで設計士として働く
    2016年 クラフトリエ設立

 

資格  一級建築士、インテリアコーディネーター

Policy

建築をもっと簡単にしたい。常日頃どうしたら簡単になるか考えています。
現代の建物は地震に強く、高気密、高断熱など高性能で、構造検討をすると様々な形の建物をつくることができます。日本には地震や台風があり、寒暖の差が激しい四季があるため、それに備えるために技術が進歩してきたからです。世界的に有名な建築家が日本に多いのは、日本の高い技術力を駆使して斬新なデザインが可能だからだと思います。
一方それに伴って、建築は複雑になりました。複雑になると、使う材料が多くなり、専門の業者が増え、建設費用が高くなります。日本の一般的な住宅の建設費は欧米の2倍以上にもなるというデータがあります。土地の値段も極めて高く、住宅を建築するためには高いローンを払い続けなければなりません。より良い生活をするために家をつくるのに、建てたことによって生活が苦しくなるというのは、何か間違っている気がします。
また、建築が複雑になることによって、住む人の建設への参加も少なくなりました。複雑になったからという直接的な原因より「難しそう」という建築へのイメージから住む人の家づくりへの参加が少なくなったのだと思います。少し昔しの日本では、大工や地域の人達と一緒に、住む本人が主になって住宅は作られていたそうです。欧米では、セルフビルドやハーフビルド、リフォームなど自分たちで家をつくるのは当然のように行われています。自分の好きなようにアレンジできることや、工事費用を安く抑えられるメリットがありますし、何より物を作るのは楽しいことです。そして住む人の家づくりへの積極的な参加から、生活に根ざした良い建築が生まれると思います。
建築技術の進歩に伴って遠くに行ってしまった住む人の制作意欲を、もう一度建築まで呼び寄せることができたらいいなと思っています。そして、複雑になってしまった建築をシンプルにすることが、これからの建築の進むべき方向だと思いますし、私自身こだわっていきたいところです。折り紙やプラモデルを作るように簡単で楽しく、性能が高く、強くて軽い、そして住みやすくて美しい、そんな建築を目指していきたいと思います。