いただキリマンジャロ!
第1章 〜出発〜 登山1日目
1日目
早朝、ツアー会社の四駆がホテルに迎えに来た。
5日間後には、同じホテルに戻る予定なので、登山に必要の無い荷物はフロントに預けておき、車に乗り込む。
アルーシャからモシを経て、登山ゲートへ向かう。
途中、立ち寄った小さな街で、これから5日間を共にする現地のポーターたちも同乗してきた。4輪駆動車のシートが埋まる。
こちらがお客とは言え、ここはアフリカだ。しかも見ず知らずの6人ばかりのタンザニア人が同乗している。警戒心が自ずと高まるが、探りを入れつつメインガイドとボチボチと会話が始まる。
「セビ」と言うニックネームの彼は、小柄だが肉体労働を長年やってきた雰囲気をかもしだす。フサフサ飛び出た耳毛が老船長って感じで、なかなか頼もしそうだ。
徐々に雰囲気に慣れてきた。
ぶっ飛ばす車からの、見知らぬ土地の風景に目を奪われる。
ここはアフリカ、タンザニアなのだ。
ポーター達が食料調達した後、
昼前に、登山口であるマラングゲートへ到着した。
KILIMANJARO の文字に感動する。
|
 |
早速、シュラフ、最後のアタック時に必要な防寒服や登山靴などをレンタルする。
いろいろサイズを試し、レンタル店のオヤジと交渉、必要なものをゲットした。
次は、受付で入山手続きし、
ポーター達は駐車場で荷物をまとめる。赤帽がメインガイドのセビ。
 |
|

日本の救急車やどこかの旅館の送迎バスが。感激!
|
手続きを済ませると、ゲート近くの原っぱで早目の昼食を摂り、
マラングルートでのキャンプ地の標高が書いてある看板で3人記念撮影。
ウフルピークの5,895mという数字を見て、いろいろ話が弾む。
3人いっしょに登頂できればいいが、どうなるかは全く分からない。
もしも、3人のうちの誰かが脱落しても、脱落者を放っておいて、残っている者で登山を続ける、ということにした。
もちろん、一人で取り残されてもサブガイドらがサポートしてくれる。 |
|
 |
いよいよキリマンジャロ登山の開始である。
今日の目的地はマンダラ・キャンプサイト(2,740m)。
この登山口であるマラングゲートは、すでに標高2000mぐらいだから、ここから高低差約700mだ。
看板にあったように、1日あたり、千メートル弱を登っていく計算になっている。
これが、スケジュール的にはキツいペースなのか緩いのかは、この時点では、全然検討がつかない。
さて、
「ここは本当にアフリカ?これがキリマンジャロ?」
といった具合に、日本のどこにでもあるような森の風景、小道を往く。
傾斜は、ところどころ急になるところもあるが、非常に緩やかだ。

お喋りや鼻歌まじりで、ほとんど遠足気分で進む。
楽ちん楽ちん、まだまだ息苦しさなど感じられない。
セビがときどき、「ポレポレ(ゆっくり)歩け」と助言するが、
荷物の軽い我々は、先先と進む。
ゆっくり過ぎると、かえって辛いものだ。
マイペースというか、アワペースで行く。
ポーターやメインガイドは徐々に離れるが、
分かれ道や休憩を何回か入れるたび、また合流する。
後半、
O氏と私は、相変わらずのペースで歩き続けたが、
M氏は万全を期したのか、ポーター達に合わせるほどのゆっくりなペースに変わる。
そんなこんなの調子で、出発から4時間程で、マンダラ・キャンプサイト(2,740m)に到着。
結構楽勝といった感じである。
しかし、遅れて到着したM氏は調子が今一つなのか黙りこくっている。
このマンダラキャンプサイトは、
森を切り開いた斜面に、三角の尖ったロッジが並んでいる。
見晴らしはよくない。下界もキリマンジャロも見えない。
「こんなもんジャロ」 などと、オヤジギャグを言い合いつつ、
受付で記帳して、自分たちのロッジを教えてもらい、しばし休憩。 |
 |
 |
ロッジ内部は2段ベッド式になっていて、6人くらいは寝れそうだ。
レンタルしたシュラフをひろげ、服やバッグで適当に枕をつくり、寝床の完成。
電気は、ロッジの屋根に太陽電池があって、
部屋の小さな蛍光灯が点くようになっているのだが、容量が小さいので、数時間で切れる。
その後は懐中電灯のみだ。
デジカメも充電したいのだが、これでは無理だし、コンセント自体もない。
残り4日間、バッテリーを節約する必要がある。 |
小一時間ほどして、サブガイドが晩御飯の用意ができたと呼びに来た。
食堂は、大勢の登山者(ほとんど欧米人)でごった返している。日本人らしき人もいる。
テーブルに夕食がセットされていた。ソーセージやスープやその他、思ったより豪勢な料理で、味付けも口に合う。
ビールでちょいと乾杯といきたいところだが、登山に飲酒は禁物だ。
登頂し下山したら存分に祝杯をあげよう、などと3人で誓い合い?、夕食を美味しくいただいた後は、おとなしく部屋にもどる。
体調のいまいち好くなさそうなM氏だったが、回復したようである。
今のところ3人順調と言えるが、今後のために、早めに床に就くことにする。
今日は楽勝だったが、これから徐々にキツくなる。
しかし、
普段よりかなり早い就寝だからなかなか寝付けない。
慣れないレンタルのシュラフも違和感がある。
そうこうしてるうち、話には聞いていたが、O氏の寝言が始まった。
起きてるんじゃないか?というぐらい、かなりはっきりと喋っている。どうやら夢の中で飛び交うダニやノミと闘っているようだ。
笑いをこらえつつも、しばらくして私も眠り込んだ。
第1章終わり
第2章 〜ピクニックと危険信号〜
|