序章 第2章 〜ピクニックと危険信号〜 第3章 〜地獄 そして 帰還


いただキリマンジャロ!

第1章 〜出発〜  登山1日目



1日目

早朝、ツアー会社の四駆がホテルに迎えに来た。
5日間後には、同じホテルに戻る予定なので、登山に必要の無い荷物はフロントに預けておき、車に乗り込む。

アルーシャからモシを経て、登山ゲートへ向かう。
途中、立ち寄った小さな街で、これから5日間を共にする現地のポーターたちも同乗してきた。4輪駆動車のシートが埋まる。

こちらがお客とは言え、ここはアフリカだ。しかも見ず知らずの6人ばかりのタンザニア人が同乗している。警戒心が自ずと高まるが、探りを入れつつメインガイドとボチボチと会話が始まる。


「セビ」と言うニックネームの彼は、小柄だが肉体労働を長年やってきた雰囲気をかもしだす。フサフサ飛び出た耳毛が
老船長って感じで、なかなか頼もしそうだ。


徐々に雰囲気に慣れてきた。


  ぶっ飛ばす車からの、見知らぬ土地の風景に目を奪われる。
  ここはアフリカ、タンザニアなのだ。






ポーター達が食料調達した後、
昼前に、登山口であるマラングゲートへ到着した。


KILIMANJARO の文字に感動する。








早速、シュラフ、最後のアタック時に必要な防寒服や登山靴などをレンタルする。

いろいろサイズを試し、レンタル店のオヤジと交渉、必要なものをゲットした。



次は、受付で入山手続きし、
ポーター達は駐車場で荷物をまとめる。赤帽がメインガイドのセビ。
 
日本から流れてきた中古車
日本の救急車やどこかの旅館の送迎バスが。感激!




手続きを済ませると、ゲート近くの原っぱで早目の昼食を摂り、
マラングルートでのキャンプ地の標高が書いてある看板で3人記念撮影。

ウフルピークの5,895mという数字を見て、いろいろ話が弾む。

3人いっしょに登頂できればいいが、どうなるかは全く分からない。

もしも、3人のうちの誰かが脱落しても、脱落者を放っておいて、残っている者で登山を続ける、ということにした。
もちろん、一人で取り残されてもサブガイドらがサポートしてくれる。




いよいよキリマンジャロ登山の開始である。

今日の目的地はマンダラ・キャンプサイト(2,740m)。
この登山口であるマラングゲートは、すでに標高2000mぐらいだから、ここから高低差約700mだ。
看板にあったように、1日あたり、千メートル弱を登っていく計算になっている。
これが、スケジュール的にはキツいペースなのか緩いのかは、この時点では、全然検討がつかない。


さて、
  「ここは本当にアフリカ?これがキリマンジャロ?」

といった具合に、日本のどこにでもあるような森の風景、小道を往く。
傾斜は、ところどころ急になるところもあるが、非常に緩やかだ。


  森

お喋りや鼻歌まじりで、ほとんど遠足気分で進む。
楽ちん楽ちん、まだまだ息苦しさなど感じられない。


セビがときどき、「
ポレポレ(ゆっくり)歩け」と助言するが、
荷物の軽い我々は、先先と進む。
ゆっくり過ぎると、かえって辛いものだ。
マイペースというか、アワペースで行く。


ポーターやメインガイドは徐々に離れるが、
分かれ道や休憩を何回か入れるたび、また合流する。



後半、
O氏と私は、相変わらずのペースで歩き続けたが、
M氏は万全を期したのか、ポーター達に合わせるほどのゆっくりなペースに変わる。



そんなこんなの調子で、出発から4時間程で、マンダラ・キャンプサイト(2,740m)に到着。
結構楽勝といった感じである。

しかし、遅れて到着したM氏は調子が今一つなのか黙りこくっている。

このマンダラキャンプサイトは、
森を切り開いた斜面に、三角の尖ったロッジが並んでいる。

見晴らしはよくない。下界もキリマンジャロも見えない。

 「こんなもんジャロ」 などと、オヤジギャグを言い合いつつ、
受付で記帳して、自分たちのロッジを教えてもらい、しばし休憩。


ロッジ内部は2段ベッド式になっていて、6人くらいは寝れそうだ。

レンタルしたシュラフをひろげ、服やバッグで適当に枕をつくり、寝床の完成。

電気は、ロッジの屋根に太陽電池があって、
部屋の小さな蛍光灯が点くようになっているのだが、容量が小さいので、数時間で切れる。
その後は
懐中電灯のみだ。

デジカメも充電したいのだが、これでは無理だし、コンセント自体もない。
残り4日間、バッテリーを節約する必要がある。


小一時間ほどして、サブガイドが晩御飯の用意ができたと呼びに来た。

食堂は、大勢の登山者(ほとんど欧米人)でごった返している。日本人らしき人もいる。
テーブルに夕食がセットされていた。ソーセージやスープやその他、思ったより豪勢な料理で、味付けも口に合う。
ビールでちょいと乾杯といきたいところだが、登山に飲酒は禁物だ。

登頂し下山したら存分に祝杯をあげよう、などと3人で誓い合い?、夕食を美味しくいただいた後は、おとなしく部屋にもどる。


体調のいまいち好くなさそうなM氏だったが、回復したようである。
今のところ3人順調と言えるが、今後のために、早めに床に就くことにする。

今日は楽勝だったが、これから徐々にキツくなる。
しかし、
普段よりかなり早い就寝だからなかなか寝付けない。
慣れないレンタルのシュラフも違和感がある。


そうこうしてるうち、話には聞いていたが、O氏の寝言が始まった。
起きてるんじゃないか?というぐらい、かなりはっきりと喋っている。どうやら夢の中で飛び交うダニやノミと闘っているようだ。
笑いをこらえつつも、しばらくして私も眠り込んだ。



第1章終わり

第2章 〜ピクニックと危険信号〜