hyde's Diary vol.33

2002. 7.28(Sun.)	まだ序盤も序盤ですね、撮影、始まったばっかり。台本さあ、むずかしい漢字が多いんだよね。でもセリフを覚えるのって、ライヴの曲の詞を覚えたりするのと要領はいっしょかな。だから何事も経験かなと思いましたね。この日、外でのロケだったんだけどファンの子がたまってくるのね。で、ガッちゃんと挨拶するときって、いつもハグするわけ。それはもう日常なんだけど。それをいつものようにやったらファンの子が「キャー！！！！」って。あ、そっかみたいな（笑）。
2002. 7.29(Mon.)	この日は民家での撮影。そうそう、共演者に台湾のアーティストがいるんですけど。彼が今、作ってる曲とかを聴かしてもらったりして。すんごいカッコよくって「あ、やられたな」ってちょっと思いましたね。カッコいいじゃんって。
2002. 7.30(Tue.)	（マネージャー：Ｆ「来る途中にメガネやさんのところでワン・リー・フォンの……」）そうだそうだそうだ！来る途中のメガネ・ショップに共演者のワン・リー・フォンらしきポスターが見えたんですよ。「あれ？ワン・リー・フォンじゃないかな？」と思って。で、ちょっと待ち時間があったから、アイスでも買いがてらちょっと記念写真を撮りに行こうと思ってて。彼、今、サングラスか何かのCMをやってるらしくて、そのメガネ・ショップに行くと全面ワン・リー・フォンで。カッコつけて写真撮ってるから、同じようなポーズしてこうやって、サングラスかけて同じような写真撮って。それ本人に見せたら「ファック」って言ってましたけどね（笑）。
2002. 7.31(Wed.)～8. 4(Sun.)	帰国。
2002. 8. 5(Mon.)	台湾入り。
2002. 8. 6(Tue.)	この日は高級マンションでの撮影。背の高い、川沿いなんかのしゃれたマンションでさあ。テーブルとイスとかが敷地内に置いてあったりして。そこで住人の人が新聞読んでて、犬を連れてきてたんですよ。ほんでウロチョロしてるなあと思ったら、途中でウンコし始めて、「あー、ウンコしてる、ウンコしてる」ってこっちが騒ぎだしたら犬がビクッてこっちに気がついて、ちょっとずつ移動しながらウンコをしてたの。ほんでもうやり終わったら何事もなかったようにまた遊んでる。「あのウンコどうするんだろうなあ？」って見てたんですけど、飼い主はずっと新聞見てるからウンコしたのに気づいてない。日本だと考えられないなあと思って。普通、撤去するじゃないですか。そしたらそのおじさんが新聞畳んで「帰るよ」って感じで歩き出して、そのウンコを見つけてポケットからティッシュ取り出してちゃんと持ってったの。それを見た瞬間、「あー、ここでやるのが習慣なんだ」って思って。だからウンコがあったら、自分とこの犬のだってわかるみたい。あー、ちゃんと持ってったなあって思って。そんな一日でした（笑）。
2002. 8. 7(Wed.)	発砲のシーンがあったんだけど、弾が入っていない本物の銃が使われてて。だからすんごい音するの。耳栓つけてないと音にびびっちゃう。ビクッてなって、目、閉じちゃうよ。音がすごい大きいの。楽しいけど。本物の銃だから重いんだよね。またこれが、うさんくさそうな現地の銃を扱う人たちが弾入れていくわけなんですけど、そん中に一発ぐらい本物が入っててもおかしくないんじゃないの？みたいな（笑）。そんな感じするよね。（マネージャー：Ｆ「最後まで信用はできなかったですよね」）そんなにちゃんと管理してるように見えないしね。ま、してんだろうけど、どう見てもそう見えない。一発ぐらい本物が出るんじゃないかなあと思いながら、ガンガン撃ってました（笑）。
2002. 8. 8(Thu.)	この日は、ホテルの近くの空き家っぽいビルでの撮影だったんだけど、ホコリがすんごい溜まってて、イヤ～な感じのとこでしたね。2階がね、元病院かなんかで、なんかいそうな感じ。（マネージャー：Ｆ「空き家というよりも廃屋……」）街中にポツンとある廃屋。場所は悪くないんですよ。デカーイ交差点の角だから、なんでこんなとこに？みたいな感じだよね。そこにずーっといましたね。あっついんだよね。ホコリもすごくて。最初はマスクとかしてたんだけど、部屋帰って鼻かんだりすると黒いんだよ、ティッシュが。耳の中も黒いし。茶色とかいうレベルじゃないぐらい黒かったね。
2002. 8. 9(Fri.)	次は、あっ、クリーンね。唯一、クーラーのかかった建物での撮影。ステキなとこだったね、本物の病院で。ワン・シーンかなんかで終わったんだよなあ。セリフなしで、みたいな。で、写真撮ったんだよなあ、向こうの映画の。でもそんなに快適なとこなのに、その一瞬で終わっちゃったから寂しかったね。（マネージャー：Ｆ「そのあとにごはん」）出演者みんなで。みんなで行くってことはそうそうなかったんだけど、ガッちゃんとは何回か飲んだね。夜中、ホテルをいっしょに抜け出して公園行ったり。初々しいカップルみたいな（笑）。そのときもね、犬がウンコしてたんですよ。しかもね、ガッちゃんの後ろ10 センチくらいで犬が「んー」ってきばってて。俺、横で見てて「わー、ウンコしてる！」って大笑いで。で、犬がそれを踏んづけてガッちゃんに近づいていって、ガッちゃん「うえ―！！」って（笑）。飼い主それ見てても、ずっと電話しっぱなしで、全然相手にしてなくって。すごい笑いました。
2002. 8.10(Sat.)	ここで公園登場だ。このときはこんなしょっちゅうここに来ると思ってなかったんですけど、このあとガンガンここに来て、けっこう知り尽くした公園になってましたね。夜の公園でボーッとすること、普段あんまないから。だからこういうロケは案外楽しかったですね。けっこう公園を堪能してました。ただやっぱ国が違うから、理解しがたいことがいっぱいあるんですよ。ずっと公園をマラソンしてるのはいいんだけど、マラソンしながらこう（←パチパチ手を叩いてマネをしてみせる）手叩いてる人がいるの。音楽を聴いてるとかじゃなくて、普通に走りながら。で、途中横でカラオケとか歌い出したり、トイレの前では囲碁みたいなの毎日やってるんですよ。昼間行くと囲碁セットが木の上に置いてあるの（笑）。あとお弁当とかを盗みに来るおばちゃんがいて。休憩時間になったらみんなが食べたり飲んだりするようなものがテーブルにあるんですけど、おばちゃんがこうさりげな～くやって来て、なんか盗ろうとするんですよ。そのたびに現地のスタッフに「オラッ！！」つって怒られて。でもそのおばちゃんも懲りずに、一度は引くんだけどまたしばらくするとこうやってきて、ふりかけとか盗ろうとするんだよね（笑）。で、また怒られて、しばらくその辺をグルーッとしてまたやって来るの。ちょっと怖かった、あの人は。
2002. 8.13(Tue.)	公園で雨が降ってるシーンの撮影。台湾って台風がガンガン来るって聞いてたのに、全然来なくって。現地のソニーの人は「hydeは晴れ男ね」って言ってた（笑）。だから雨降らないから、雨降らすしかなくって。この日はサイアク。雨まみれでグチョグチョのドロンドロン。でも台湾のCMで見て乗りたかったエンジンつき自転車がそこに遊びに来てたんで、「イエ～イ！」とか言って乗りまくりましたね。公園とかだと威力を発揮するんですよね。すんごい楽しかった。トイレ行くときもいちいちエンジンかけて。楽チンだったね、あれは。この自転車が数日後なくなっちゃうんですが、すごい寂しかった。なくなった瞬間からポツポツ歩いてたからね、「遠いなあ、トイレ」って。
2002. 8.16(Fri.)	で、その次は刑務所。「新店監獄」って呼ばれてるみたい。ここがすごい山の上で、石橋（凌）さんとの共演だった。車で1時間くらいなのかな。遠かったですね。
2002. 8.17(Sat.)	ジェフっていう外国人のカメラマンがずーっと撮影撮ってるんですけど、この日、彼の奥さんと子供が来てて。奥さんと子供の名前がケイとルカっていって、偶然にも出演者の名前といっしょだったの。で、その子供がすっっごいかわいくって。すっっっっっっごいかわいいですね。俺の中では、今まで見た子供の中でいちばんかわいい、と思ってるけど、Ｆは台湾マジックじゃないかって。（マネージャー：Ｆ「荒んだ心を癒すかのような。ちょっとよく見えたっていう（爆笑）。まあ確かにかわいかったけど」）すんごいかわいかった。「うわー、仲よくなりたーい」と思ったけど、すごい人見知りしてて。それにその日しか来なかったから「ああ、仲よくなれないなあ。もうちょっと時間があればなあ」って。残念でした。台湾に来てからなぜか大富豪がはやってて。この合間にもきっと大富豪を。この公園でもやったね。
2002. 8.18(Sun.)	ここが走るヤツだ。朝からね、久しぶりに100メートルぐらいの全力疾走。「んー、もっかい」とか言われながら。しかも下の道が舗装されてないからデコボコしてるし。そうそう、この日ちょっと石橋さんとおしゃべりできて、俺の地元の話とかしたりして。昔ライヴ行ったことあるよ、とか。「あー、そこ俺、昔働いてたかもしんないッスよ」とか言って。そんで石橋さんがそこでライヴをしたら、地元の暴走族がいっぱいやってきて、いちばん前でそいつらが観てたって言ってた。硬派なバンドだったから、そういう人たちにも支持があんのかもね。（マネージャー：Ｆ「この日は戻って、メイクさんと3人で大富豪をすごく（8時間くらい）やった日です」）すごくやった日か、これ。みんな文句タラタラ言いながら。
2002. 8.19(Mon.)	（マネージャー：Ｆ「この日は久々のオフで、本を買いに行きましたね」）本買って、また大富豪だ。寝る前ずーっと本読んで寝てたんだけど、もう読み終わっちゃったから。『死のロングウォーク』はもうちょっと前に終わってて、そのあとに『呪われた町』かな。スティーブン・キングのやつ。それも読み終わっちゃったんで、また別の欲しいなと思って。“ダークタワーシリーズ1”なんですけど。『ガンスリンガー』ってやつ。スティーブン・キングが超長編を書いてて、今、4巻ぐらいまであるんですけど、その1～2巻を買って。怖い話っていうよりも、ちょっとファンタジー系の未来の話なの。『マッド・マックス』みたいな感じ。あんな感じのやつです。あんまり面白くないです（苦笑）。なので帰ってきてからは、もう全然読んでないですね。
2002. 8.20(Tue.)～8.22(Thu.)	またここは鼻の中が黒くなるとこですね。街中の廃屋。あ、銃を投げたりするやつだ。また銃をバンバン撃ってました、バンバン。このあたりからお茶できるところを近くに見つけて、けっこう待ち時間は有意義な感じになりつつありましたね。そしてまたそのカフェで大富豪（笑）。どこに行っても大富豪でしたね。
2002. 8.23(Fri.)～8.25(Sun.)	最初のほうに行ったビール工場ですね。この日もバンバンやってました、バンバン。けっこうフィナーレに近づいてるって感じ。そういう重要な場面だったね。
2002. 8.26(Mon.)	（マネージャー：Ｆ「これもまた公園のシーンですね。ネタっていったら照明の関係で1時間くらい待たされたぐらいですかね」）かと言って、大富豪はしなかったよね。これ珍しく（笑）。
2002. 8.27(Tue.)	（マネージャー：Ｆ「廃屋のおなじみのところで」）この日はけっこうテラスにいたんだよね。ずーっと待ってるの、ヒマだからさ。で、夜深くなってきて。見てみたら、隣の電気屋さんの2Ｆの部屋が見えて。あー、おっちゃんがいるなあと思って。白いパンツがと白いランニングで、ボテーッとしたおっちゃんが、ずーっとなんか部屋の中うろうろしてて。次におばちゃんが登場して。あー、おばちゃん登場！って。そしたらおばちゃん、スカートまくり上げつつ、別の部屋に（笑）。そっちにトイレがあるのかなあ？みたいな（笑）。
2002. 8.29(Thu.)	撮影の最後になんかしんないけど、俺と豊川さんが見つめあってるシーンを写真撮る段取りになってて。ふたりで見つめあうんだけど、なんか照れちゃって。カメラまわってるわけでもないのにさ、見つめあうってまずないじゃん。「なんか照れますね」って言いながら撮影しました。で、そのあといっしょに軽くメシ食って、豊川さんと飲み明かしましたね。なかなか気さくにしゃべってくれて楽しかったです。
2002. 8.30(Fri.)～9. 1(Sun.)	ファイナル・カット。1日の朝、撮影が終わって、ホテルに帰って荷物まとめて、ホテルを出るみたいな。すごいヘビーだったね。それでそのまま帰国。
2002. 9. 2(Mon.)	SONS OF ALL PUSSYSのメンバーと飲んだんですけど、けっこうベロンベロンになって朝までいて。その中で誰かがうちの両親に会いに行きたいって話になって「あー、いいよー。俺もしばらく仕事ないから」「じゃ、ついでにライヴしようよ。俺も飛び入りするから」ってなって。「あ、いいね、いいね」なんて言っちゃって。で、俺が朝の5時6時ぐらいに友達に電話して「ライヴやりたいんだけどさ、来週、どっかブッキングできないかなあ」つって（笑）。で、次の朝、目覚めて「昨日の夜みんなが言ってたのってホントにあるのかなあ？」って思って、みんなに電話したらみんな本気らしくて。そっからもう、毎日が段取りに終われる日々でしたね。
2002. 9. 9(Mon.)	ライヴ当日。まず会場入りするのにどうしようと思って。俺が出るっていうのを公表するとすごい人が集まっちゃうかもしれないと思って。変装しようかとも思ったんですけど、どうやってもバレるなあって。これはもう箱に入るしかない、とかいろいろ考えて、結局バスドラの箱に入って運ばれて会場入りすることにして。結局、アンコールで4曲やったのかな。ステージに行くときも、お客さんの中をかきわけていくライヴ・ハウスだから、また箱かなって思って。で、気づいたらステージにいました。箱を開けたらステージ。久しぶりにそういう熱気の中に入って、自分のテンションの上げ方がね、不思議な感じだった。今まで箱とかに入って、いきなりバーッて出るっていうのやったことなかったから。普通ライヴとかステージに出るときって、徐々に高まっていくものって感じなんだけど、気がついたらもういっぱいファンの人がいるとこで。「うーん、どうやって冷静にやろう」っていう感じだったかな。でもなんか楽しかったね、「このあと誰に怒られるんだろう？」とか思いながら（笑）。そのあとはまたすんごい飲みました。飲み明かしましたね。
2002. 9.10(Tue.)	（マネージャー：Ｆ「そして翌日は……」）映画の記者会見だ！飲み明かして寝ずに早朝の飛行機に乗って。取材陣がガーッといるあの雰囲気は、すごい居心地悪かったですね。どこを見て、何を言ったらいいかわかんないし。「見てください」とかしか言いようないんだよね。「お楽しみにしててください」とかさ。（マネージャー：Ｆ「あとはインタビューと写真撮影が」）あー、けっこう夜中まで。インタビューもさ、慣れてないんだよね。それまでラルクのメンバーとしかやってないし、ほとんど対談ってやったことないから。ガッちゃん＆俺とインタビュアーで「普通メンバーだったらこう言うだろうなっていうような」っていうのがわかんない感じ。どうやって会話を進めていけばいいのかなあって、ちょっと不思議な感じだったね。対談慣れしてない感じでしゃべりました。最近はソロのほうの曲作りスタートしてます。で、プリプロ入ったりしてまーす。