>>vol.52

2007. 2.15(Thu.) 事務所にて打ち合わせなど
たぶん「SEVENTH HEAVEN」のアレンジをやってたと思うな、きっと。いろんな人の意見を交えて、さらにサビにあたる部分を変えたりする作業をいっぱいやりまし
たね。サビを思いつくのって運と時間が必要で。例えば「New World」とかさ、あのサビってほんの4時間ぐらいの間で考えなきゃいけなかったんだけど、考えて考
えて考えて4時間目ぐらいに「あっ、きそうだ!」って。あれは運がよかったです。なかなかそういう運とか、むずかしいな。いいときはやってくるけど、来ないときは
来ないし。このころは、そんな感じでやってたね。
2007. 2.22(Thu.) プリプロ5日目 スタジオにあるお好み焼きにハマリ気味?
そのお好み焼きがうまいことできてて、レコーディングスタジオに、よく高速道路のサービスエリアにあるような冷凍食品の自動販売機があったんですよ。機械の
中でチンして出てくるヤツ。それが、夜、出前もなくなったりとか、小腹が減ってくるとかなり気になって。コンビニとかだと、もう食べ慣れちゃってるわけですよ。そこ
に、その販売機があるわけで……食うでしょ?(笑)すでに何人か食った人がいて、いろんな人にちょっとリサーチして統計をとっていくと、これはお好み焼きがうま
そうだなと(笑)。で、実際食べたらすげえうまくて。大判焼きがあるじゃないですか。あれの中にソースと具が入ってる感じ。だから見た目はお好み焼きじゃないん
だけど、食べるとお好み焼き。しかも、これがうまい!
2007. 2.23(Fri.) プリプロ6日目
青山にあるスタジオは久しぶりで、前にも何回か使ったことがあるんですけど、なんか暗〜い感じでもともとあまり好きじゃなくて。でも、毎日通っているとそんなこ
とはまったく気にしなくなるんですよ。案外いいなあ、みたいな(笑)。そこに行きにくい待合室があるんですよ。螺旋階段を昇らないといけないような、ちっちゃい部
屋がね。そこを自分のテリトリーにして、そこにこもって歌詞を考えたりとかして、作業してましたね。
2007. 2.25(Sun.) プリプロ7日目 「SEVENTH HEAVEN」のyukihiro打ち込み作業日
「SEVENTH HEAVEN」はアレンジャーさんが入ったりとかしたんだけど、なんか俺のいい感じにならなくて、二転三転しましたね。やっぱりポイントは毒だね。もとも
とがDEAD OR ALIVEだったから。あれはやっぱりピート・バーンズがすごい持っていくじゃない?あの毒な感じをヴォーカル以外の部分でも出さないとピート・バー
ンズには勝てないから。それをうまく出して、しかもどうキャッチーさと結びつけるのかっていうところが、すごくむずかしかった。結局、ユッキーにお願いして、もっと
へヴィなバージョンとか、バイオレンスバージョンとか、いろいろ作ってみて、最終的には折衷案に近い形になったかな。だから、このころは曲の詰めの段階。最終
的にはこの状態で録りますよ〜って感じの、最終形に持っていく作業をみんなでやってるって感じかな。
2007. 3. 4(Sun.) 「SHINE」ヴォーカル録り
このころは「SHINE」の詞を書いてたね。アニメのタイアップだったんで、監督との打ち合わせがあって。タイアップで相手の要望とかを聞きながら詞を書く作業って
案外好きなんですよ。もちろん向こうが全然違う方向を言ってくると、どう解釈すればいいんだろう?って思うかもしれないけど、今のところ、そういうことはなくて。
いかに相手の要望をうまく形にするかっていうところで燃えます。自信があるのかもしれないけど、向こうが言っていることよりもさらに上の段階で表現したいなと
思うわけ。向こうは詩人じゃないじゃない?だけど俺はもっと深いところまで理解して、表現したいなと思うのね。だから燃える。
2007. 3. 5(Mon.) NHK 『POP JAM』最終回収録「AS ONE」と「Link」
たぶん、ラルクが最初に出た音楽番組がか「POP JAM」だったと思う。たぶん「Blurry Eyes」を歌ったと思うんだけど、すっごい緊張して、客席のお客さんも何も全
然見えてなかったと思う(笑)。ガチガチに固まった記憶だけが残ってるね。
2007. 3. 8(Thu.) 「SEVENTH HEAVEN」プリプロ
このころから、ちょっと体調くずし気味。ここのところ、あんまり体調よくないんですよね。去年も毎月風邪ひいてたし。もう死ぬのかな?(笑)
2007. 3.14(Wed.) 「SEVENTH HEAVEN」レコーディング
昔、作詞は家でやってたんだけど、家で作業しててもあまりがんばりが伝わらないじゃない?「hyde来ねえな〜」「家で遊んでんだろ?」「本当にやってんの?」っ
て寝ないでやってても思われるから、俺はもう家で仕事はやんないと思って(笑)。で、レコーディングの合間にもずっと、時間があれば常に詞を書いたりしてるん
ですけど、なんかね、スタジオのほうがはかどるの。
(マネージャー・FA「とにかくすごいストイックでしたよ。朝6時に終わろうが、次は午後1時に入るとか」)あのね、歌を録るとき
にはやっぱり体が起きてから歌ったほうがいいって思ってるの。そうなると、絶対に一定の時間に起きないとだめ。起きる時間がズレて歌録りの直前に起きたりす
ると、またそこから体が起きるまでとかいって時間がズレて、結局夜中になっちゃうから。もう絶対に体内時計を1時にしようと思って、前日、何時に終わろうが絶
対に1時にスタジオに行くって決めて。でもね、気がついたら寝てた、とかありました(笑)。
2007. 3.15(Thu.) 朝、銀座にてイヤモニ型取り
イヤモニはね、テレビ番組でいつもモニターがよくわからないと思ってたのと、“15th L'Anniversary Live”でイヤモニしたら案外よかったっていうのもあったから、本
格的なやつを作っておこうと。完全に耳の形に合わせたやつを作りました。前に作ったのが10年ぐらい前なんですけど、コンパクトになってかっこよくなった。でも今
回のライヴではつけない。つけたほうが安定はするんですけど、そのぶん冷静にもなる。そのほうが歌はいいと思うんだけど、心のどっかで慣れたくないなって。
結局は耳栓してるのと同じだから。お客さんの声も聞こえなくなるしね。これに慣れたくないなって。それでたりない部分は努力で補おう、みたいな感じですね。
2007. 3.21(Wed.) P'UNK〜EN〜CIEL「HONEY 2007」デモ作り
P'UNK〜EN〜CIELのレコーディングしなきゃいけないよってときにkenちゃんが「どうしたらいいかわかんない」ってずっと悩んでたんだけど、この日に突然ひらめい
たようで、レコーディング終了後にガーッとデモテープを作ってた。「hyde歌って」って言うからヴォーカルブースに入ったんですけど、イントロが流れて歌に入るとき
に軽くブレイクがあるんですよね。それがもうおかしくて歌えなくなって(笑)。もう本当に笑っちゃって、笑いがおさまったら歌おうと思ったんですけど、おさまらなか
ったんですよ。ブレイクがすごく俺のどっかに突き刺さって、全然抜け出せなくて「ごめん、もう無理!」って言って、ラルク アン シエルのメンバーがじっと聴いて
るなかで、マネージャー・FAが代わりに歌いました(笑)。
2007. 4. 2(Mon.) P'UNK〜EN〜CIEL「HONEY 2007」ヴォーカル録りスタジオ前に病院に行く
ずっとせきが出てて調子が悪いから、ちょっとヴォーカルレコーディングは後回しにしようと思ってたら、どんどんレコーディングが順調に進んでいっちゃって(笑)。そ
れで病院に行ったんだけど、先生が結構適当なんだもんね(笑)。「ああ、疲れてるんじゃない?」みたいな感じで、わかってることしか言わないんだもん。風邪を
治す薬がないのは知ってるんですよ、当然。せきとか症状を抑える薬はあっても、風邪という病気を治す薬がないことは知ってるし、風邪がどういうものかもわかっ
てるわけ。だからそんなことは聞きに行ってないんですよ。「これ何?」って聞きに行ってるのに「うーん、疲れてるんだな」って、お前本当に医者かよ!と。だいた
い医者の言うことよりもインターネットのほうがよくわかる。この症状がこうだから、自分はこうなんじゃないかな?っていう答えを出しやすいですよね。でも、病院に
行くといろんな人がいて、人間ウォッチングがすごく楽しい(笑)。
2007. 4.10(Tue.) 『PATi▼PATi』&『CDでーた』撮影
もうこの日は眠くってさ。15年で初めてかもしれない、カメラでバシバシ撮られてるときにカクンってなったの(笑)。しかも2回くらい(笑)。すっごい眠かったね。どう
しようもないくらい。場所はキレイな教会ですごいよかったです。
2007. 4.13(Fri.) ツアーパンフ、アーティスト写真撮影
(編集担当・ササノ「まつげが長いのはおしゃれなのに、なんで鼻毛が出ててもおしゃれじゃないのかってことについて議論しました」)そういえば昔ね、ちょっと気になる子とデートした
のよ。俺が好きな海までドライヴして、すごいステキな場所だったし、かわいいんだけどずっと鼻毛が出てたの、1本だけ(笑)。それで嫌いになるとかじゃないんだ
けど、まだそのころは女の子に夢を抱いていた年齢だから、な〜んか嫌だなって(笑)。やっぱり、こう何十年経っても覚えてるわけだから、そのぐらいのインパクト
があったんだよ。忘れないもん。
2007. 5.15(Tue.) ツアーリハーサルスタート(新曲5曲)
2007. 5.16(Wed.) リハーサル2日目(新曲6曲)
レコーディングしたばかりの新曲だから、忘れてなくて楽だったな。とにかくスムーズで、特にヘタクソとかいう感じもなくて。今回は結構ライヴにこだわってますよ。
ステージの床がどうなってるかとか、素材から見せていくからね。ステージセットの形から細かい部分まで、詰めてやってます。今までは、ステージのデザインと
かには首突っ込んだりしてたけど、実際にステージに上がってみると「こうだったんだ」って本番までわからないっていうことが案外あった。それがいやだったから
今回は引き締めて、ゼロからスケッチしていってます。
2007. 5.30(Wed.) TOKYO FM ONE DAY
このころ、『LOST』を見てるんですよ。DVDをもらったんだけど、レコーディングで観れなかったんで、終わってから少しずつ観てるんだけど、おもしろいですよ。“無
人島”っていうキーワードに弱いんだよなあ(笑)。生きていくうえでのアイテムを追加していくっていう、人の思考を使って、環境を作っていくあたりにひかれるんだ
と思う。食料がない、じゃあどうするか。こうこうこうして捕りましたっていう、その行程が好きなんです。火を起こすにはどうしたらいいかとか。その一つひとつにとき
めくね。そんななかで、今まででいちばんパーフェクトな無人島は何かな?と思ったら『南の島のフローネ』。ゴムの木とか出てきたよ。ああいうのにすごくときめく
。でも『LOST』は無人島っていうよりは、もうちょっとサスペンスだなあ。でもおもしろいですよ。
(編集担当・きくち「無人島に3つ物を持っていくとしたら何を持って行きますか?)
ナイフはないとダメだと思いますね。あと火を起こすのにどうするか、だよな。それを自力でやろうと思ったら何日もかかると思うから、火を起こすための何かが必要
だな。ライターですね。あとは話し相手。それがないとかなり孤独で、人格がおかしくなると思うんですよ。どんな相手でも、例えば犬でもいいから話ができる相手
がないと、たぶん崩壊するかな。ひとりではまず生きていけないですよ。これかなりまともに答えてるよね。本気で行くぐらいな(笑)。
今号のシメのひと言

こんな日々をすごしながらツアーに突入しました。
その日その日が最高になるように精進したいと思
います。楽しみに観に来てください!