粉引茶碗

径 15.0cm 高さ 9.3cm

「粉引」も朝鮮半島から伝来し、 茶方に見出されて粉引という日本の焼物になった。
彼の地では粉青沙器という。
粉引という呼び名は今日随分ポピュラーになり、 茶道を離れて一般に通用する。
粉引の茶碗といえば、茶方では、火間(ヒマ)が約束である。 伝世の名物には必ずといっていいほど火間がある。
茶碗の高台を指でつまんでひしゃくで釉薬をかけると、 しばしば釉薬をかけはずした部分ができる。 その無釉部分が、経年の使用によって茶渋がしみて黒くなる。 白い茶碗に三角を切り抜いたような黒いアクセント、 これを火間と称して、茶方は愛でた。
偶然の産物なのか作為なのか、判然としないけれど、 名碗には、作為など微塵も感じさせず、ごく自然に火間がある。
けっこう気に入ってはいるが、拙作ではいかがか? この茶碗は作者が少し使っている。


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