特別支援教育に向けて


   親の願いにこたえ、
   子どもの問題を改善していくために、
   日々の指導をより確実なものにしなければならない。

   指導を確実なものにするためには、まずはじめに計画を立てることです。

  ことばの教室では、このようにしています。
   ・子どもの実態をつかむ
      教育相談時に親御さんから聞き取った学校や家庭の子どもの様子
      検査中に見られた子どもの様子から
      子どもの実態をつかみます。

               教育相談で

                  聞き取り
                    ・主  訴
                    ・生育歴   始歩、始語、1歳半・3歳半検診で
                    ・病  歴  中耳炎や耳鼻科関係の病気
                    ・生 活   学校や園での生活は

                  検査
                    ・構音器官の検査
                    ・PVT(絵画語彙発達検査)
                    ・単音構音検査
                    ・単語構音検査
                    ・文章構音検査
                    ・音読
                    ・数の理解

     
   ・問題は何なのかを見極める
      検査をすることにより
      子どもの様子に見られた問題はどこからくるものなのか考えます。

                   評価        
                   
                    ・発音の誤りは?一貫性はあるのか?被刺激性はあるのか?
                    ・発音の誤りは、学習の誤りによるものか?器質的な原因によるものか?
                    ・生活年齢と語彙年齢の差は?
                    ・ひらがな文字を読めるか?
                    ・数唱はできるか?数詞と数称は一致しているか?
                    ・記憶力は?
                    ・視覚認知と聴覚認知のバランスは?
                    ・質問に応答できるか?
                    ・指示に対応できるか?
                    ・注意を集中できるか?
                    ・自己の行動を修正できるか?
                    

             発音の誤り                      発達の問題 
             ↓    ↓                      ↓    ↓
     機能的な問題     器質的な問題       知的発達の問題   情緒面の問題
          
  ことばの教室で対応  医療機関の紹介する    相談の時期にもよるが、
                医療機関からの依頼   ひらがな文字や数の概念といった学習の道具を持っている場合、
                があれば、対応      聴覚認知の弱さを視覚認知で補える場合
                                は対応
     
   ・指導の目標をきめる
      親の願いにそいながら、子どもの発達を考慮し、指導目標をきめます。
     
   ・指導の仮説を立てる
      指導の仮説を立て、具体的な手立てを考えます。
   
  今まで計画としてはまとめてはきませんでした。
  教育相談の記録の中に、これらのことを記録してきました。
  また、その子に指導をしながら、
  学習内容と支援の方法、子どもの様子、指導後の親御さんの話し、担当者が気づいたこと
  などを記録してきました。
  
  平成15年3月の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」を受けて、
  特別支援教育のガイドライン(試案)が平成16年1月30日に公表されました。
 
  子どもを今まで以上に理解し、支援することが求められています。
 
  ガイドラインにも参考資料として、指導計画の形式が載っています。
 
  こんな形式はいかがでしょうか?   
  
       計画 例1  WISC−Vの検査結果から
       計画 例2  指導計画−発音の誤り−
       計画 例3  指導計画−言語発達の問題−