β‐FeSi2のイオンビーム合成(IBS) |
(IBS:Ion-Beam
Synthesis) |
イオンビーム合成による高品質多結晶β-FeSi2の作製と微視構造と伝導特性
■ポイント イオンビーム合成(IBS)とは,質量分離した56Fe+イオンを100‐200keVで 加速してシリコン基板にイオン注入し,加熱処理によってシリサイド 半導体を作製する方法です.同位体レベルの高純度な作製が可能で あること,イオンの加速エネルギーによって作製する深さを変えられる などの特長があります.しかし,注入による結晶の損傷や多量のイオンを発生 させるためのイオン源の選択の問題などがあります.われわれは, こうした問題を克服した結果,大粒径のβ‐FeSi2多結晶の成長に成功し, 世界最高速の正孔移動度を観察しました. これは,赤外光起電力型センサーや発光素子への応用が期待されています. (イオン源の開発には,三宅先生:埼玉大学大学院,関根氏:イオン工学 センター,HREM観察には杉山氏:新日鐵の協力を得ました.) |