下北山村の合併問題と関連リンク

合併問題と関連リンク

下北山村の町村合併

お断り!このページは,下北山村議会議員としての個人ページで、ツチノコ共和国とは無関係です。 単独村を選択した下北山村の町村合併を振り返ります。

2月19日、大淀町で法定協議会が開催され、下北山村と大淀町の離脱に対する申し入れが承認されました。ただ1町1村の離脱を受け、法定協議会を廃止するか残りの町村で存続するかで4村は即日廃止、2町は持ち帰って議会での協議を主張され、再度3月2日に法定協議会を開催して結論を出すことになりました。離脱が承認された下北山村や大淀町もこの結論が出るまでは法定協議会の委員として出席の必要があります。

1/27の下北山村臨時議会で、住民投票の結果を受け村長から提案された、「吉野郡8町村合併協議会から離脱することへの同意」を議員全員の賛成で決しました。なを、1/22住民投票を前に更新したホームページに対し、愛するかい東吉野やすきやね〜ん下北山などの掲示板に励ましや激励の書き込みをいただきありがとうございました。この場からお礼申しあげます。

村民の大多数の皆様が選択した単独村の一助になりますよう、ご協力いただいている方々と共に地域づくりに励んで参ります。ご支援いただければ幸いです。

1/25住民投票結果

下北山村 投票率84.14%

当日有権者数
1154
投票者数
971
投票内容 得票数 得票率
合併しない単独村
710
73.96%
3町4村との合併
250
26.04%
無効
11
有効得票率
98.87%

大淀町 投票率66.68%

当日有権者数
16361
投票者数
10909
投票内容 得票数 得票率
合併に反対
6708
63.13%
合併に賛成
4087
37.86%
無効
114
有効得票率
98.95%

ふるさと・下北山を守りましょう!1月25日(日)は住民投票の日です。合併しない単独村の選択に○印を!

なぜ8町村なのか?理念のない合併!

市町村の合併の目的は「国民がゆとりと豊かさを実感できる社会を実現すること」(地方分権推進法)です。八町村の合併でどんな「ゆとり」が生まれるのですか?八町村の合併でどんな「豊かさ」が創れるのですか?交付税が減らされるから、合併なのですか?政府の方針だから、合併するのですか?今日の苦しさから逃れるために、明日への夢を捨てていいのですか?

合併市の面積、奈良県の1/4の広さ

八町村の合併でできる新市の面積は958?。それは、奈良県の1/4の広さです。下北山から新市の庁舎が置かれる大淀町まで、約70数キロ、奈良交通バスを乗り継いで2時間半、マイカーでも1時間40分。積雪や凍結、落石や土砂崩れ、雨量による通行規制など、下北山は他の町村よりより厳しい環境にあります。

その広大な新市が、効率化を進めれば下北山のような山間地へのまともな行政=住民サービスが可能なのでしょうか。 合併推進派:「コンピューターで効率的行政をします」

コンピューターが老人介護をするのですか!

合併推進派:「光ファイバー網で住民には不便をかけません」

光ファイバーで落石現場に職員を送れるのですか!

合併推進派:「住民の要求にこたえる専門職員を配置します」

それは本庁舎へでしょう。法務局・JA・NTTなどの例が示すように支所は効率化の矛先になり、ほんの数人の職員、その後は支所の統廃合ではありませんか。

広大な面積に、少ない職員。これが「豊かさ」ですか?

合併で周辺の山村部が崩壊します!

日本の宝である緑と水を守ってきました。日本の発展のために、都会に息子や娘を送り出してきました。狭くやせた土地を耕し、祖先の墓を、村の氏神様を大切にしてきました。

それが間違っていたのですか?村から人が減っていったのは私たちの責任ですか?お金がかかるから、もう山村に人が住んではいけないと言うのですか?

合併したら新市の中心は大淀町です。役場がなくなり、学校がなくなり、銀行や商店や地元企業が移転し、村は一気にさびれていきます。新市の最北西部の大淀だけに人が集まってしまいます。

なぜ自立にこだわるのか 過疎の山村の現実

戦後の経済成長は、東京一極集中に代表される極端な過疎、過密を作り出しました。山村は人口減少が続き、経済効率の悪い地域となったのです。今回の市町村合併の推進理由に「生活圏の拡大」があげられていますが、過疎の山村で自動車を使えない弱者の生活圏は逆に狭くなっており、診療所で患者送迎をしているのも、そうしなければ住民の暮らしが守られないからです。

自己責任を求めても、なおかつ行政が支援しなければ暮らしが守られない住民がいる。携帯電話が使えない地域でありながら公衆電話も消えた。過疎の山村にとっては、村があることそのものがセーフティネットなのです。

周辺部が寂れるということ

昭和の合併から50年経過し、周辺部では人口減少を中心に地盤沈下の激しいことが報告されています。今回の合併では、この対策として「地域審議会」などが提案されていますが、市町村合併が、究極の行政改革とするならば、地域自治組織は効率とは二律背反であります。下北山村のようにどのような組合わせをしても中心になれない地域では、役場は支所になり、将来学校も消えていく運命にあります。心の拠り所といえる役場や学校が消えていけば、その地域がどういう姿になるか、将来の姿が思い描けるだけに、たとえ苦しくても、一日でも、一時間でも独立村として存続させることが村人の幸せにつながると考えます。

交付税の減額は税源委譲で補てんできる!

合併を推進する人々はヒステリックに叫びます。「交付税が減らされるから合併しかない」と。

なんと皮相な考え方なのでしょう。なんと浅薄な思考なのでしょう。「すべて国民は文化的で健康な最低限度の生活を営む権利を有する」ことを保障する憲法がある以上、行政効率と地方税収入の格差を是正する地方交付税制度は廃止されることはありません。

国全体の支出を削減しなければならない以上、交付税も減額しなければならないでしょう。地方の行政の無駄を削り、住民の負担も増えるでしょう。しかし、同時に「税源の委譲」によって地方財政は確保されます。すでに所得税の一部の委譲が決まり、住民税の全国一律化も実現します。

どう自立していくか

  1. できうる限り村民の皆様の負担を増やすことなく、歳出削減で乗り切る。
  2. 歳出削減ではまず身内から。
  3. その上でいままでの住民向け行政サービスを見直していく。

自律への道

財政的な見通しを立てても自立していけるとは考えにくい所もあります。なぜなら、行政依存に慣らされてきた住民にとって、住民サービスが低下するくらいなら合併した方がいい、という意見があるからです。その意識を克服しなければ、自律への道は険しいでしょう。住民自らできることは、自らやる。つまり自分の住む地域のために自分の力で生きるという「覚悟」が求められます。

財政についても、収入は減っても、あるだけの収入でやるという覚悟がもとめられるのと同じです。

国がいうとおり人口10万人の都市では、一般会計の歳出額は一人当り40万円、わが村は135万円、この3倍の開きは、やはり国民理解を得るには難しいかもしれません。せめて2倍ぐらいまで縮める努力も必要であると思います。その中で、何を削り、何を守るのか。大局的に言えば、行政の役割は「住民の暮らしを守る」ことになるのではないでしょうか。この村で暮らしてきた私たちにとって、どう考えても3町4村と合併することによって、住民が幸せになれるとは思えません。

そんなにまでして自立する必要があるのか、という声も聞こえてきます。決め手は村長・議会はもちろん住民の覚悟による単独村の選択です。

【お断り】

このページの作成に当たり、泰阜村はなぜ自立にこだわるのか(松島貞治 長野県泰阜村村長)とナビゲーター7(大淀の明日を考える会発行)の文面を一部引用させていただいております。

下北山村の地理的状況

下北山村は図で見るように、奈良県の東南端に位置し、三重県の熊野市・飛び地の村である和歌山県の北山村に隣接した県境の村である。よって、経済圏は三重県熊野市、日常の交流圏も県内では上北山村、そして三重県の熊野市・和歌山県の北山村であり、現在合併協議が進められている、大淀町・下市町・黒滝村・天川村・吉野町・東吉野村・上北山村の7町村の殆どは、ほとんどの村民にとって通りすがりの町や村でしかない。それゆえ、合併したとしても住民は同一自治体の住民として一体感を持つのは困難と言わざるを得ない。また958.31平方キロもある、広大な、そして点在する地域に対して一律の行政サービスを維持していくことは非常に困難であろう。

合併当初はともかくとして、将来にわたって経済的な効率を追求する自治体であれば、農協の合併数年後のように、そして国が地方の自治体を切り捨てようとしているように、我々のような条件が悪い地域は、効率化の美名によりいつか切り捨てられていくことが懸念される。私たちは昭和の大合併で周辺部の山間地に人がいなくなり、どんどん荒れ果てていっている姿を近隣の村にあることを知っている。

これに対して、新しい制度では地域審議会が機能し、そのような懸念はないと説明されるが、経済的な効率を追求する中で、少数人口の地域を果たして守ってくれるのであろうか。国鉄やNTTの民営化、最近ではJAの県内単一農協後の姿を反面教師ととらえたい。