新型フィット・ハイブリッドは何ccになるでしょう
この秋((2019年秋)にもフルモデルチェンジされると噂されているホンダ・フィット。僕も興味津々です。特に従来のi-DCDからシステムが変更されてi-MMDになるのだとか……。
現在(2019年初頭)、自動車雑誌では、1500ccになるのではないかと予想されています。しかし、これはオーバースペックかと思います。1500ccのi-MMDとは新型インサイト(3代目)に搭載されたシステムです。まだ、実車は見ていないのですが新型インサイトは 2500ccクラスのクルマのようです。
そのエンジンをコンパクト ハッチバック車のフィットに搭載するというのは完全にオーバースペックです。現行のフィット・ハイブリッドが1500ccなので単純に新型も1500ccだと予想されているようですが、さぁ、どうでしょうね?
1000ccで十分じゃないですか
日本では いまだに排気量神話というか、排気量
(=cc)によるクラス分けから抜け出せない様です。しかし、ハイブリッド、ダウンサイジング ターボが普及しつつある現在、排気量によるクラス分けは時代遅れです。
以前のターボの考え方は元になるエンジンがあって、それを元に「ターボを付ける事でパワーアップを図る」と 言う考え方です。その方向で考えるから、元の自然吸気エンジンに対してプラス アルファくらいに考えてしまうのです。
しかし、ダウンサイジング ターボ車というのは 初めっから「ターボを付けて 排気量から想定される以上の出力を得る」という考えで設計されています。
と 言うか逆に「小さなエンジンからずっと上のクラスに匹敵する出力を引き出す。」と 言う想定で設計されています。
現にフォルクス ワーゲン・ゴルフは以前、2000ccクラスのエンジンを積んでいたクルマですが、現在は 1200cc、1400ccのダウンサイジング ターボです。それで十分以上のパワーがあるようです。
思えばターボ時代のF-1は1500ccから1000馬力を絞り出していました。排気量がエンジンのパワーを決める決定的要素ではではなくなっているのです。
もっとも、1500ccから1000馬力を絞り出すようなエンジンは一般車に使えるような代物ではありませんけどね。
(アイドリングが3000回転、8000回転以上回さないロクに発進することも出来ないエンジンなんてね〜)
ハイブリッド車の特性は全く違います
僕は現在、2代目フィット・ハイブリッドに、つまり1300ccのハイブリッド車に 乗っているのですが、何ら力不足を感じることはありません。
このクルマは わずか10kW
(14馬力)のモーター アシストがあるだけなんですけど、数値から想像する以上に“力”があります。
いえ、「むちゃくちゃ スタート ダッシュが速い」とか「最高速〇〇km」とか そう言う“力”じゃないんです。余計な力は無いけど、「必要な力は ちゃんと有る」と言うか…… 普通に走っている分にはそれで十分でショ :-)
モーターで走る
(アシストを含む)クルマの性能は「馬力」や「kW」ではうまく性能を表せないんです。「馬力の数字」を大きくしたければ高回転での回転軸の力を強くすればいいのです。低回転での力が弱くてもそれは数値に現れないんです。
でも、“モーター”は回り始めた時が一番力強くて高回転になる程 回転させる力は弱くなります。当然、「馬力の数値」は低くなってしまいます。
しかし、低回転での力強さ
(トルク)はエンジンの比ではありません。エンジンでは回転を維持することすらできない回転数
(アイドリング回転以下 =だいたい1000回転以下)でも力強く走らせる事ができます。実はこの特性が“乗りやすさ”に効くんです。
軽自動車やコンパクトカーの排気量の小さいエンジンでは……
いかんせん低回転でのトルク
(回転軸を回す力)が足りないんです。
「馬力」は足りていても 普通に走っている時の「トルク」が足りないんです。だから、エンジンを噴かして回転で馬力を稼いで走らせる必要があるのです。
低回転、つまり普通に流して走ってる時の回転数でのトルクが十分にあれば、大きな馬力は必要ないんです。
そこで、エンジン、特に小排気量のエンジンが不得意な「低回転」をモーターでアシスト
(ホンダ・IMA、もう搭載されている現行車種はありませんが……)したり 肩代わりさせる
(トヨタ・THSはじめストロング ハイブリッドと呼ばれているシステム)というのは理にかなったシステムなんです。
ついでに 言っておくとハイブリッド車は道路のアップダウンや信号でのストップ アンド ゴーが多い日本に向いたシステムなんだと思います。ハイブリッド車や電気自動車は加速や登り坂で一度 使ってしまったエネルギーを減速時に電気エネルギーに換えて回収して
(一部)貯めておくことが出来ますからね。
ハイブリッド車の1000ccは通常エンジンの1000ccとは全く違うんです。今までのフィット・ハイブリッドがそこそこ排気量があるのは電気を使い切って止まってしまった時にも発進性能を保証しないといけないからじゃないですかね。
1モーターのハイブリッド車が電気が使える事を前提に小さなエンジンにしてしまうとバッテリーが空で止まった時 発進できなくなりますからね。
(でも次期フィット・ハイブリッドが1500ccで出てきたらどうしよう。大恥ですね。出力が余ってもバッテリーに貯めて、電気で走る距離を伸ばせば良いのだし…… まァ、いいっか!? このサイト、大して大勢の人に読んでもらってる訳でもないし……)
いっそ660ccターボだ!!
660ccターボもアリだと思います。「えっ、『1300ccクラスのクルマに軽のエンジン? そりゃァ、パワー不足だろう。』って?」
いえいえ、僕の話を真剣に聞いてもらえれば「ない話じゃないな。」と納得してもらえると思います。
まず、ホンダのi-MMD、日産のe-Powerは
必要な電力をその都度 発電して走る電気自動車です。実際の駆動力を発生させているのはモーターです。エンジンの「馬力」「トルク」は関係ありません。
(……ところで、)
ポイントになるのは“必要な電力を供給できるか? ”、つまり それだけの電力を発生させるための発電機
(モーター)回すことが出来るかどうかです。
たとえエンジンがそれだけの電力を発生できなくても、つまり発電機
(モーター)を回せなくても、バッテリーに蓄えた電力で補ってやればいいのです。
それには「どれ位大きなバッテリーを搭載できるか? 」ですね。容量の大きなバッテリーは重いですからね。それは燃費を悪化させます。
ホンダにはターボ付きの軽自動車が現に有るんだから ゼロから開発する必要もないですし……。突飛押しもない話じゃないと思うのですけどね〜 電力さえ供給できるならNA
(自然吸気)エンジンでもいい。
ターボラグは嫌だ!!
?……いえいえ、先にもお話しした通り、駆動力を発生させているのはモーターです。ターボラクが嫌われるのは「即時性」と「トルク変動」だと思います。
アクセルを踏み込んでも すぐに回転が上がらないだとか
(即時性)、後から意図しないのに加速してしまう
(トルク変動)と運転しづらいからターボが嫌われるのでしょう。
あッ、僕、まだターボ車には乗ったことがないのであくまで想像ですが……。
しかし、駆動力を発生させているのがモーターなのだから「即時性」も「トルク変動」もモーターへの電流の制御しだいです。
新型インサイトのi-MMDは感性に合わせた制御がされている様です
話は変わりますが、最初にi-MMDが搭載されたクルマ、“アコード・ハイブリッド”の発売当初、評論家氏からの評価はあまり芳しいものではありませんでした。「アクセルを踏み込んだ時のエンジンの反応が遅れる。」と 言うのが趣旨だったと思います。
しかし、
自動車専門誌の一般の読者さんからは「力強くて乗りやすい」との投書がありました。
(当時の“ベストカー誌(講談社ビーシー)”だったと思う)
それは、ドライバーが何を元にフィードバックしているかの違いだと思います。これは僕の想像ですが、当時のi-MMDはアクセルを踏み込むとまずモーターに電力を供給する。そして電力が必要になってからエンジンの回転を上げる。そういう設計がされていたのだと思います。
………ホンダの技術者さん「技術に対して生真面目」だから…… 必要もないのに回転上げたりしない。燃費のカタログ値でも不利だし……
一般の方は純粋に駆動力の力強さが感じられれば他は気にされない。しかし、評論家氏は耳でエンジンの回転の状態をフィードバックしようとされるから その遅れが感覚に合わなくて気になる。
「だったら、アクセル操作に素直にエンジン回転を上げる制御をするか、エンジン音をドライバーに完全に聞かせないようにすればいいんじゃないか? 」と 勝手に思っていたのですけど、新型インサイトの記事を読むと そう言った方向で開発されている様です。
……ホラネ。 カタログ上の数値より運転した時の感覚を大事にされたんだと思います。
S660の開発の話を読むとホンダさんの開発自体がそういう方向になったようですね。
話が逸れてしまいましたね。話題を次期フィット・ハイブリッドに戻して……
軽自動車のエンジンを転用する利点は……
“新規開発をする必要がない事”。もちろん、ミッション以降は変更する必要ありますがエンジン本体は使えるんじゃないですか? そのまま使えなくても基本設計はそのままでハイブリッド用に周辺部分を設計変更すればいい。当然、共用できる部品も沢山あるはず。
“エンジンが小さくて軽い”。もともと 軽自動車に搭載されることを前提に設計されているのだからコンパクトだし 何より軽い!! エンジンの排気量が大きくなれば各部がそれに耐えられるように頑丈に作らなければならなくなって重くなります。“軽さ”は燃費を稼ぐ最大の武器です。
そのまま転用する事が出来ないのなら、軽自動車に搭載する方のエンジンを設計変更すればいい……
軽自動車に逆転用だ!!
そして、僕が考えた最大の利点は「逆に軽自動車のハイブリッドに転用できてしまう」事だと思います。量産効果を利用してストロング ハイブリッドの軽自動車を安く販売できるのじゃないかと思うのです。
軽自動車の問題点は さすがにエンジンが小さ過ぎて低回転でのトルクが不足している事。現代の交通の流れに乗るためにはやっぱり660ccでは能力不足なんだと思います。
僕がフィット・ハイブリッドに乗っていて思うのは「低回転でのモーター アシストは本当にありがたい」と言う事です。街中で乗っている分には噴かす必要なんて全くないんです。その気になれば1500回転までで走らせる事もできます。
発進の時、いきなり踏み込む様な事をせず、モーター アシストが始まるのを少しだけ待ってやれば回転を上げる必要なんてありません。それでいて
踏めば周りをリードする様な事もできます。
逆に ごくたまに、電気が無い状態で停止してしまう事があるんですけど、モーターアシストが得られないので「アレッ、なんで加速しないんだ!?」となります。
燃費のカタログ値を良くするとか、購購入費用は高くなってもガソリン代が抑えらるから返って徳になる、とか言うのには疑問が残ると思いますが、軽のストロング ハイブリッドは実用性は高いと思います。何より運転がラクなると思います。案外 実用燃費は良いかもしれませんョ。「i-MMDのN-BOX」、結構アリだと思います。
おまけ
先日、フィット・ハイブリッドの車検の折に代車をお願いしたんですけど それがなんと「現行フィット
(3代目)のハイブリッド」だったんです。
いやー良かったですね!! マイナーチェンジ前のモデルだったんですけど、現行フィットのハイブリッド システムは僕のフィットとも次期フィットに搭載されるi-MMDシステムとも違うi-DCDシステムです。
このシステムはマニュアル ミッションから発展したギア式のミッション
(DCT)にモーターを組み合わせたシステムなのでマニュアル好きの僕としては感覚的に合っているというか…… 良いですね~ 滑り要素がなくてエンジン回転と車速が同期してイメージしやすい。
自分のクルマにしてじっくり乗ってみたいですね~ それもマイナーチェンジ後のモデル。マイナーチェンジでモーター制御が改良されて乗りやすくなったとか……
(でも お金ないし…… :-< )
ところで、次期フィットのハイブリッド システムがi-MMDになると言う事は 現在 i-DCDを搭載している車も順次、i-MMDに切り替えられていく と言う事ですよね。
もったいないな~ 「CR-Z」をi-DCDで復活させていただけないでしょうかね~ 「おいおい!! わずかしか売れないクルマのために専用のシステムを作り続けるなんて 出来る訳ないダロ~。」って? ごもっともです。それは承知してます。承知していますけど、どうか一言、書かせてください。
2019/03/05
2019/12/12
一部訂正