ヒラメキは大脳で起こっているんだ。海馬じゃない。


 ヒラメ筋は脹脛にあるんだ、海岸じゃない……

______________________  え~、ショーモないダジャレは放っておいて。


閃いたことはよく忘れますね

 僕も「あー、折角 面白いダジャレは思いついていたのに アレなんだったかな~」という事がしょっちゅうあります。  (……えっダジャレのコトはもういいって?……)
 他にも技術者の方が「夜中に思いついた良いアイデアを次の日には思い出せないから」と枕元にメモを置いて寝床に着くと聞いた事があります。
 僕は思うんですけどアレはきっとヒラメキは大脳で起きているからじゃないでしょうか?


大脳は長期記憶、海馬は短期の記憶と……

解説される事がありますが、それでは説明不足なんだと思います。
 確かにその様なんですけど、それじゃあどうして長期記憶と短期記憶を分けなきゃいけないのか?
 それは多分、“大脳は一発では憶えられないから”なんじゃないでしょうか? もうだいぶ前に放送されたNHKの「シリーズ『人体II 心と脳』」で交通事故で海馬に損傷を受けて『今日あった事も思い出せない』男性の話がありました。
 その方は、昼に会った人のことや仕事上の大事な事も憶えていられないので日常生活にも支障をきたされていたそうです。
 それで、その時あった事を全てメモして日常生活を送れる様に努力されていました。 だから新たな仕事を憶えて職に就くという事が出来なかったそうです。でも、椅子の製造工場で同じ作業を繰り返して行う事で仕事を憶えられたのだそうです。

 何を言いたいかというと「大脳に記憶するためには“繰り返し”を行わなきゃいけないのじゃないか?」
 つまり海馬とは、パソコンのキャッシュメモリーの様な物…… パソコンの仕組みをご存知ではない方には返ってややこしくしてしまいますね。 (でも、コレが僕の発想の元なんです。)
 パソコンのキャッシュメモリーとは作業に普通使うメモリーは低速なので一時的に使う高速メモリーの事です。 「それなら、メモリー全部を高速メモリーで作れば良いじゃん」とか言われそうですが、高速メモリーは容量当たりの単価が高いんです。
 海馬は容量も少なく、“丸々記憶”では効率が悪くて憶えきれなくなってしまうからなんじゃないですかね?
 (あ~でも、アスペルガー症候群とか……、どうなっているんでしょうね……)


「夢」とは大脳に記憶を刷り込むための反芻作業?

 『大脳は一発で記憶出来ない』、『大脳に記憶するには繰り返しを行う必要がある』の解決策として、『海馬にある記憶を仮想的に繰り返し思い出す事でそれを大脳に刷り込む作業』。 丁度、牛や羊なんかが一度胃に飲み込んだ食べ物を口に戻して咀嚼し直してより効率よく栄養素を吸収する様に……
 それが“夢”の正体なんじゃないでしょうか。証拠も何も無いので僕の妄想にしか過ぎませんが……

 そう言えばアシモフのSF短編に“夢”に関する面白い考察があって『夢で観た消防車のサイレンと目覚まし時計のベルとの関連』なんですけど…… あっ、冒頭の部分だけなんですけどね……  結構「へぇ~」という感じの話なんです。    え~と、タイトルを書いておくので是非読んで下さい。(短編集「変化の風」収録 『信念』)


ヒラメキは大脳で発生しているだけだから……

憶えていられないのじゃないかと思うのです。つまり、繰り返しを経ていないから大脳は覚え続けられない。海馬が関わっていないから、繰り返し思い出して大脳に刷り込むこともできない。そんな感じなんじゃないでしょうか。


大脳の記憶と動画のデータ

 「大脳ってメチャクチャ大容量」って思われた事無いですか? 僕は時々あるんです。 子供の頃のコトとか『何デこんな事思い出せるノ?』って事がけっこうあるんです。 (それもイヤだった事ほどよく思い出すので、ほんと消えてしまいたくなります。)
 コレって大脳の記憶の仕組みが機械的な記録とは根本的に違う物だからじゃないでしょうか?
 例えば、“文字データで新聞何ページ分”とかだと、本当にそれだけの容量が必要になります。 動画データではもう少し違っていて『一つ前のコマと重複する部分は記録しなくて良いようにする。』と言えば良いでしょうかね。
 でも、大脳の記憶は『記憶をよく揉んで解きほぐして他の記憶と重ねて合わせて記憶する』そんな感じなんじゃないでしょうか?
 つまり『幼なじみのXX君と遊んだ記憶』は『XX君と一緒に勉強した記憶』と『XX君の記憶』を共用させていると言う事です。実際にはもっと記憶の要素は細かく揉み解されて分解されているんだと思うんですけど……


大脳の解説で……

「脳はシナプスによる信号の連続で働いている』と説明されていますが、それじゃ説明不足なんだと思うのです。 『シナプスのギャップを科学物質で伝えている』と言う単一のシナプスの説明だけでは不十分で、それがネット状に枝分かれしたり、集まったりして、そしてそれが何重にも重なって出来ている。と説明しないといけないんじゃないかと思うのです。
 NHKの科学番組「ヒューマニエンス(だったと思う)」で「脳の前方で発生した信号が時には、直後に後頭部にまで伝わっている」と解説されていました。 そういった全体像を通して見ないと説明にはなっていないのだと思います。

 え~と、この話の元ネタは随分前に読んだ、コンピュータに紙に書いた手書きの漢字を認識させる実験です。漢字の画像データをマス目のドットに割り当てて、そのそれぞれに色の有る無しを検出させる回路を結びつける。 それをネット状に……一つのポイントからいくつもにも分岐したり、一つのポイントが幾つものポイントから信号を受け取っていたり、そうやって何重にも重ねて 最終段で得られた信号をまとめて「漢字の文字コード」とする。 正解の文字コードを発生させる為に通過した回路には“ご褒美”として得点を上げて、以降この回路を通った信号は強度を上げて文字コードを発生させるための影響度を上げる。 検出回路には一定の割合でランダムに得点を増減させて、ネットワークを育てるため(試行錯誤をするため)の材料とする。
 それを何千回、何万回も繰り返して回路ネットワークを育てる という方法です。
 そんな風に、心に強い印象を残した脳神経回路は強くする。印象を残さなかった記憶は弱くする。それを何重にも重ね合わせて、ヒトの記憶は出来ているんじゃないでしょうかね。


重ね合わせ記憶がヒラメキを生み出す?

 先に「幼馴染の〇〇君の記憶は重ね合わせて記憶されているんじゃないか」と書きましたが、それは、良く似ているだけの事も重ね合わせて記憶する事も行なっているんじゃないでしょうか? それも人が意識しているより遥かに細かく揉み解されているんじゃないかと思うのです。
 そして、それは『全く関連は無いけど たまたま似ている事』までも思い出させて新たなヒラメキを生み出すんじゃないでしょうか?
 良く似た言葉でダジャレを思いつく様に…… (  ……まだ言ってるよ……)


頭を緩くする事も大事です

 ヒラメキって頭が緩んが時に起きますよね。僕も苦しい時ほど“理性のタガ”が緩んで“良いダジャレが閃いて、思わず顔がほころんでヒンシュクを買うんですけど…………

 脳って、何もしていない時ほど活発に活動しているそうですね。脳神経の活動を測定すると集中して何かをしている時より、“ボーっとしている時”の方が脳神経は活発に活動しているのだそうです。(NHK「ヒューマニエンス」より)
 脳は本人の意識していない所で活発に活動して、記憶の揉み解しをやっているんじゃないでしょうかね……
 技術者の方が眠りにつく前に良いアイデアを思いつかれるのも、ご本人の意識の外で脳が活発に働いて一見関連のなさそうな事まで結び付けてヒラメキになるんじゃないでしょうか…… あくまで僕の妄想ですけど……
 そう言えば、iPS細胞の山中博士も「お風呂に入っていた時にアイデアを思いついた」と言われていましたね。

 あ~でも、最初っから頭を緩くしていてもダメだと思いますけどね…… 思いっきり頭を使って、沢山の事を試しても行き詰まっていて、その時に頭を緩めてあげれば閃くんじゃないでしょうか。緊張とその緩和の効用ですね(さぁ、あなたもコレを見て頭を緩くしましょう。)



2022/10/01



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