ナゼ関西人は下手な関西弁に過剰に反応するのか
トーク番組で明石家さんまさんが話し相手が関西弁を真似されるとよく「アンタは関西人をバカにしているのか。」と対応されます。アレです。アレについて考えてみました。
関西の人間はイントーネーションに敏感なんだと思う
僕も関西人の端くれ、「バカにしてンのか。」とは思いませんが テレビなどで下手な関西弁を聞くと“ムッ”とする事があります。その原因はと言うと、本来使われるべきではないイントネーションが使われる“不安定さ”なんだと思います。
時にテレビ ドラマなどで「この人、ナンでこんなキツい 言い方すんネんやろ」とか思う事があります。つまり「関西弁としては間違ってないんだけど、そのイントネーションで喋ると このシチュエーションにはそぐわない。」と言うことが多々あるのです。
文字で書いてしまうと同じだけどイントネーションで使い分けている
という事が結構あるのです。例えば「こわいんか (怖いのですか)」と言う時、イントネーション次第で相手を気遣っていたり、喧嘩を売ってしまっていたりと色々なんです。
(そういうラジオのCMがあったんです。聴いていて「この人、ナニ自分の子供に喧嘩売ってんネやろ。」と思ってしまったんです。ラジオCMの製作者さんゴメンなさい。でもそれが真実なんです。)
あるいはイントネーションによって含みを持たせたり、意味を広げたりという事をしているのだと思うのです。
そこに間違ったイントネーションを付けてしまうと別の意味合いに取られてしまうのです。前後の話の流れから想像する意味合いとイントネーションがもたらす意味合いが違うと“イライラ”としてしまうのが関西人なんだと思います。そう言った事が最初の明石家さんまさんの発言につながるのだと思うのです。
下手な関西弁のドラマはシラケてしまいます
俳優さんが演じると言う事は、その役の人物の感情を代わりに表現する事だと思います。ところが下手な関西弁(関西弁としては正しくてもシチュエーションにそぐわないエセ関西弁も含みます)だと、その役の人物の感情に入り込めないんです。
話の前後のつながりからこう言う意味で言っているんだろうなと考え直さないといけなくなるんです。そうなると現実の世界に引き戻されてしまうのです。
製作者は関西弁のつもりなんだろうけど全然違う物になってしまった喋り方に至っては笑いたくなってしまって 話の内容どころではなくなってしまいます。
(大事なのはお客さん、つまり視聴者がどう感じるかという事です。演じている俳優さんに気を使うことではありません。)
人から教えられただけの関西弁
聞きかじりで覚えただけの関西弁で、この単語にはこのイントネーションと決め付けて使ってしまう方がいらっしゃいます。
実は「文字で書くと同じだけど もう一つの意味があって 別のイントネーションを使う必要のある単語」というのがあってそちらのイントネーションを使うべきなのに自分が知っているイントネーションを使ってしまわれるので おかしな関西弁になってしまうのだと思います。
ネイティブの関西人はそこを巧みに使い分けているんですけど、ネイティブじゃない人は単語とイントネーションを一対一で結びつけてしまって
そのことだけに集中してしまうから“もう一つのイントネーション”に思い至らないんだと思います。本来、
言葉というのは感覚的な物のはずです。「厳格に、厳格に」となればなるほど喋れなくなるんだと思います。
古臭い関西弁
やっぱりドラマの話なんですけど、「コレ 何時の話……、エライ古臭い関西弁ヤな。大正時代の話か!! コレは。」と思ってしまう事があります。
おそらく古くに関西を離れられた方が関西弁を指導されたのか、古い関西弁の研究書を元に指導されたのでしょうね。ハッキリ言っておきます、今時 そんな古臭い喋り方をしている人はいません。言葉というのは時代とともに変わって行くものです。
関西に生活の場を移されて
関西弁を真似ようとして「あなた、どこの出身?」と聞かれて気にされている方がいらっしゃると聞きます。別にそう言った人も悪気がある訳じゃないんだと思います。きっと「あなたの喋り方だと話の受け取りが不安定になります。
関西出身じゃないよね。だったら関西弁が完全じゃなくても仕方がないよね。」という事を確認しているだけだと思います。完全な関西弁で話す事を求めている訳ではないと思います。少なくとも僕はそう思います。
2017/07/05