キリマンジャロより高い場所は、世界にいっぱいありますが、

「登山初心者でも気軽に挑戦できて、運がよければ
地上6,000mの地にまで行ける」


となると、この地球上では、ココ以外には無いでしょう。

実際この山は、毎日毎日、世界各地から来た登山者で賑わっています。

そんなキリマンジャロに、
登山家でもなんでもない素人3人がちょいとトライしました。


私とO氏とM氏は、全員30代。
たぶんフツーな体力の持ち主であるこの3人が、
予備知識をあまり持たず、全行程4泊5日で挑戦した、

まあ、早い話が、
キリマンジャロの
ごくフツーの登山記です。





序章



第1章 〜出発〜

第2章 〜ピクニックと危険信号〜

第3章 〜地獄 そして 帰還
 
キリマンジャロのまじめなデータ
登山方法・装備・費用
高山病 など

登山1日目 (楽勝!)

登山2、3日目 (!?)

登山3日目深夜 (半死亡!!!)
登山4、5日目 (下山&フィナーレ)





いただキリマンジャロ!

序章




キリマンジャロのまじめなデータ

キリマンジャロ山(Mt.Kilima-Njaro)は、タンザニア北部に位置する死火山である。
キボ峰、マウエンジ峰、シラ峰の3つの峰があり、標高5,895mのキボ峰(頂上は
ウフルピークという名称)はアフリカ大陸最高峰である。
その標高ゆえ、赤道近くにも関わらず頂上部には
巨大な氷河がある。
ケニアにまで及ぶ南北約30キロ、東南50キロの広大な山域は、キリマンジャロ国立公園として指定され、1987年には世界遺産登録された。
この地域から採れるコーヒー豆は
キリマンジャロコーヒーとして名高い。
登頂の記録としては、
1889年、ドイツの地質学者ハンス・メイヤーが初登頂。
1966年、植村直己が単独登頂。
などなど。

                こちらの石碑がハンス・メイヤーさん →
                  (マラングゲートにある)



余談
ところで、キリマンジャロの写真というと、よく目にするのが、
「手前に野生動物がいて奥に特徴ある台形型をした山が見える」、という構図になっているが、
あれはタンザニア側からではなく、ケニア側のアンボセリ国立公園あたりから見たものである。
タンザニア側からは、全貌というか山頂が見えるポイントはかなり遠くになる?





一般旅行者の登山方法・装備・費用
キリマンジャロ登山は、ガイド無しでは登山できない規定になっている。

しかし、ほとんどの人は、ガイドやポーター(荷物運び)やコックが最初から組み込まれているツアーに参加することになる。
パーティーが大きいほど、当然ポーター数も増える。
今回の私たちのパーティーは、メインガイド・ポーター(サブガイド、コック含む)の6人と我々3人で、計9人だった。
一人で登山する場合は、おそらくガイドとポーターで最低2人つくはずだが、ガイドだけでもいけるのかな???


登山ルートは何本かある。
マラング・ルート(別名コカ・コーラルート)が比較的簡単で、山頂まで最短(それでも最低4泊5日かかるが)のルート。登山者が最も多い。

我々もこのルートを利用した。
(判りにくいが右下から始まるルートで、

ゲート→マンダラ・サイト→ホロンボ・サイト→キボ・サイト→ギルマンズ・ポイント→ウフル・ピーク





        
さて、
今回の我々の登山は、9月だったが、タンザニアは南半球なので気温が低い時期にあたる。一番暑い時期は分からないが、頭頂部はペットボトルの水が凍るくらい寒い。おまけに雪が積もっているので、防寒服と登山靴は必須。就寝時のシュラフもいる。ストックもあったほうがいい。
これらの装備は、現地(ゲート付近)でレンタルすることも可能。


ただ、これはギルマンズ・ポイントやウフルピークへのアタック時に必要なもので、それまでは、ちょっとした寒さと雨をしのげる服とトレッキングシューズでいける。
(3日目のキボハット付近がちょっと微妙だが・・・実際、吹雪に遭った)
歩いていると暑いが、休憩したりすると風で体が冷えるので、通気性がよく重ね着できる服がいいだろう。
日本の秋の山に登るくらいのレベルか。しかし、備えるに越したことは無い。


あとは、気休め?の頭痛薬(私の場合は重宝した)と紫外線対策と携行食と懐中電灯など。
水は、途中の水道水(山水)が手に入るが、ミネラルウォーターを買い込んだほうがいいかもしれない。

手も添えず、頭に荷物を乗っけて歩く超人技 これらの荷物は、お客である登山者は、自分の好きなだけ持てばいい。
あとの、パーティー全員の5日分の食料、防寒服や必要なものは、ポーターが運んでくれる。
楽チン楽チン。

(彼らはデカい荷物を頭に乗せて歩く。とてもマネはできません)


今回の登山費用は、ポーター達に最後に渡すチップを含めて、一人あたり約700ドルくらいだった。
当然、ツアー会社や登山人数・行程によってバラつく。





高山病について

短時間で高い山を登ろうとすると、低酸素に体がついてゆけず、高山病(低酸素症)に罹る。
体を慣らしていけばたいていの人は高度に順応できるので、日程や金銭的に余裕があるなら高度馴化できる長めのプランを組んだほうが登頂率はアップする。
富士山で高度順化していく人もいるようだ。

標高6000m近いと本当に空気が薄い。
頭が重い・痛い、ボーっとする、呼吸しにくい、吐き気、めまい、などの症状が出始めると要注意。
なんの症状もなしに最後まで辿り着く人は少ないだろうが(同行した経験豊富なメインガイドですら「頭が痛い」と言っていたぐらいだ)、あまりに症状が酷くなると、無理せず下山すべきだ。高山病は下山すると嘘のように治る。
(写真は、キャンプサイトにある病人を運ぶネコ車式担架)
無造作に置かれたネコ車型担架
最初はピクニック気分で登れるので、つい油断しがちだが、高山病は恐ろしい。
経験を積んだ現地人ポーターでさえ命を落としている。
私も、かなりヤバイところまでいった。(第3章参照)
甘くみるとマジで死んじゃいます。


余談
本当かただの迷信か知らないが、体が筋肉質なほど酸素の消費量が大きくなるので、登頂失敗する確立が高いらしい。女性のほうが有利と言われるが、どうなんだろう?




序章終わり



第1章 〜出発〜