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リング革の製作(大桶)


3尺5寸の大締めを作るに当たり、出来るだけ軽く作りたいと思ってリングをパイプで作ってもらいました。何でも自作がモットーの太鼓屋ですが、これは外注です。
φ19.1mm、t=2mmの鋼管を中心円でφ1040mmに曲げてもらいました。
錆止めにビニルテープをきっちりと巻付けます。
CADで作った一次型紙です。革取り用に、外径φ1250mmの大きさです。A0よりも大きいので、貼り合わせです。
この辺の大きさ決定は、いつも頭を悩ませるところです。大きすぎるともったいないし、小さいと革を張ったときに縫い代が取れなくて青ざめることになるし。
上の一次型紙からPPシートに写し取って革ポンチで穴を開けた二次型紙。こちらも一枚物で作れなくて、ツギハギです。
さすがに、1頭分の革では1枚しか取れないので、残りの部分は締太鼓用の革を無理矢理取りました。でも、厚みに差があってあまり良い物は取れませんでした。
乾いた状態で切り抜いたのですが、堅い堅い。
これだけの大きい革だと、水で戻すのも一苦労。空き家の風呂に水を張って、漬けましたが全部浸かりません。柔らかくなってから折りたたんで何とかふやかしました。
コンパネで作った作業台にブルーシートを敷いて、革を広げます。
その上に紙製の一次型紙を重ねて外周に締め上げ用のポンチ穴を開けます。
水で戻すと、少し大きくなっています。
傷の有無もよく解るし、何より柔らかくなるので本職の太鼓屋さんは、きっと水で戻してから革取りをするのでしょうね。
中央に自作の工具「エチゼンクラゲ」を置いて、上下左右、むら無くひもをかけていきます。
エチゼンクラゲは締太鼓を想定してひもが50cmしか無いので、ロープを足しています。
しっかり張り終えた革に、二次型紙を乗せて穴開けしていきます。
今回、縫い糸はベクトランロープのφ2.8mmを使うので、針はφ3mmのコンクリート針を使用。
穴開けの終わったリング革。これから縫っていきます。
ひと目ひと目、根気よく縫っていきます。しばらく縫うと、針には革のコラーゲン成分がこびりついてがびがびになってしまうので、時々カッターナイフでこそげて使用。
ペンチで引き抜いて縫い糸をハンマーの柄に巻付けて、引き絞ります。
縫ってる最中に乾いてくるので、水で濡らしたタオルを掛けて乾燥を防ぎます。
縫い終わったリング革です。直径は、計画通りφ1060mmに仕上がりました。
これだけ厚い革だと、耳を立てるのも一苦労。思案の末、コンパネで型紙?治具?を作って、無理矢理耳を立たせました。
どうしようか迷いましたが、縁を黒の合成漆で着色しました。
ペットボトルは、風で飛ばないようにする重し。





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