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桶胴の製作(大桶)


素材は、杉材の胴縁です。幅40mm、厚さ15mm、長さは4m余りあります。
今回は胴の直径をおよそφ900mm長さも3尺5寸の1,060mmにしようと決めたので、1本から最大でも3本しか取れません。72分割なので最低24本必要なのですが、反りや節がたくさんあって、しかも贅沢に柾目に近い物を選んだので、倍以上購入しました。
厚みはプレーナーにかけて15mmから12mmまで落としました。
72枚で円になるようにするには、360°÷72÷2で、片側を2.5°の角度で削らなければなりません。
手押しカンナのような角度削り出来る道具を持っていないので、スライド丸ノコで角材の端きれを2.5°の角度で切って、それに角材をビス留めしてからプレーナーで削り、87.5°の角を持った角材を作り、あり合わせの化粧板に固定ました。
角材の左側が少し右に傾いているのが判るでしょうか?
この角材に杉胴縁をシャコ万で固定して、この台ごとプレーナーにかけます。
そうすると、片側が2.5°の傾斜になります。
でも、真ん中の方が押さえられなくて正確な角度にならないのでシャコ万から押え金具に変更。
さらに1枚1枚削っていては時間がかかるので、4枚同時加工出来るように変更。
押え金具も頑丈にしました。
片側を全部2.5°に削ったら、今度は反対側。
ここで、胴の中央を少し膨らませて箍が効くようにするため、少し細工をします。
両端に厚紙を敷いて、真ん中はよく押さえつけて押え金具で締付けます。
そうすると、両端が厚紙分持ち上がった状態に。このまま削れば、真ん中の幅より両端の幅が厚紙分小さくなります。
仮に1mm違えば全部で72mm円周が小さくなり、歌口は直径で23mm小さくなります。
削り終わった榑。歌口はφ865を狙っているので、幅37.7mmを目指しています。
中央部は1mm強太いですが、40mmの素材からでも削り出せます。
次は、榑と榑をつなぐ合い釘の製作。
竹串を15mmに切って使いました。
ボール盤を使って榑に合い釘の下穴を開けます。
榑の上に乗っているのは、位置決め用の治具。フラットバーに穴を開けて、片側に引っかけて使います。
引っかける側を間違えないように、榑には片側にマジックで印をつけておきます。
合い釘を挿しながら榑をつないでいきます。上下を間違えると合い釘の穴が合わなくなるので、マジックの印をすべて下に持って行きます。
木工ボンドで接着したかったけど、組み立てている最中に乾燥しそうなのでやめました。
荷締め用のベルトを使って仮締めします。
フラットバー18×t3で作った箍をはめます。
思った位置に箍をはめるのはかなり難しいです。ちょっと長くしすぎるとゆるゆるになってしまう。
竹を編んで長さ調節ができるようにした昔の人の知恵には、脱帽。

口の悪い知人に「棺桶作ってるのか?」と言われた・・・orz
72角柱だから、オービタルサンダーで角を削ります。
角といっても、72枚も繋いているので結構平ら。でも、重いしでかいし削りにくい・・・
木地のまま、ニスで仕上げようかとも思ったのですが、重みが出ないようなので焦茶の着色ニスにしました。
でも、気に入らなくてつや消しの黒を重ね塗りしました。
出来上がった胴を革と合わせてみました。
縦締めに必要なロープの長さは1.06m×2×22=47m。穴に通していくだけでも大変。





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