巡り巡ってお客様である


今の大企業の経営者には

 「下請け企業の社員さんも巡り巡ってお客様である」と言う認識が欠けているのだと思います。欠けていたからデフレ状態に陥ったのだと思うのです。
 どう言う事かというと、家電メーカーの社員さんも車を買うでしょ。自動車メーカーの社員さんも家電を買うでしょ。それぞれに部品を納められる下請け企業の社員さんも家電や自動車を買われるでしょ。経済とはそうやって回っていると思うのです。
 ところが、製品を安く作るために下請け企業への支払いを削ってしまったのです。そうして下請け企業の社員さんは十分な給料が受け取れなくなったのです。十分な給料を受け取れなくなった社員さんは消費を抑えざるを得ません。そうするとどうなるでしょう……


大企業の経営者は少し勘違いされている様です

 経済を支えているのは自分達だと思っていらっしゃるのかもしれませんが、本当に経済を支えているのは普通の人たちです。 いくら製品を沢山作ったとしても それだけでは大企業とは言えないのです。それを買ってくれる人がいて はじめて企業として成り立つのです。製品を買ってくれるのは普通の人たちです。普通の人たちこそが経済を支えているのです。下請け企業に勤める人たちとは普通の人たちです。
 ところが大企業の経営者は経済に対する影響力だけは大きいのです。自らの儲けのため、成果のため、下請け企業への支払いを削ってしまいました。下請け企業に纏わる経済というのは大企業の経営者が考えていらっしゃるよりずっと広がりがあるかもしれないです。 下請け企業も、そこへ資材を納められる企業も、それぞれの社員さんも、そのご家族も全て含めて経済なのです。それらの人たちが食料を買い、家電を買い、趣味のものを買い、車を買い、外食をしていたから経済は回っていたのです。大企業の経営者とはそれを取り纏めていただけに過ぎないのです。


かつて好景気だった時期とは 下請け企業に十分な支払いをしていた時期です

 売り上げが増える為には 市場にお金が無ければいけません。そのお金を供給していたのは実は自らだったのです。ところが 景気に陰りが見えた時 自らの儲けだけは維持しようと下請け企業への支払いを削ってしまったのです。下請け企業と経済を切り離して考えてしまったのです。自らが市場へのお金の供給を絶ってしまったのです。そうして売り上げが減ってしまったのです。
 自らが支払いをした下請け企業の社員さんが直接自社の製品を買ってくれなくても、その社員さんが買った 何らかの製品を作る会社の売り上げが増えれば その会社に関連した企業の社員さんが自社の製品を買ってくれるかもしれないのです。
 大企業が値引きを要求した下請け企業の社員さんも巡り巡ってお客様である。



2017/04/08



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