なぜ違法建築の学校の壁が見逃されたか?
まず、このサイトでは「個人攻撃につながる様な事は話題にしない。(公僕たる人は除きます)」と心に決めていたのですが、今回、それを少し曲げさせていただきます。その点についてはお詫びさせて下さい。
痛ましい事故があまりにも単純な見落とし、行き違いによって発生した様に思われます。
そして、この事故の考察を元に ここで話題にして来た事が「現実の事柄と どう繋がるか?」を説明してみたいと思います。
ただ、これからお話しする事は全て僕の想像でしかありません。あくまで この様な事が起っていたから事故になってしまったのではないかという推察です(いや、妄想でしかないかも……)。ここでの話を元に当事者様を非難されることのない様 お願いします。
まず、単純な行き違いがありました
事故の以前、防災アドバイザーが招かれた折に問題の壁が危険である事は指摘されていたそうです。
アドバイザー氏は この壁が危険である事を校長先生に伝えられていました。校長先生もそれを然るべきところに伝えられていました。ところがその真意が伝わっていなかったのではないでしょうか?
アドバイザー氏は「この壁は違法建築で、大きな地震があったら構造的に耐えられずに倒れるかもしれません。点検した方がいいですよ。」と 言う意味で言われたのかもしれませんが、実際に作業をされる方に伝わるまでの何処かの段階で 単に「壁の点検しなければならない。マニュアルに従って点検をすれば良い。」と しか伝わらなかったではないでしょうか?
厳格に規則に従ったからこそ事故が防げなかった
きっと、実際に点検された方はマニュアルに従って厳格に点検をされた事でしょう。しかし、そのマニュアルは“壁の劣化による倒壊の危険性を点検するためのマニュアル”でしかなかったのではないでしょうか? つまり、その壁が建築に関する法律に合致しているか如何かを点検する事は記載されていなかった。
まぁ、そうでしょうね。何年も前からある壁が「法律に合致しているか・いないか」、なんて誰も改めて点検しない。壁が出来た段階で点検すれば良いだけの事。いや、計画、設計の段階で確認しておけばそれで良いはず……
………だとしたら どうして建築の法律に従っていない壁がそこに有ったんでしょうね。
人は
厳格なルールに従っていればそれで安心してしまう傾向があると思います。また、「壁の点検をしなさい。」と指示され、そのためマニュアルがあれば そのマニュアルに従って点検することに集中してしまいます。
集中し過ぎてしまいます。
点検した箇所に問題がなければ それで安心してしまいます。
もし、少し頭をゆるくして「壁が倒壊する可能性とは何か?」と考えられていたら防ぐ事が出来たのかもしれません。でも、人間、自分の専門以外の事はよくわからないですよね。建築の専門家なら壁をパッと見れば「これは違法建築だ。」と見抜かれるでしょうけど、担当部署とはいえ専門家でない人にそこまで求めるのはね……
かと言って、それだけのために各市役所が建築士を雇う訳にもいかないでしょうし……
人はそれぞれ自分自身の知識を元に……
“考え”、“話して”います。と、いう事は元の知識が違えば、聴いた事の受け取り方も また違うのだと思います。
アドバイザー氏は「点検して下さい。」と言えば、“壁が崩れる全ての可能性”が点検されると思われたのかもしれません。しかし、人から人へと伝わるどこかの段階で「壁の劣化の点検をすれば良い。」としか伝わって いなかったのではないでしょうか?
もし、アドバイザー氏が「壁の構造自体が法律を満たしていない可能性があります。その点を調べて下さい。」と おっしゃっていれば事態は少し違ったのかもしれません。
(いえ、アドバイザー氏はそうおっしゃられていたのかもしれません。いやいや、部外者である僕には何も判りません。)
2018/07/07