栗の木の家ってなに? 栗の木の家ってどこ?

栗の木の家ってなに?

「栗の木の家」は、三家族の思いが結実し、設立趣旨書に基いて建設された家です。

栗の木の家に対する思い

~帰りなん いざ、田園将に荒れなんとす なんぞ帰らざる~

 山が荒れている。材木の価格が下がり林業だけでは生活できないからだ。各地で森が枯れ始めている。森は材木を提供するだけではない。水をたくわえ、土砂による災害を防ぎ、きれいな空気をつくりだす。森林を守ることは地球を守ることだ。しかし林業にたずさわる人間の減少は、山を守ることをますます困難にしている。
 私達にできることはないだろうか。間伐、枝打ち、下草刈りなどの山仕事を手伝い、減少しつづける自然林を増やせないだろうか?
 自然の中で生活したい。春の山菜、秋のキノコ。畑を耕し川魚をとり山に入って野生動物と出会う。今やアウト・ドアという言葉が花盛りだ。田舎暮らしという言葉もまた然り。行き過ぎた機械文明社会の反省からくる自然に対するあこがれは、そのこと自体はすばらしい事なのだが、軽薄な流行になった感がある。今日のアウト・ドアの主流は文明が作りだした便利な道具を自然の中にもちこみ、それを使うことで満足しているだけだ。
 森林を手入れし、その木を使って小屋をつくり、枯れ木をつかって火をおこし、山菜や木の実をとり、きのこや山野草をみわけ、川の魚を捕ることを通じて自然を理解する。そのような生活ができないだろうか?
 私隊は大量生産・大量消費・大量廃棄という生活様式の中にいる。幸福の目安は貨幣の量に還元される社会の中にいる。介護保険に端的に見られる福祉・医療や教育・娯楽などの社会的サービスへの依存は家庭や地域生活における協力や相互援助といった人間関係をなくし、自立する社会技術の喪失をもたらす。人間の直接的コミュニケーションと人間の自立的能力を回復させるコミュニティがつくれないだろうか?
 私達夫婦には一人の知的障害児がいる。私達は彼女を収容所の中で人生をすごし、その中で人生を終わらせたくない。彼女を自然の中で、しかも彼女をつつみこむコミュニティの中で人生をすごさせたい。そのようなコミュニティがつくれないだろうか?

(文責 奥田隆章)

設立趣旨書

 我々は、「栗の木の家」と名づける家を建設しょうと思います。 この「栗の木の家」は室生の山里である原山の地に建設されます。そこにあった栗の木は切り倒されましたが、その精は「栗の木の家」と共にありつづけ豊かな実りをもたらしてくれるものと思います。周りの自然は子供が遊ぶにはこの上ない場所です。また疲れを癒すせせらぎの音とさわやかな風があります。
 この「栗の木の家」は、我々が、憩いの場所として、遊びの場所として、癒しの場所として使用できるものであります。が、ただ我々だけが使用するのではなく、もっと多くの人が集い語らうことのできる場所として利用できるように使用を開放したいと思うのです。そこから新たな出会いが始まり、新たな道が開け、大きな輪が生まれ、勇気と活力を与えられるのを知っているからです。
 この思いは一人では前へ進むことはできませんでした。二人が思いを出し合い、三人が語らう中から実現の運びとなったのです。思いが共鳴し合い希望がその中から輝きだしたのです。その思いは母達の心の中で生まれ、それを具現したのは父達の決意でした。 我々には夢があります。アトピーの子も、障害のある子も思いっきり遊べばいい。そんな子供たちの楽園にしたいのです。周りのすべてが遊び道具に早変わりし、皆が友達になりその楽しさを味わうのです。周りには若人があり余る力をぶつけることができる場所が一杯あります。間伐などのそのベースキャンプにするのです。自然との共生を語い実践する場所にするのです。田畑を共同で借り、米や野菜・とうもろこしなどを育てるその作業拠点にするのです。多くの人が関わればそれだけ多くの夢がこの「栗の木の家」から生まれ落ちます。あたかも大きな栗の実がいくつも落ちるように。
 そんな夢の実現の為にこの「栗の木の家」を役立てたいのです。「栗の木の家」を利用する会員を募り、各種企画を行う組織をつくり、事業として運営して行きたいのです。
 ここに我々はこの「栗の木の家」の建設の為に必要な土地及び資金を供出し、それに対する一切の所有を我々の共同管理下に置こうとするものです。また「栗の木の家」の事業から生まれる金銭的な見返りを期待するものではありません。

1998年5月5日の子供の日に
奥田夫妻 加藤夫妻 竹本夫妻

「栗の木の家」の会則

第1章 総則

設立の根拠

この会は「栗の木の家」設立趣旨書に基づき設立された会である。

設立の目的

設立趣旨書に述べられた夢を実現する。その為の各種企画を行う。

第2章 会員

会員の資格

この会の趣旨に賛同し、入会金を払ったものは誰でも会員になれる。

会費

入会金は、大人一人1000円である。年会費はなし。

第3章 会員の権利と義務

会員の権利

会員は、会の各種企画に参加でき、また、「栗の木の家」を利用できる。

会員の義務

「栗の木の家」の設立趣旨を尊重し、また、利用規則を遵守すること。

第4章 利用規定

利用できる者

会員は勿論、会員が同伴する事を条件に、会員の家族・友人も利用できる。

利用料金

昼間だけの利用では、大人一人500円。
宿泊する場合は、お風呂込みで大人一人1500円。子供一人500円。

利用の仕方

備品の多くは、会員からの寄贈であることを理解し、大切に取り扱うこと。
ホールに掲示してある<栗の木の家の使用方法>を守り、皆が楽しく使用できる様に心掛けること。

会員募集のご案内

 風光優美な室生の山里に「栗の木の家」が建設されつつあります。この家は、多くの子供達が遊び、友を得、その友情の楽しさを味わえる場所として、自然に親しみ、作物を育て、その妙なる働きを垣間見る場所として、いろんな人と語らい、思いを出し合い、交流の輪を広げ、希望とエネルギーを補給する場所として建設されます。
 そんな思いを実現したいと集まった3家族の力によって、「栗の木の家」の建設が開始されました。その設立の趣旨にのっとり、もっと多くの人々にも利用して頂きたいと、広く会員を募集する次第です。
 そんな思いを抱く人々は、誰でも会員になれます。そこから新たな出会いと、新しい交流が始まることでしょう。
 「栗の木の家」は、一階には討論会・コンサート会場としても使える15畳敷の板張りのホールと8畳の囲炉裏部屋があり、2階には8畳の和室が2部屋あります。キッチン設備・お風呂・車椅子の入れるトイレもあり、食事・寝泊まりが可能です。家族連れ、仲間同士で利用してください。
 「栗の木の家」は、営利を目的として建設されたものではありません。食事・宿泊設備は完備されていますが、それはあくまでも会員がくつろいでゆっくり時間を過ごせる為です。利用金額も必要経費に押さえたいです。
 「栗の木の家」は、単なる宿泊施設ではありません。これを拠点として設立の趣旨を実現する為のものです。それに向かって運営されていくものです。その熱意をもつ会員はその運営に参加できる資格があります。「栗の木の家」は、多くの会員の賛意と熱意で運営されます。
 こういう「栗の木の家」のあり方に賛同をお持ちの方は、会員になってください。まだまだ準備しなければならないものは一杯あります。まだ歩みだしたばかりです。それに関わりを希望されます方は、申し出てください。お金のある方は寄付を、物のある方は放出を、熱き心のある方は手紙を、体力のある方は労働を、時間のある方は奉仕を....一報をお待ちしております。
 会員皆さんの熱き思いで栗の木が更に繁みますように。そして小鳥やりすがその栗の木に集い、愛らしいメロディーを奏でますように。
「大きな栗の木のしたで あなたとわたし なかよくあそびましょう 大きな栗の木のしたで ……………… 」

(1999年12月1日 記)


栗の木の家ってどこ?

 まずは、女人高野で知られる室生寺の近くにある「室生龍穴神社」をめざしてください。「やまなみロード」を南下し、「室生トンネル」を出たところが、三差路になっています。そこを右折します。直ぐそこが室生龍穴神社です。

「室生トンネル」を出たところの三差路

龍穴の三差路

樹齢2000年の杉が繁る「室生龍穴神社」

龍穴神社

 次の目標は、宇陀市室生下田口にある「ふるさと元気村」(元田口小学校跡)です。「ふるさと元気村」は、新しくできたバイパスではなく、旧街道沿いにありますので注意。旧街道は、バイパスと旧街道との分岐点になっている太古良橋を渡ります。「ふるさと元気村」では、陶芸、竹細工、折り紙、1閑張り、草木染め、手芸・和紙作り、切り絵などの体験学習ができますので、立ち寄って見学もしてきてください。

バイパスと旧街道との分岐点(太古良橋)

太古良橋

「ふるさと元気村」

ふるさと元気村

 次の目標は、田口水分神社です。「ふるさと元気村」の正門を通り越して30mぐらい行くと、橋の手前で、右折できる細い道があります。そこを右折すると、直ぐに、田口水分神社が、右手に見えます。
 そこを過ぎて30mぐらい行くと、左側に橋があります。そこに「左 原山」の標識が立っています。そこを左折し橋を渡ります。後は、どんどん坂を登って行くだけです。山の中腹まで来ると、道の左側に家があり、4~6台ぐらい停められそうな駐車場があります。そこが、「栗の木の家」の駐車場です。

「田口水分神社」(たぐちみくまりじんじゃ)

水分神社

「栗の木の家」の駐車場

「栗の木の家」の駐車場

索引




















栗の木の家について


栗の木の家の全景
栗の木の家の全景


ホール
ホール


囲炉裏の部屋
囲炉裏の間


お風呂
お風呂


厨房設備
厨房設備


2階の部屋(東側)
2階の部屋


2階の部屋(西側)
2階の部屋