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中村茂史一級建築士事務所

パン工房のら

桂の家

敷地は桂離宮で有名な桂の北(京都では上という)、歩いて10分ほどのところに苔寺(西芳寺)、松尾大社がある京都市内でも西南に位置する閑静な住宅街。ここに1階が老夫婦、2階が若夫婦の二世帯がくらす。

1階は共用のキッチン、居間、浴室があり、西側の続き和室が老夫婦の寝室。階段とその裏の物入れを中心としてグルリと回れるプランになっている。居間の天井高さは2.9メートルあり、畳1枚大の堀こたつが備え付けられていて家族の団らんに申し分のないたいへん気持ちのよい空間になっている。
2階は若夫婦の場であるが、小さなキッチンが居間に備えられている。

軒の長さは約7尺あり、夏場の直射日光を防ぎ、冬場は太陽高度がグンと下がる関係で日差しが居間に差し込む案配になっている。
階によって世帯が分かれる関係で床の遮音には特に配慮した。
杉の4センチ+檜の1.5センチ(2階床)と檜の1.5センチ(1階天井)の間に断熱材を充填したがそこそこの効果があった。

外壁は土壁である。湿気を吸ってくれ、耐火・断熱性にも優れ、解体しても文字通り土に還る安全・安心パーフェクトな材料である。工期に余裕があればぜひとも採用したい工法。
棟梁は西宮の家と同じ三重の濱口さん。お施主さんが檜好きとあって、柱・土台は当然として床・天井・鴨居壁の腰板その他もろもろが尾鷲の檜になった。内部造作が終わるまでは杉と檜がケンカしないか心配だったが、出来上がってみればやはりステキだった。

完成して3年以上が経ったが、冬暖かく、夏も涼しくて快適との言葉をいただいている。
外壁の焼き杉板も雨風に打たれて炭もほどよく流れ、外構には竹の垣根が配されていい感じになってきた。二人目の子供もこの新居で産まれてますます賑やかになるのが楽しみだ。

街並みがちょっとはましになった!?

■ 補足資料
屋根:ガルバリウム鋼板
外壁:土壁の上に焼き杉板、漆喰塗り
1階居室(床/檜、壁/漆喰、天井/檜)
2階居室(床/檜、壁/漆喰、天井/杉野地あらわし)

1階床面積:30坪
2階床面積:25坪
延べ床面積:55坪
敷地面積:77.7坪

<2階平面図>

<1階平面図>

5年目の外観
上の写真と比べて下さい。
道路側の焼き杉の炭がだいぶ流れ、ベランダで露出した杉材の色が濃くなってます。

DSCN3760

14年目の外観
さらに・・・。

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